複数の企業の選考を同時進行で進めていくと内定を複数獲得する場合があります。入社できるのは1つの企業だけですので、入社する1社以外は内定を辞退する必要があります。
内定辞退の連絡は電話で行うのがマナーですが、「内定辞退を伝えたら採用担当者に怒られそう」などと内定辞退の連絡が怖いと感じる方もいるでしょう。内定辞退を電話で行う際の伝え方のポイントや企業からの質問に対する回答例を解説してますので、参考にしてください。
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悪印象を与えない!内定辞退の電話をするポイント
まず、内定辞退をすることは内定承諾前であればマナー違反にはなりません。企業側も複数の企業の選考を受けていることは想定しています。
また、自分が入社できる企業は1つしかないので他の企業には内定辞退を伝えるしかありません。ここでは、できるだけ相手に悪い印象を与えない内定辞退の伝え方を紹介します。
辞退する明確な理由を伝える
まずは、内定を辞退するに至った理由を明確に伝えるようにしましょう。「一身上の都合」などと伝えても企業側から詳しい理由を聞かれる場合があります。曖昧な返答でごまかすよりは理由をきちんと伝える方がトラブルを避けられます。
しかし「第一志望の企業から内定をもらった」「その企業の仕事内容は自分には合わないと思った」などと正直な理由をそのまま伝えるのは好ましくありません。
内定を辞退する会社のマイナス面を指摘するのではなく、自分の適性や方向性が他社の方が合っていた、と伝えると内定辞退を受け入れてもらいやすいでしょう。
できる限り早めに伝える
内定を辞退するかどうかは時間をかけて丁寧に考えましょう。そして、内定を辞退することを決めたら早急に企業に連絡を伝えるようにしてください。内定通知の受け取りから1週間以内を目安にするとよいです。
企業としても早いうちに内定辞退の連絡をもらっていれば、今選考中の他の候補者から採用する人を決めることができるなど、対応が可能です。
場合によっては採用面接をもう一度やり直す必要が出てくることもあるため、企業や採用担当者へできるだけ迷惑をかけないように、早めの連絡を心がけましょう。
謝罪の意をしっかりと伝える
内定辞退は法律で認められた権利ではあるものの、採用選考時に入社を志望していた企業に対して入社を断るという点においては謝罪の気持ちをしっかりと伝えることが大切です。
内定辞退の連絡は緊張や恐怖心からつい早口になってしまう可能性があります。電話での謝罪になり相手の表情が分からないため、普段よりも丁寧な話し方を心がけましょう。
また、内定辞退は本来であれば直接企業に出向いて意思表示をすべき内容です。電話でお伝えすることについても一言お詫びするとよいでしょう。
怒られたときに反論しない
企業は毎年多くの候補者を採用しており、内定辞退をする人も多くいます。そのことを想定の上、予定の採用人数よりも多めに内定を出すなど工夫をしているため、基本的には内定辞退を伝えてもすんなりと受け入れてくれる場合が多いです。
しかし、企業は採用活動に時間や手間をかけていることは事実です。状況や担当者によっては内定辞退の電話をした際にきつく当たられてしまうこともあるかもしれません。
もしも、電話口で怒られてしまったときには反論せず「すみません」「申し訳ございません」と終話するまで謝り続けて乗り切りましょう。
最後にお礼の言葉を伝える
企業は選考活動の開始から内定を伝えるまで時間やコストをかけて候補者に接しています。内定を辞退することを決めた場合でも自分に対して貴重な労力を費やしてくれたことについてきちんと感謝の気持ちを述べるようにしておきましょう。
また、内定を辞退した企業には入社しないものの、将来どこかの場面で関わりが生まれることもあります。トラブルを避けて自分の誠意を伝えることが大切です。
内定辞退の電話をするときの例文を紹介!
内定辞退の電話は基本的には次のような流れで進めていきます。
- 相手の都合を確認する
- 内定辞退の連絡であることを述べる
- 内定辞退の理由を伝える
- .電話での謝罪をお詫びし、感謝の気持ちを述べる
ここでは3.の内定辞退の理由を伝える部分について次の3つのパターンを紹介します。
- 第一志望の企業へ内定を決めたパターン
- 別の職種への内定が決まったパターン
- 地元企業から内定をもらったパターン
電話をする前に、自分が辞退する理由に合ったものを参考にしてメモを作っておくと、電話をかける際にも慌てずに伝えられるでしょう。
第一志望の企業へ内定を決めたパターン
採用試験の途中で企業の志望度を聞かれた際には「御社が第一志望です」と答えている人が多いでしょう。
そのため、実際には第一志望が別の会社であり、その企業へ入社することを決めた場合には「面接時は御社が第一志望だったが、選考を受ける過程で変わっていった」という内容で伝えるとよいです。具体的には下記のように伝えましょう。
当初は御社を第一志望としておりました。ですが、内定をいただいた後に、他社の業務内容を詳しく伺ったところ、私の適性に一番近いと感じたため、このような決断となりました。 |
別の職種への内定が決まったパターン
選考過程ではその職種に対する理解度や志望度を聞かれることがあるでしょう。別の職種への内定が決まった場合には、最後まで悩んだ結果入社を決めた職種の方がより志望度が高く自分の将来のビジョンと一致しているという内容で伝えるとよいです。
職種が理由であることが明確に伝わると企業側の気持ちを害することなく納得してもらえるでしょう。具体的には下記のようなイメージです。
御社では◯◯職で内定をいただきましたが、別の会社では◎◎職として内定をいただきました。最後まで悩みんだのですが◎◎職の方が私が以前からやりたかったことに一番近いと感じ、将来のビジョンについて改めて検討した結果、このような決断となりました。 |
地元企業から内定をもらったパターン
地元企業から内定をもらった場合には、どうして地元の企業で働きたいのかということを謙虚な姿勢で示すようにしましょう。地元愛の強さと地元の発展へ貢献したいという気持ちが伝えられれば、好印象につながる場合もあります。具体的には下記のように伝えましょう。
御社と並行して選考を進めておりました地元の企業からも内定をいただきました。幼少期から親しみのある地元での就職に縁を感じており、自分の適性や将来性を考えた結果、長年住んでいる地元の活性化に貢献しながら働きたいと決意しました。 |
企業担当者からよく聞かれる質問への回答例
内定辞退の連絡をした際に内定辞退の理由以外にもよく聞かれる質問として次の内容があります。
- 他の企業の選考状況
- 内定承諾をした企業名
これらの質問に対する回答例をまとめたので、質問をされた際の参考にしてください。
「他の企業の選考状況を聞かれたとき」の回答例
他の企業の選考状況を聞かれた場合には、嘘をつかずに正直に答えるようにしましょう。第一志望の企業から内定を獲得しており、入社を決めている場合には先ほど紹介した内容で回答するとよいです。
もしも、他の企業からは内定が出ていない場合は、企業によっては内定を承諾する期限を調整してもらえることもありますので、次のように相談をしてみましょう。
現在、他社の選考を受けており、結果を待っている状態です。御社に対する志望度が高く慎重に考えて決めたいと思っているため、お返事をお待ちいただくことは可能でしょうか。 |
「内定承諾をした企業の名前を聞かれたとき」の回答例
内定辞退をする際に、入社する企業名を聞かれた場合には答えてしまっても構いません。入社予定の企業に連絡がいくという心配はなく、採用担当者としては辞退者の傾向を把握するためのデータが欲しいために質問をしているという場合がほとんどだからです。
ただし、会社名を答えるのに抵抗がある人は必ずしも会社名を答える必要はありません。次のように業界や職種を答えるだけでもよいでしょう。
申し訳ございませんが、内定先の企業から指示があり、会社名をお答えできません。○○業界の総合職として採用していただきました。 |
内定辞退の電話連絡は怖がらなくても大丈夫!
内定辞退をすることは一つの内定先に入社するために必要な過程です。企業側も内定辞退を想定して採用活動を行っているため、きちんと内定辞退の意思を伝えられれば問題はありません。必要以上に電話連絡を怖がらなくて大丈夫です。
入社しないことを決めたとしても、企業に応募して内定を獲得できたというご縁のある企業ですでの、最後まで誠実な対応を行いましょう。