君自身が心から感じたことや、しみじみと心を動かされたことを、くれぐれも大切にしなくてはいけない。

(『君たちはどう生きるか』本文より引用)

「なんで働かなきゃいけないんだろう……。」

そんな悩みをお持ちの絶賛就活モラトリアム中のあなた!

この本を読めば、「働く」ことの糸口がきっと見つかるはず……!

はじめに

こんにちは。学生ライターのミルフィーユです。

みなさん、就活の調子はいかがですか…。


夏休み期間、インターンなどに参加して就活に励んでいた方。

おつかれさまです。

「就活なんかしらない!」と夏休みを謳歌した方も、おつかれさまです。

各々充実した夏休みだったことと思いますが、
その反動で5月病ならぬ9月病を患ってる方、いらっしゃるんじゃないでしょうか。

そう、たとえば、


働きたくない……

こんな風に。

皆さん、本当におつかれさまです。

「インターン参加したらやりたいことが分からなくなってしまった」
「とりあえず説明会は参加してるけど、やりたいこととかそもそもない」

そんな就活モラトリアムな皆さん、この本を読んで解決の手がかりを見つけましょう!

今回紹介するのは、吉野源三郎『君たちはどう生きるか』。

……あれ、どこかで聞いたことある?

そう、この小説、今話題の宮崎駿監督
「君たちはどう生きるか」に影響を与えた作品なんです。

この本、なんと書かれたのが約100年前。
漫画化もされて、今なお読み継がれている名著です。

本記事では『君たちはどう生きるか』から
就活に関連しそうなポイントを厳選してご紹介します。

就活にちょっと疲れてしまったそこのあなた、この本で「自分探し」してみませんか?

あらすじ

舞台は1937年の東京。

真面目で友達思いの中学二年生の主人公・本田潤一(コペル君)は、二年前にお父さんを亡くし、現在はお母さんとばあや、女中の四人で暮らしています。
 
『コペル君』という少し変わった名前は、法学士の叔父さんがつけてくれたあだ名です。
コペル君は叔父さんのことをとても慕っていました。
 
「経済構造」「貧富の差」「社会貢献」など、日常に潜む様々な哲学的テーマに対して、コペル君は叔父さんの言葉をヒントに、悩みながらもまっすぐに向き合います。
 
そんなある日、コペル君は友達との大事な約束を破ってしまい……。

中学二年生といえば、ちょうど人生に悩み始める時期。

はじめての失恋、親との衝突、封印したい黒歴史……。

それでも今思い返せばくすっと笑ってしまう、
そんなしょっぱい思い出の一つや二つ、皆さんにもあるんじゃないでしょうか。

『君たちはどう生きるか』から考える就活:
働きたくない……。就活モラトリアム中のあなたへ

「就活」×「生産関係」

ここで一つ、主人公・コペル君の大発見を紹介したいと思います。

三章「ニュートンの林檎と粉ミルク」(名前がかわいい!)の中に登場する、

人間分子の関係、網目の法則” です。

はて。何のことでしょうか。

網目?
網目ってなんの比喩でしょう??

コペル君は、自分が赤ちゃんだった時に必要だった「粉ミルク」が
どうやって自分のもとに届いたのか、道筋を考えていきました。

そうすると、全くの他人とも関わり合っていることを発見したのです。

僕は、粉ミルクが、オーストラリアから、赤ん坊の僕のところまで、とてもとても長いリレーをやって来たのだと思いました。工場や汽船を作った人までいれると、何千人だか、何万人だか知らない、たくさんの人が、僕につながっているんだと思いました。

(『君たちはどう生きるか』本文より引用)

このコペル君が発見した“人間分子の関係、網目の法則”は、

経済学でいうところの「生産関係」を指します。

「生産関係」とは、生産過程において、人間によって相互に結ばれている関係の総体のこと。
叔父さんはコペル君に宛てて、こんな手記を残しています。

誰一人、この関係から抜け出られるものもない。むろん、世の中には、自分で何も作り出さない人がたくさんあるけれど、そういう人たちだって、ちゃんとこの網目の中にはいっているんだ。生きてゆく上には、1日だって着たりたべたりしないではいられないから、やっぱり、なんとかこの網目と繋がっていなければならないわけだろう。

(『君たちはどう生きるか』本文より引用)

想像してみてください。

私たちが日々生活する中で必要な、食べ物や衣類、家電製品などの生産過程には、
ありとあらゆる人たちが関わっています。

この人のつながり、まさに「網目」のようですよね。

“人同士の支えがあって生きている”、
それはきっと『働く』ことにも共通するものがあるんじゃないでしょうか。

今まで学生の私たちは「消費」の役割を担うのがほとんどでした。

それが働き始めることで、「生産」の工程を支える側に移り、
今まで「消費」してきた分を返していく。

目には見えない生産関係のサイクルがあるようです。

“働かざるもの食うべからず”とはまさにこのこと。

私もぼちぼち働こうと思います。

あなたはどう生きる?
これからの就活は「主体性」重視!

ここまでコペル君と叔父さんの考える
「人間分子の関係、網目の法則」もとい
「生産関係」についてご紹介しましたが、いかがでしたか。

働くことの本質を少しでも捉えていただけていたら嬉しいです。

最後に、これから社会人になる皆さんと、今後働くうえで必須のスキルを
『君たちはどういきるか』から考えていければと思います。

皆さんは三省合意が改正されたことをご存じでしょうか。

三省合意とは、「インターンシップ推進に当たっての基本的考え方」のこと。
改正によってこれからの時代の働き手に求められるスキルが再定義されました。

以下が主なスキルになります。

・課題発見/解決力
・未来社会の構想/設計力
・論理的思考力
・規範的判断力

これらの能力を養っていくためのヒントが
『君たちはどう生きるか』に書かれています。

君自身が心から感じたことや、しみじみと心を動かされたことを、くれぐれも大切にしなくてはいけない。

(『君たちはどう生きるか』本文より引用)

自分でモノを考える力。

主人公・コペル君は、日々浮かぶ「なぜ?」という疑問に対して、解を見つけるべく
自らの頭で思考します。

何を見て、何を感じるのか。

皆さんも日々の生活の中で意識してみると良いかもしれません。

もちろん、本を読むことだって大いに役立ちます。

「読書就活」シリーズもまだまだ連載していくので、
これからも活用していただけると嬉しいです!m(╭• ᴥ •╮)m

“Society 5.0”時代に求められるスキルについて解説しています↓

さいごに

「働く」ことによってかたち作られる社会。

モラトリアム中の就活生の皆さん、いかがでしたでしょうか。

・身近なものについて考えてみること
・主体性をもって自分なりに考えを深めていくこと

自己分析や、課題解決型グループディスカッションなどでも役立つスキルだと思います。

ちょっと休憩してもいいんです。
自己を見つめ、内省する時間も大事。

「なぜ?」という疑問を大切に毎日を過ごしてみてください。

皆さんの就活を応援しています!

ミルフィーユでした!

インタツアー学生編集部

ミルフィーユ

25卒。ナマケモノ属科なまけもの。趣味はお散歩と、だらだらすること。好きな季節は冬。生まれた季節も冬。(いつか北欧に住みたい。)ライター名は小さい頃のあだ名に由来しています。