就職活動に役立つ業界研究を3つのポイントから解説していきます。
今回はコロナ禍で注目を浴びた医薬品業界について解説をします。
(3つのポイント)
この記事では業界の最近の動きを押さえる3つのポイントを中心に解説します。
- 薬価改定のよる業績のひっ迫
- 医薬品開発による提携・買収のトレンド化
- 国内で注目されるジェネリック薬品
■医薬品業界とは
医薬品業界とは、医療用医薬品、一般用医薬品の研究開発から効果の確認、販売までを行っているメーカー企業の業界です。
国内の企業には新薬企業の武田薬品工業、アステラス製薬、第一三共があります。海外企業ではコロナワクチンで名前を良く耳にしたファイザーやジョンソンエンドジョンソンといった企業があります。またジェネリック薬品で有名な後発薬メーカーのサワイグループホールディングス、東和薬品、大衆薬メーカーの大正製薬ホールディングス、ロート製薬、ゼリア新薬工業等が医薬品業界の企業になります。
新薬、後発、大衆薬メーカー企業の名前は医師に処方される薬や常備薬に記載があり知名度の高い企業が多くあります。
薬の開発には長期にわたる時間が必要で販売する製品になるまでには様々な工程があります。その為、開発には長期間を要し費用も莫大な予算や金額が投じられます。また製品になるまでには思い通りの成果が出なかったり完成しても認可に時間がかかったりもします。このような医薬品業界の状況はコロナ禍でワクチンの開発、国民への供給までのニュースが頻繁に取り上げられたので広く知られました。
■市場の規模と変化
医薬品業界の2021年度の市場規模は、10兆を超え前年比2.2%の増加になっています。世界的にみても170兆円となり大きな市場になります。
国内では高齢化による医薬品の使用量が増加傾向にありますが2021年4月から2年に1度だった薬価の引き下げが毎年行われる事になり収益に影響が出ると予測されます。
薬価とは医師が処方する医薬品の公定価格の事を言います。日本では、医師が処方する医薬品の品目とその価格を国の機関である厚生労働大臣が定めています。
これを受けて今後はジェネリック薬品の普及に力を入れる必要があります。また大手企業は海外への進出にも取り組んでいます。
トピックス①薬価改定のよる業績のひっ迫
2022年度に行われる薬価改定率は6.69%の引き下げになります。2021年度の市場から算出すると6000億円を超える市場が失われると予測されます。
この改定でG1ルールと言うものが適用されます。このG1ルールは新発売してから10年前後経過した長期収載品、また10年経っていなくても後発品のシェアが80%になった時点で段階的に後発品と同じ価格まで引き下げるルールです。
このルールが適用される為、新薬を発売出来ていない企業は業績がひっ迫されています。
トピックス②医薬品開発による提携・買収のトレンド化
日本の新薬開発力は世界3位を誇っています。新薬開発には基礎研究が2-3年、非臨床と呼ばれる動物による試験が3-5年、ヒトで行う臨床試験が3-7年、承認申請と審査で1年といった工程を経ています。新薬が収益になるには長い時間がかかります。
開発の為に要するコストや、今回の薬価改定の影響も踏まえ大手は海外企業の買収や提携が活発になっています。武田薬品工業はアイルラドの企業シェイアーを6兆円という高額で買収しエーザイは抗がん剤の分野でアメリカの企業メルクと大型な業務提携を行っています。今後も大手製薬メーカーの海外との業務提携や買収に注目する必要があります。
トピックス③国内で注目されるジェネリック薬品
国内には後発薬メーカーと呼ばれるジェネリック医薬品を取り扱う企業が注目されています。ジェネリック薬品とは新薬と同じ有効成分で効能や効果、用法や用量が同じと規定されています。その上で新薬より低価格な設定になっている医薬品の事です。最近では健康保険証にジェネリック医薬品を希望する意思表示を示すシールが配られていたり企業CMも行われ注目されています。
ただ残念な事にジェネリック業界では品質基準に満たない製品の販売、違う成分の混入と言った不祥事が相次いでいて市場にも影響が出ています。
まとめ
医薬品業界は人の役に立つ業界です。各企業で得意分野、新たな開発を予定している領域等個性があります。また今後の展開として海外への進出も注目されます。
職種も開発の携わる技術職、バックオフィスの事務職、MRと呼ばれる医師に対して営業を行う医薬情報担当者と言った専門知識が必要とされる業務もあります。
就職活動を行う時には気になる会社の今後の動向をチェックしてみましょう。
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