就職活動で志望する企業へ応募しようとすると、ほぼ確実に提出を求められるのがエントリーシート(ES)です。これまでアルバイト経験のある人ならば、「きっと履歴書と同じような応募書類なんでしょう?」と思うかもしれません。しかし、あまり軽く考えていると最初の関門である書類選考で落とされ、面接すら受けさせてもらえなくなるかもしれません。そこで今回はエントリーシートについて解説し、どのような対策ならば書類選考を突破できるのかについて紹介いたします。
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なぜ企業はエントリーシートの提出を求めるのか
そもそもなぜ企業は就活生に対し、エントリーシートの提出を求めるのでしょうか。その背景にあるのは「就活生の人柄を事前に知り、企業風土に適した人材を採用したい」という考えがあるからです。エントリーシートと混同しやすい履歴書は、基本的に応募者の住所や生年月日、これまでの経歴、保有する資格やスキルを記載した個人情報をメインとする書類であり、自己アピールを行うものではありません。それに対してエントリーシートはガクチカや自己PR、将来の夢やビジョンなどを記載することで、自分の人となりをアピールすることができます。企業の扱い方も履歴書が公的書類として保管が必須になるのに対し、あくまでも就活生の選考における参考資料として活用されるケースがほとんどです。
実はエントリーシートそのものが企業ごとに項目や体裁が異なっていて、JIS規格に基づいて市販されている履歴書のようにどこでも入手できるものではありません。インターネット経由でダウンロードするか、企業説明会で配布されているシートを受け取るか、のいずれかになります。オリジナル性が高いからこそ、書類選考では履歴書での情報よりもエントリーシートの情報が重視される傾向が強いです。面接でも事前資料として共有されることが多く、面接官もエントリーシートをベースに質問する傾向があります。
後で後悔しないためにも…エントリーシートの注意点
では、エントリーシートを作成する際には何に注意をするべきでしょうか。内定獲得を目指す上でファーストステップとなるエントリーシート、できる限りミスをゼロにしていきたいはずです。そこで「やってはいけないこと」をいくつかのポイントにまとめ、それぞれについて紹介していきます。
・抽象的な表現
便利な表現だからといって、「さまざまな〜」「いろいろと〜」などの言葉を用いるのは控えるべきです。企業は具体的な経験や強みが知りたいのに、まったく具体性のない言葉を羅列するのは大きなマイナスとなりかねません。
・口語調の文章
自分の個性を強くアピールしたいからといって、日常会話のような文章表現は失礼にあたります。できるだけ体言止めを心がけ、真摯な姿勢をアピールすることを意識しましょう。また、話し言葉で用いがちな「ら抜き言葉」も注意が必要です。「食べれる」は「食べられる」「見れる」は「見られる」と直しましょう。
・長文
アピールしたい気持ちが強すぎて、なんでもかんでもエントリーシートに盛り込むのもお勧めできません。だらだらと長い文章を読むのは苦痛にもなりますので、要点をまとめて読みやすい構成を心がけましょう。
・誤字脱字
あまりにも当たり前のことですが、無意識にスルーしてしまうのが誤字脱字です。特に注意すべきは見出しなどの目立つ部分の言葉で、「ここは大丈夫」という思い込みがミスにつながりやすいのです。ヒューマンエラーに対しては、十分すぎるくらいの確認が必要です。
これで通過率アップ!エントリーシート作成の有効対策
エントリーシート作成で注意すべきポイントはわかったけれど、エントリーシートの通過率を上げるにはどうしたらいいか、取るべき対策がよくわからない学生も多いはず。少しでも企業側の目に留まり、ポジティブなイメージを与えるにはどのようなエントリーシートをつくるべきか。いくつかの推奨ポイントを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
・自己分析や企業研究をやっておく
エントリーシートを作成する上で、大前提となるのが自己分析や企業研究です。ここを行っていない、いい加減にしていると、何を書けばいいかわからないという状態に陥ります。手間であったとしても絶対に疎かにせず、しっかり分析するようにしましょう。何事にも念入りな準備は必要です。
・企業からの質問を理解する
エントリーシートに記載している質問項目は、あなたについて企業が特に知りたいと考えていることです。質問内容について理解することはもちろん、なぜその質問を投げかけているかの意図も汲み取り、答えていくことに注力しましょう。相手の立場を考えた上で的確に答えることによって、採用担当者が「この人はコミュニケーションスキルがある」と判断し、通過率もアップしていくでしょう。
・丁寧に書く/ハッキリとした文字で書く
エントリーシートは応募する就活生の全員が提出するものですので、採用担当者は何百・何千ものエントリーシートに目を通します。この時に汚い文字、小さくて読みにくい文字でエントリーシートを作成すると、それだけで印象は一気に悪くなります。時間をかけてでも文字は丁寧に、読みやすいサイズで書くことが大事。もちろん誤字脱字がないように、何度も読み返すなどのチェックもしておきましょう。
・自分の可能性をアピールする
就業経験のない就活生に対し、企業はスキルに対してほとんど期待をしていません。入社してから研修などで身につけられるスキルよりも、入社後に活躍できそうなポテンシャルがあるかどうかをアピールした方が有効的です。志望する企業の理念や社風、ビジネスモデルに対してガクチカで洗い出した自分の強みがどのように活かせるか、どのような結果が期待できるかをアピールすることでポジティブな印象を与え、書類選考が突破しやすくなるでしょう。
魅力的なエントリーシートを作成するコツを紹介
基本的には企業からの質問に答えていくエントリーシートですが、より魅力的な内容にするためのコツが存在します。そこで以下のポイントを押さえることで、ライバルに差をつけるエントリーシート作成を行いましょう。
・結論から先に書く
ダラダラと前置きから書き始めるよりも、結論から文章を始める方がアピールしたいことが伝わりやすくなります。何が言いたいのかを先に紹介することで、読み飛ばされることも少なくなります。また、見出し+本文など改行を用いることで、読みやすさも格段にアップします。
・アピールポイントを絞る
質問項目に対して欲張って二つ以上のアピールを行うと、伝えたいことがボンヤリする上、文字制限内に収まらない可能性も高くなります。アピールポイントを一つに絞ると文章が簡潔になりやすく、伝えたい意図も伝わりやすくなります。
・エピソードは具体的に
ガクチカなどの裏づけとなるエピソードは、行動理由や数字などを用いながら具体的に書きましょう。根拠のある話は説得力が違いますし、何よりもライバルとなる他の就活生との差別化にもなります。
・ありのままを書く
注目を集めたいあまり、アピールポイントを大袈裟に表現しよう、事実と異なることを盛り込もうとする就活生もいるかもしれません。しかし、企業が知りたいのは「素の自分」です。内容を盛りすぎてウソに見えてしまえば本末転倒ですので、できるだけありのままを書くようにしましょう。
結論!上手に自己紹介できれば大丈夫!
ここまでエントリーシートに対する注意点や推奨ポイントを紹介してきましたが、基本的に自分自身の魅力や強みをしっかり分析し、率直にアピールすれば書類選考の通過率もアップするはずです。自分を知ってもらうための自己紹介ツールとして、エントリーシートを活用することで、今後の就職活動を有利に進めてください。
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