就活において、内定承諾をした後に「やっぱり別の企業に入社したい」「この業界は向いてないかもしれない」と思い、辞退するとどうなるのでしょうか。また、本当のことは言いにくいので、嘘をつくとバレてしまうのでしょうか。今回は、内定辞退と嘘について解説します。
内定承諾後の辞退で嘘をつくとトラブルになる
近年は、内定承諾後に「やっぱり辞めます」と辞退して、企業側とトラブルになるケースが増えています。これはそもそも、複数の内定を獲得する学生が多くなっていることが要因です。コロナ禍で一時期落ち込んだものの、現在の就活は売り手市場。特に優秀な学生は、かなり多くの内定を獲得しています。
しかしいくら多くの内定を得ても、入社できる企業は一社です。つまり、たくさんの内定があるほど、多くの企業で内定辞退しなくてはなりません。礼儀を持って辞退すればトラブルになりませんが、場合によっては大きな問題に発展することもあります。
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内定辞退はなるべく承諾前に
最もトラブルに発展しやすいケースが、内定承諾後に意向を覆し、辞退することです。企業は採用計画に基づいて新卒採用を行っているため、誰かが内定を承諾すれば、その分、別の人は不採用にしているはずです。つまり、内定承諾後に辞退されてしまうと、本来は採用してもいいと思っていた人材を取りこぼしてしまいます。
もし内定を辞退するのであれば、内定承諾前にしましょう。企業側は内定を承諾するかどうかの期限を区切っているはずなので、それに合わせて判断します。もし、他の選考を受けていてその結果が出るまで待ってほしい場合は、いつまでに返事をしたいか伝えて相談しましょう。
トラブルなく内定承諾後に辞退をする方法
内定承諾後に辞退することは、なるべく避けてください。しかし事情により、どうしても入社を取りやめなくてはならないこともあるかもしれません。その際は、以下の4つのポイントに気を付けましょう。
誠実に対応する
学生からすると「別の企業に行くとは言いにくいから、嘘をつこう」と思うかもしれません。しかしこれは大抵の場合、バレているので辞めましょう。「実家の都合で地元に戻ることになった」「単位が取れなくて卒業できないから入社できない」など、学生がつく嘘は似たり寄ったりです。毎年新卒採用をしている担当者からすると、「このタイミングで言い出したということは別の企業で内定が出たのだろう」など、すぐに察します。
また、嘘をついて辞退したとしても、入社後に辞退した企業と一切かかわらないとは限りません。もし取引先になった場合、「家業を継ぐと言っていたのに、あの時の内定辞退の理由は嘘だったのか」とバレてしまうと、その後の関係性に悪影響を及ぼす可能性があります。
「怒られるかもしれない」「本当のことを言うのは気まずい」と思うかもしれません。また、短期的に見たら嘘をついた方がいいと感じることもあるでしょう。しかし長期的な視点で考えると正直に話しておいた方が得策です。
少しでも早く辞退する
内定承諾後の辞退でトラブルになっているケースのほとんどが、入社直前のギリギリのタイミングで連絡しています。早めに連絡すれば企業としても追加募集をかけるなどの対応が取れますが、例えば卒業目前の3月に連絡するとなると、企業側も対策しようがありません。
辞退することを決めたら、気が重いかもしれませんが一日でも早く連絡しましょう。ずるずる引き延ばせば引き延ばすほど、大きなトラブルになる可能性が高まります。
メールや書面で済ませず電話する
内定承諾後に辞退する時、担当者と話すのが気まずいからメールで済ませようと考えるかもしれません。しかし、メールなどの書面で済ませるのではなく、必ず電話をかけてください。
まずメールではいつ相手が読んだかがわかりませんし、タイムラグも生まれます。また、礼儀としてメールで済ませようとするのは失礼です。電話ではしっかりと謝罪を伝え、言葉遣いなどにも気を付けてください。もし「今後について直接話したい」と言われたら、応じた方がベターです。しかし「承諾後に入社をやめるのは違法だから訴える」などと言われたら、応じる必要はありません。
どこに入社するかあえて言う必要はない
いくつかから内定を得て他の企業に行くために内定を辞退する場合、嘘をつかないことは大切ですが、わざわざどの企業に行くかを話す必要はありません。「他の企業で採用をいただいたため」「別の業界で頑張らせていただくことにしたため」など、企業名はぼかしたままでOKです。
また、他の企業にした理由もあえて話す必要はありません。「内定後、社員とコミュニケーションを取れずに不安になったから」「待遇の面で、もっといい企業から内定が出たから」などの本音は心の内に留めておきましょう。
まずはリクルーターやエージェントに連絡を
リクルーターやエージェントを利用した場合は、直接企業に連絡するのではなく、まず担当者に連絡しましょう。そこを飛び越えて企業側にコンタクトすると、思わぬトラブルに発展する可能性があります。
担当者からは「なぜ辞退するのか」を聞かれますが、ここでもわざわざ詳しく話す必要はありません。嘘を言うことは良くないですが、他のどの企業に行くかなどは必ずしも伝えなくてよいでしょう。
内定辞退によってトラブルが起きてしまったら
内定承諾後に辞退の連絡をすると、「今更辞退はできない」「雇用契約に違反しているから訴えるなどと言われたり、罵声を浴びせられたりするケースもあります。また、「お前の大学からは二度と採用しない」「損害賠償を請求する」と宣言されることもあるようです。
しかし内定辞退は法律で認められた権利のため、何かを請求されたり本当に訴えられたりすることはありません。まれに、新入社員のために巨額の投資をして機械導入している場合などにかぎり請求の可能性がありますが、一般的にはそういったケースはほとんどないので、心配無用です。
もしあまりにしつこく連絡が来たり、激しい罵声が止まらなかったりしたら、親や大学に相談しましょう。企業側も、学生を相手にする態度と、成人や大学などを相手にする態度は異なります。実際に、「親に相談します」と言った結果、相手からの連絡が止むケースも少なくありません。
誠実に対応して内定辞退のラブルを防ごう
今回は、内定承諾後の辞退についてや、嘘をついての辞退について解説しました。そもそも内定承諾後の辞退にならないよう、承諾前にしっかり考えることが大切です。それでも「どうしても、やっぱり入社を取りやめたい」と思った時は、一日でも早く連絡しましょう。
企業側も、時間とコストをかけて採用活動をしています。万が一辞退するにしても、誠意をもって対応するようにしましょう。
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