3ポイントで業界研究をするポイント解説記事、今回は「電子部品・半導体」業界についてワンポイント解説をします。

(3つのポイント)
この記事では業界の最近の動きを押さえる3つのポイントを中心に解説します。
①コロナ禍・テレワークなど半導体ニーズが急増 世界的な供給不足に
②世界的な半導体への積極的な設備投資が追い風
③5G・EV需要で基盤を支える日本企業
世界的な供給不足、積極的な設備投資、5G・EV需要について説明します。

■電子部品・半導体業界とは

まずは最初に「電子部品・半導体業界」の概要を確認していきましょう。
電子部品・半導体業界は、製造業に含まれる業界です。

電子部品は様々な家電や情報端末、自動車など多くの機会製品に組み込まれている電子制御や通信装置の部品を指しています。
半導体はその電子部品の中で、コンピュータとして計算と制御を司っている部品です。
現代の通信ネットワークやスマートフォンなどの端末は必ず半導体と、半導体を組み込まれた電子部品(電子デバイス)で構成されています。
電子部品・半導体業界は、これらの部品を製造したり、あるいは半導体を製造するための装置設備・素材などを製造したりする業界を指します。
電子部品・半導体といっても、製造するものは多岐にわたり、「コンデンサー」「抵抗」「スイッチ」「モーター」「基板」「センサー」「CPU/GPU」「汎用IC」など、企業によって専門分野が異なります。
また、企業によっては「自動車業界専門」「半導体製造装置専門」など、出荷先の業界に特化している場合もあります。

ビジネスモデルとしては、製品の研究開発・製造販売によって売り上げを上げる形ですが、研究開発に特化した企業や、製造に特化した企業(EMS)など、業界内での分業も進んでいます。
現代社会では生活のいたるところに電子部品や半導体が使われており、私たちの社会を支える重要な役割を果たしています。

■市場の規模と変化

電子部品・半導体業界は、情報通信技術の進歩に合わせて市場規模を拡大し続けてきました。日本の半導体製造のシェアは、90年代には世界の49%に達していましたが、2000年代以降存在感が下がり、現在では6%程度となっています。しかし、半導体製造装置や素材などでは今でも世界的な技術力とシェアを握っています。

また、電子部品の製造では日系企業のシェアは大きく37%となっています。よく、「iPhoneの中身はかなりの部分が日本製の部品」という話が引き合いに出されますが、Appleなど海外メーカー製品の中には日本メーカーが製造した部品が多く組み込まれています。

2019年からのコロナ禍では、世界的なサプライチェーンの混乱で「半導体の取り合い」といった状況が発生しました。そのこともあり、国内産業の保護のために2021年10月の岸田内閣からは「経済安全保障担当大臣」が新設され、主に国内の半導体製造能力維持に乗り出しています。情報技術に欠かせない製品として、電子部品・半導体業界は今後も重要な位置を占めていくでしょう。

トピックス1

①コロナ禍・テレワークなど半導体ニーズが急増 世界的な供給不足に

コロナ禍でテレワーク需要が急増し、PCやタブレットなどで使用される半導体のニーズも急増しました。また、国内の半導体製造大手「ルネサス」は自動車向け半導体の世界的なシェアを占めていましたが、工場の火災などで製造が追いつかず、世界的に半導体の取り合いが発生しました。前述の通り「経済安全保障」という政治的な課題にもなるほど、半導体の確保は産業全体にとって重要となっています。

トピックス2

②世界的な半導体への積極的な設備投資が追い風

世界的な供給不足が引き金となって、半導体製造への積極的な設備投資が各国で進められています。その中心は台湾、韓国、中国などの東アジア諸国ですが、リスク分散と製造能力確保のために、日本国内の半導体製造工場新設や、東南アジアへの生産拠点展開などが進められています。

トピックス3

③5G・EV需要で基盤を支える日本企業

テレワーク需要が一巡した後でも、電子部品・半導体のニーズは継続的に続くと考えられます。そのキーワードとなるのが「5G」と「EV」です。モバイル通信の新規格・5Gは2020年ごろから世界的に普及が始まりましたが、コロナ禍での一時ストップを経て急速に普及が始まっています。この通信機器に使われる電子部品・半導体の需要が今後も世界的に続くと予想されます。また、EVシフトが進む自動車でも電子部品・半導体の使用が増えるため、5~10年単位で需要が継続していくとみられています。

■まとめ

電子部品・半導体業界の企業は主に裏方の製造メーカーなので、私たちが日常的に製品名や企業名を目にすることはありません。しかし、日本の電子部品・半導体企業は世界で必要とされている部品供給の『要』となっています。
就活の中でこの業界について見ていくときには、それぞれの企業がどういった取引先を持ち、どういった技術を有しているのか注目していきましょう。