「最後に何か質問はありますか?」
就活で選考に進むと、必ずと言っていいほど聞かれる逆質問。
面接前に「逆質問リスト」なるものに目を通す方もいるのではないでしょうか。
入社理由
やりがい
研修制度
偏に逆質問といっても、質問内容は様々ですよね。
就活生の皆さん、
逆質問はどうされていますか?
人事の方がどんなポイントを重視しているのか、気になりませんか?
知っている人事の方にお聞きしたところ、快く答えてくださったので皆さんにも共有していきます!
今回インタビューに答えてくれたのは、人事領域で働く3名。
(皆さん中途採用担当者のため、逆質問レベルは若干高め。就活の参考程度にお読みください。)
はじめに人事の方3名について簡単に紹介していきます!
・Aさん
就活生だった頃、周囲から「人材業界は儲からないよ?やめときな?」と、コンサルをごり押しされるも、自分の信念を貫き通して人材会社に就職。のちに採用代行も務める人事のプロ。釣りバカのAさんです。
・Bさん
英語ならお任せあれ!留学経験あり、海外でのボランティア経験/インターンシップ経験あり!な外資系企業の採用担当者。ホラー映画マニアさんです。
・Cさん
「明るい未来を語れる大人を日本に増やす」というモットーのもと、スタートアップ企業で人事として働く体育会系。生後1か月の赤ちゃん育児中、新米パパさんです!
個性の強い人事の方々をお迎えして、がーすーが皆さんにインタビューを行ってきました。
それでは早速、スタートです!
教えて人事さん!~逆質問の意図って?~
――選考で必ずと言っていいほど聞かれる「逆質問」ですが、そもそも逆質問の意図って何なのでしょうか。お1人ずつ回答お願いします!
A: まずは純粋に、就活生の疑問に答えたいからってことを伝えたい。ネットで情報収集をしても、どうしても拾えない情報ってあると思う。だから就活生が知りたい部分を教えてあげたいんだよね。
B:私が思う逆質問の意図は、就活生の優秀さが顕著に現れるから。質問の内容によって、就活生の準備内容と思考力が分かる。場合によっては、企業や業界のことを調べてないと聞けない質問があるから、きちんと調べられているのか否か、判断しているよ。
C:右に同じく。2人の考えに加えるとすると、志望度が分かるからだな。志望度が高いと必然的に質問の内容に熱意が現れてくるんだよね。だから質問の内容によって、就活生の自社への熱量、関心度を図ってる。
――逆質問の内容によっては、面接官に好印象を与えることができるのですね。面接では志望動機やガクチカの対策に集中しがちですが、逆質問も力を入れるべきポイントだと再認識しました!
教えて人事さん!~ズバリ、逆質問のどこに着目しているの?~
――逆質問の意図を理解できたところで……気になる就活生も多いと思いますが、逆質問において特に着目しているポイントは何ですか?
C:僕が一番重視しているのは質問力。これに関してかなり熱く語れるのだけど、多めに時間もらってもいいかな?(笑)
質問の方向性を示す、“How,What,Why”によって、相手が何に重きを置く思考なのかがなんとなく分かるんだよね。目的や背景までを汲み取れる人なのか、それとも表面上の情報収集しかしない人なのか……。ここで大切になってくるのが質問力、つまりどれだけ自分で「問い」を立てられるかということ。なぜなら、検索をして情報収集するにも、流行りのChatGPTを駆使するためにも、自分の思考を整理するには「問い」を立てる力が必要になってくるからだよ。
B:さすが体育会系!熱いね~。でも確かに、Cさんの言うように質問力は大事だな。だからそもそも、ネットで調べてわかる内容を質問するのはNG。特に上場企業は、ホームページなどで情報が多く開示されているからよく調べるのが鉄則になってくるよ。Aさんが重視しているポイントは?
A:僕は質問が効果的か否かってポイントを重視しているよ。効果的な質問の根底には、Cさんのいう「質問力」があると思う。なぜなら、効果的な質問をしようと考え抜くと、面接官の年次や役職によって質問内容が変わってくるから。例えば、新卒採用人事に聞く質問と、社長に聞く質問は異なってくるはず。「就活当時どのような思いで就活をして、入社を決意されたのですか」なんて質問を新卒採用人事にするのはありかもしれないけど、社長に聞くのは的外れの可能性がある。社長自身が会社を設立していることもあるからね。
B:Cさんに負けじと、Aさんもかなり熱く語ってくれたので、私はシンプルに(笑)私にとっては、働くイメージを持って質問をしているのかが鍵。入社したらどのポジションで業務をするのか、イメージをしっかり持っている人が魅力的に感じるな。私たち人事は、選考を通して就活生との期待値のすり合わせをしっかりしたいと思っているからね。
A:それすごく分かる。現に、僕が就活生だったときは、実際に企業のサービスを使ってみたし。Bさんのいう働くイメージを持って質問をするには、企業のサービスを使ってみるのが効果的なこともあると思う。
――皆さん丁寧にお答えいただきありがとうございます!「質問力」という観点は、私にとって新しく、目から鱗な情報でしたし、志望度が高い企業ほど、IR情報や決算報告書などにも目を通しておこうと思いました。働くイメージをもった上で質問することも意識します!
教えて人事さん!~避けたほうが良い質問って?~
――これまで数多くの逆質問を受けてこられたと思いますが、「この質問は答えづらいな」「なんでこんな質問してくるんだ?」的な、就活生が避けるべき質問があれば教えてください。
B:そもそもだけど、「質問はありません」っていうのはNG。企業は就活生のことを知りたいと思って面接するから、就活生側も企業のことを知りたいって気持ちが大切。質問無いって言われるとちょっと心配になってしまう。
A:面接は企業と就活生がお互いのことを知りあう場だから、大前提として質問はするべきだよね。僕が思うに、よくある質問はできるだけ避けるべき。「やりがいは何ですか?」ってよくある質問だから、プラスの印象は受けないかな。聞いたからといってマイナスにもならないけど、面接官としては「あー、またきたな(笑)」って思う。その点、IR情報を読み込んだ上で課題や今後の展望について質問してくる就活生は好印象に繋がるな。もちろん、やりがいについて質問をしてもらって大丈夫だけどね。
C:僕は、質問の意図が分からなくなるような長い質問は避けるべきだと思うよ。ここでのポイントは質問の背景と、質問内容がセットになっているかということ。具体的には、「私が入社させていただいた際に、どのような課題に向き合うかを考えたいので現状の課題を教えていただきたいです」みたいにするとベスト。この質問でいうと、「現状の課題を教えていただきたいです」だけでも質問は成り立つけど、質問の背景を枕詞にすることで丁寧になる。枕詞を添えると面接官に質問の意図が伝わるから、好印象に繋がること間違いなし!
――面接官に好印象を抱いてもらえる質問がベストということですね。私たち学生が質問したいことを聞くのはもちろんですが、それに加えて企業について更に知れるようなオリジナルの質問を用意しておく必要がありそうです!
教えて人事さん!~私たち就活生に伝えたいことは?~
――最後に、就活生に向けてメッセージをお願いします。
A:逆質問というのは、就活生の面接における最後のアピールの場であって、応募企業を詳しく知れるチャンスです!ガクチカをPRするのと同じぐらい、皆さんにとって内定獲得の上でも、入社後のミスマッチを減らす面でも重要な場であることを覚えておいてください。面接官はどんな面白い質問が来るのか楽しみにしているはずですよ。
B:私からは皆に、行動した先に納得のいく結果に辿り着けるってことを伝えたいです。
私自身、最初は興味のある分野から始めて、今は全然想像してなかった場所にいます。学生時代は東南アジアに興味があって留学をしていたけど、そのまま興味を広げていったらいつの間にか人事に辿り着いていた。でもだからといって東南アジアに留学したことが無駄だったとは一切思っていなくて、今までの経験があったからこそ、人事っていう仕事に就けたと思っているよ。新卒で最初に就職した企業であなたの一生が決まるわけじゃないから安心してね。
C:僕は体育会系らしく、最後まで多めに語らせてもらいますね!(笑)僕が皆さんに伝えたいことは3つあります。
1つ目は周りと比べすぎないということ。なぜなら過激な競争や比較は、幸福度を下げてしまうから。健全な競争は成長を促すけど、周りの人と比べて就活すると自己肯定感が下がることが多いからやめた方が吉です。
2つ目は他の人の視点をたくさん借りるということ。就活中は自己分析を通して自問自答をたくさんするけど、将来のことを考えるなら他の人の視点を借りることが必要。
自分より先を行っている人の視点を借りると、将来について考える材料を増やすことができます。材料が増えれば、必然的に将来のイメージを湧かせやすくなります。本を読んだり、ジャンルを問わず人と関わったりすることで、自分が何に魅力を感じるのかがわかるようになります。ぜひ試してみてくださいね。
最後に伝えたいのは、就活を楽しむということ。就活って情報収集も、面接対策も必要で何かと大変ですよね。でも僕は、「就活のためだけに就活をしてほしくない」と思っています。就活をすると情報収集能力が鍛えられるし、言語化能力も培われる。だから成長できる貴重な機会だと思うんだよね。せっかくの機会なのでこのプロセスを楽しんでほしいです。
――人事の皆さんから面接の裏側をお聞きでき、とても貴重な機会になりました。皆さんインタビューを受けていただき、ありがとうございました!
インタツアー学生編集部