就活準備

『リース業界』ポイント説明

Date 2022.10.04

就職活動に役立つ業界研究を3つのポイントから解説していきます。
今回はリース業界について解説をします。

（3つのポイント）
この記事では業界の最近の動きを押さえる3つのポイントを中心に解説します。

リース業の収益のしくみ
コロナの影響を受けた国内リース市場
成長に向けた新たな投資や買収や提携の動向

Table of Contents

■リース業界とは

リース業界とは、オフィスや施設で使用する家具からPC等の電子機器から自動車や飛行機などの高額商品を企業の代わりに購入し、長期契約を行いリース(貸出)する企業の事になります。また個人向けにはカーリースもありサブスクリプション形態の契約も最近では人気があります。
リース業界の企業には独立系のオリックス、メガバンク・商社計の三菱HCキャピタル、三井住友ファイナンス＆リース、メーカー系では複合機メーカーのリコーリース、他にもJA三井リースやNTT・TCリース等があります。
純利益トップのオリックスはプロ野球チームも保有していて最近では個人向けローンのCM等も流れているので知名度が高い企業になります。

■市場の規模と変化

リース業界は借り手があって成り立つ業種になります。現在トップのオリックスはこのリース業に特化し1964年に創立した会社です。国内市場だけでなく海外市場にも進出していて世界的に注目度の高い企業です。また現在は先ほど触れたように個人向けの商品も扱って1923億円の純利益があります。
メガバンク・商社系の企業も100億単位の純利益があり大きな市場と言えます。但し、コロナ禍、ウクライナ情勢により扱う商材によって影響がまちまちであり、リース業界全体の業績は頭打ちになっています。
昨今では大型経営統合を行い各社のメリットを生かした経営戦略に乗り出している企業もあります。純利益2位の三菱HCキャピタルは、2021年に三菱UFJリースと日立キャピタルが統合し三菱UFJリースは金融、日立キャピタルは実物リースの強みを生かした戦略を行っています。
また航空機リースに強みがある芙蓉総合リースもITソリューションやコンサルティングのサービスも行っています。
今後はこういった統合や新たな分野のサービスを提供する企業が増えていくと予測されます。

トピックス①リース業の収益のしくみ

リース業界の形態にはファイナンスリースとオペレーティングリースの２つの取引方法があります。ファイナンスリースはリースしたい物をリース会社が購入し貸し出す方法、オペレーティングリースはリース会社が保有しているものを貸し出す方法の事を言います。

どちらもものを貸す事によりそのものの価格にリース料率をプラスして長期の契約を行います。これが収益となっています。
複合機やPC等のオフィス製品は単価も高く例えばスタートアップの企業であればリースを使用する事でコストを抑え起業ができます。リース会社も1年以上の長期の契約が慣習となっている為、継続的な利益を得る事が出来ます。
また資産価値の高い飛行機や工場や工事に使用する機械等は中古でも価値がある為、リース会社はこれを自社で購入し、リースを何度も行い利益を得る事が出来ます。

トピックス②コロナの影響を受けた国内リース市場

コロナ禍でリース業界は大きな影響を受けました。海外のロックダウン、国内での外出自粛、リモートワークの推奨等により航空機リース、観光業関連の宿泊施設設備リース、イベントの機材リース、またオフィス向けのPC等のリースも大幅に収益が下がりました。
但し、リモートワーク推奨により首都圏から地方への移住が増えた事により個人向けも含み自動車リースは回復傾向にあります。他にも気候変動による自然災害の多発による建機リースや中小企業への産業機械リースは回復傾向にあります。
リース業界では取り扱う商材が多いため、社会情勢や各企業の特徴により収益の増減も変わってきます。

トピックス③成長に向けた新たな投資や買収や提携の動向

国内のリース業界の収益はリーマンショックの影響による大幅な減少後、2018年までは契約高はほぼ横ばいで推移していて頭打ちと言われています。また昨今ではコロナ、ウクライナ情勢が契約高に影響を与えています。

その為、各企業新な成長領域を求めています。例としては脱炭素化に向けた再エネルギー投資、不動産、データセンター事業が挙げられます。
景気の動向に左右されがちな業界ですが他の成長領域の事業で収益をカバーしています。

まとめ

リース業界では新たな分野の事業拡大が各社で期待されます。今までのリース業とは違った分野を始める企業も多く多岐にわたる分野に携わる事が可能になります。リース業界と言う営業がメインの印象が大きいですが今後はファイナンシャルやITと言った分野にも携われる可能性があります。業界研究をする際は各企業の今後の展開に注目してみましょう。