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【採用IR】『IT業界(EC)』 ポイント解説

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今回はIT業界を3つに分けたワンポイント解説第三弾です。

前の記事はこちらをご覧ください。
採用IR IT業界(ITサービス)解説
採用IR IT業界(ネットサービス・アプリ)解説

IT業界を「ITサービス」「ネットサービス・アプリ」「EC」に分けて解説します。
今回は「EC」について解説します。

3つのポイント

この記事では業界の最近の動きを押さえる3つのポイントを中心に解説します。

① コロナ外出自粛が需要増へ
② クラウド提供やポイントサービスなど業界を超えたサービス拡大
③ オムニチャネル、フリマアプリと業態多様化+物流の取り込み

コロナによる需要増、サービスの多様化、業態多様化+物流の取り込みについて説明します。

EC業界とは

まずは最初に「EC業界」の概要を確認していきましょう。
EC=Eコマース、ネット通販ともいわれる業態は、小売り+ITの組み合わせです。取り扱う商材はさまざまですが、EC業界のサービス提供形態は大まかに3種類に分けることができます。

▽ネット店舗・モール型
ネットで販売できる商材は何でも取り扱うネット販売店で、小売事業者向けに販売窓口を提供もしています。商品販売のほか、加盟店の出店料も収益の中核となっています。リアル店舗のショッピングモールと似ています。Amazonや楽天、askulやモノタロウ等がこれに当たります。

▽直販・オムニチャネル型
アパレルの直販店やスーパーマーケットなど、リアル店舗の販売網を持つ企業がネット支店として運営するケースです。リアルとネットで同じ商品を取り扱うほか、ネット購入品のリアル店舗受け取りや宅配、ネット店舗で見つけた商品のリアル店舗購入など、組み合わせ(オムニチャネル)の利便性が特長です。ユニクロ(ファーストリテイリング)やイオンネットスーパーなどが該当します

▽フリマ・オークション型
小売事業者や個人が出品するフリーマーケットやオークションサイトです。出品者からの取扱手数料が収益源です。ヤフオク!やメルカリが有名ですが、ハンドメイド品やイラストの購入専門サービスなども増えています。
購入者から(あるいは出品者から間接的に)利益を得るビジネスモデルなので、利用者の獲得と囲い込みが重要です。また、個人消費の需要によって業績が左右されやすい傾向にあります。

市場の規模と変化

国内のEC市場規模は2000年代から順調に成長を続け、2019年には10兆円を越えました。小売り全体にECが占める割合(EC化率)は6.76%となっており、米国15.5%、中国644.0%と比べまだ低い状態です。コロナ禍の影響で非対面・非接触の傾向が強まり、EC化率は大きく伸びているといわれます。国内の小売市場は潜在的なECマーケットが眠っており、今後もEC市場は成長が見込まれます。

EC市場の変化としては、通称「pay払い」といわれる電子決済手段の普及と、物流網との結びつきがあげられます。

電子決済の普及は、2019年の消費税率引き上げ対策に展開された国の「キャッシュレス・消費者還元事業」がきっかけとなりました。非接触需要もあり、アフターコロナでも引き続き普及が進むと思われます。

物流網との結びつきも近年ニュースになることが増えました。送料無料サービスや速達サービスを実施するEC企業が増え、配送企業の現場で人手不足やコスト割れを引き起こすこともありました。物流コストは荷物取扱数が増えるにつれて増加するため、このコスト圧縮はEC市場では重要な課題となっています。

※ 経済産業省 「電子商取引に関する市場調査」より

トピックス1

① コロナ外出自粛が需要増へ
EC市場のトピックスで見逃せないのが、コロナ外出自粛によっていわゆる「巣ごもり需要」が増え、EC通販の売り上げが伸びたことです。調査にもよりますが、ECサイトの利用回数が2倍以上に増えたという結果もありました。
今後世界的な経済回復もあり2~3年コロナの影響は減っていくと予想されていますが、巣ごもり需要をきっかけに普及したECの普及は今後も拡大していくと考えられます。今後は獲得した利用者にさらに利便性を提供できる企業が成長を続けていくと思われます。

トピックス2

② クラウド提供やポイントサービスなど業界を超えたサービス拡大
業界の主要企業では、ECだけでなくビッグデータやインフラを活用したサービス拡大が進んでいます。ECサイトの大きな強みとして、「購買履歴や嗜好など個人のデータを収集できる」「決済手段と連動しておりサービス課金がしやすい」といった点があげられます。これを活用することで、各社は本業のEC以外にもサービスを拡大しており、楽天の携帯電話事業進出、Amazonの映画・音楽コンテンツ配信などが代表的です。また、ポイントサービスを使った広告配信、大規模なサーバインフラを活用したクラウド提供、決済手段の外部向け提供など、企業向けのサービス展開も盛んです。EC市場は小売ビジネスからより大きなプラットフォームへと成長しています。

トピックス3

③ オムニチャネル、フリマアプリと業態多様化+物流の取り込み
ECのトレンドとして、今後注目されるのが配達手段や購買行動の変化です。コロナの影響で宅配時に置き配・宅配ボックスの設置が話題となりましたが、こうした変化は今後も起こる可能性があります。米国やEU圏では「クリック・アンド・コレクト」という、WEBで注文した後店舗で受け取る方法が一般的で、日本でもネットスーパー等のオムニチャネル販売(ネットで商品を見て店舗で購入する)と併せて普及する可能性があります。また、物流サービスの強化も進んでおり、宅配企業と連携した配送情報の提供、フリマ出品者向けの発送支援サービスなど、各社が物流コストの低減と利便性の向上に取り組んでいます。Amazonやaskulなどは出荷から配送までの強力なネットワークを物流企業と協力して構築しており、WEB上のサービスだけでなくモノのサービスの変化も今後見逃せません。

まとめ

EC業界は市場規模も大きく今後も成長が見込める業界ですが、大小さまざまなプレイヤーが入り乱れる変化の激しいマーケットでもあります。就活の中で企業を見ていく際には、業界の流れだけでなくその企業がどういうポジションでどういう狙いをもっているのか、企業研究を進める必要があります。

EC業界の企業を研究するときには、コロナ禍でのイノベーション、サービスの多様化、物流やオムニチャネルへの取り組みを中心に見ていくといいでしょう。

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