3ポイントで業界研究をするポイント解説記事、今回は「建設機械」業界についてワンポイント解説をします。

(3つのポイント)
この記事では業界の最近の動きを押さえる3つのポイントを中心に解説します。

①コロナ買い控えからの復調へ
②スマート建機需要が増加
③温暖化対策で炭鉱需要減少 脱炭素への対応がカギ

コロナ後の需要復調、スマート建機、脱炭素への対応について説明します。

建設機械業界とは

まずは最初に「建設機械」業界の概要を確認していきましょう。
建設機械業界は、建設現場や鉱山などで利用するブルドーザー、パワーショベル、クレーンなどの製造・販売を主な仕事としています。

最近では、建設現場で必須となる様々な大きさと機能を備えた建機も存在し、人の手ではできない作業も楽に行える様になりました。これらの進化に伴い、建設現場だけでなく災害時には人の助けになる活躍もしています。また、活躍の場は建設現場にとどまらず、炭鉱などの鉱山の場へと広がりを見せ、需要が拡大の一途をたどっています。

物流現場では、フォークリフトやクレーンの活躍が大きく、大きな荷物を運ぶ際の手助けや仕事の効率化にも大きな役割を担う存在となりました。これにより、物流業界へとっても無くてはならない存在となってなり、日本だけでなく世界の物流を支える機械としても需要を高めています。その事実から、建設機械業界は、世界と繋がっている産業であることが分かります。

製造販売の他にも、建機の賃貸借やリース、オプションパーツの供給、日常点検などアフターサポートが充実しているのも建設機械業界の一つの特徴です。中古販売などもメーカー網がカバーし合い、コロナ禍でも高利益率を上げるなど、私たちの生活を支える産業としても一役買っています。

市場の規模と変化

建設機械業界は、コロナの影響もありアジアの公共事業投資が鈍るなど買い控えが続きました。ですが、世界的に建設需要は引き続き高く続くと見られます。

建設需要があるということは、建設に必要な機械の需要も高まるということへも繋がります。以前のように世の中が動き出しさえすれば、コロナ後は世界的に見ても復調を遂げることは明らかです。

建設機械業界の世界市場に注目すると、米国キャタピラー社が首位を独占し、日本のコマツが2位に入るなど、建設機械業界の中でも日本はとても優秀な技術を備えていることが窺えます。

これは、日本人ならではの繊細さと高度な技術が組み合わさった結果ではないでしょうか。因みに、国内メーカーはコマツ以外にも日立建機やコベルコ建機、クボタなど有名な企業が多数存在します。

フォークリフトでは、豊田自動織機が世界一位を独占。日本の技術を世界に向けて発信し続けており、世界中の物流現場で活躍しています。
建設機械業界では、今のところ米日メーカーを中心に需要が高まっていますが、近年では中国メーカー猛追しているという事実もあります。

その背景には、中国独自のインフラ工事向け公共投資の加速があり、特に「油圧ショベル」の販売が急増しているようです。
今後、どの国が世界のトップとなるかは定かではありませんが、日本も技術の上では負けていません。これからの建設機械業界へ期待がかかります。

トピックス1

①コロナ買い控えからの復調へ
コロナの影響によって設備投資が冷え込み、買い替えを控える期間が長期間に及びました。特に、主力マーケットのアジアの開発需要が一時ストップした影響は大きく、建設機械業界の製造や販売も落ち込む事態になったのは事実です。

ですが、上述したように、建設産業は世界中で行われている産業のため、コロナが回復すれば、建設機械業界の回復の見込みもあります。また、世界的に建機が不足しているということから需要もさらに高まることでしょう。

トピックス2

②スマート建機需要が増加
建設機械は人の手によって動かすことが主流ではありますが、最近では、オペレーター不足やメンテナンス需要から建機の自動化や省力化のニーズが高まりつつあります。

世界的にも国内的にも建機オペレーターは不足していますが、自動運転や運転アシスト、稼働状況データ収集などスマート建機の利用の伸びは大きく飛躍中。国内メーカーもすでにスマート建機に力を入れています。

トピックス3

③温暖化対策で炭鉱需要減少 脱炭素への対応がカギ
温暖化対策によって石炭需要が減少傾向へと進んでいます。鉱山需要は、建機市場でも重要な位置を占め、利益率も高いことから製造するメーカーにとっては大きな痛手となっているのも事実です。

これらの問題を温暖化対策を含んで解決するためには、「脱炭素」へ対応していくしかありません。今後は、デジタル化やEV化を絡めての環境対策が重要となります。

まとめ

私たちの生活を支えている建設機械業界ですが、コロナ禍の影響もあり製造や販売が長期間に渡りストップしていたのも事実です。ですが、世界的な産業の一つということもあり、コロナが回復すれば、それに伴って需要が回復する業界でもあります。

世界的に建機は不足しています。これから先、需要の拡大が期待できる業界ですので、大手企業を始め、中古販売業に注目してみるのも一つの手です。

就活の中でこの業界を見るときは、専門的な知識を含め、製造に携わりたいのか、それとも販売に携わりたいのか、自分に向いている方を選んでみましょう。

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