「いくらなんでも謎すぎる年商1500億円大企業」の取材を経て、「キャムコムグループを象徴する社員がいる」と人事部の方から情報提供があった。なんでも会社のスタープレーヤーなのだとか。それはもう取材するしかないでしょう！
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キャムコムグループの社長は、まるで孫正義氏？「日本一の人材会社にしたい」とファミレスの面接で聞いた“志”
——北沢さんは、社内で有名な方だとお聞きしました。とても貴重な体験をたくさんなさったとのことですが、どのような経緯でキャムコムグループに入社したのですか？
北沢：最初は自動車の販売会社に入社し、続いて商社系の企業に勤務していました。その後、ライフステージの変化を経て、改めて仕事をしたいなと思っている時にキャムコムグループの募集広告を見て興味を持ったんです。当時はまだ社員が30名もいない頃で、本社から遠い地域での募集だったのでオフィスがなかったんですよ、その地域に。なのでファミレスでの面接でしたね。
——人材業界に興味があったのですか？
北沢：ないわけではなかったけれど、希望職種は人材業界という感じでもなくて……。
——なるほど。では北沢さんを1500億円も売り上げる大手人材会社キャムコムグループのスタープレーヤーに押し上げた原動力は何だったのでしょうか？
北沢：私がスタープレーヤーかどうかわからないですが、とにかくその時に社長が語った夢や理念、そして“志”が面白くて。「あ、私もこの夢を実現してみたいな」って思ったんですよ。
——それを詳しくお聞きしてもいいですか？
北沢：はい。それは、「一人でも多くの人に雇用を創出する」「日本一の人材会社にする」「トヨタと仕事ができる企業になる」ですね。
——そんな壮大な夢を社屋もない地域でのファミレスの面接で！？ ソフトバンクグループの孫正義さんが20代で会社を創業した初日にみかん箱の上に立ち、「わが社は5年以内に100億円、10年で500億円、いずれ1兆円企業になる」という演説を２名のアルバイトの前でしたら、次の日から誰も来なくなったという話を思い出しました。
北沢：なるほど、それは面白いお話ですね。私はむしろ「面白そう！絶対にやってやる！」って思いましたね。
——なるほど……。理念に共感できると言うのは会社選びでも重要なポイントなんでしょうね。これは就活生にも役立ちそうな意思決定なポイントな気がします。
北沢：そうかもしれないです。例えば私は、仕事でどんなことがあっても理念に立ち返れば何とかできるチカラが湧いて来るので、家族や友人に仕事の愚痴をこぼしたことはないです。それがいい事かどうかはさておき、就活生の会社選びには重要なのかもしれないですね。
リーマン・ショックやコロナ禍などの社会的な困難を経て、少しずつ叶っていく夢
——今や社員2000名以上のキャムコムグループが30名の頃から今も活躍なさる北沢さんですが、北沢さんにとって印象的なお仕事って何でしょうか？
北沢：リーマン・ショック後の自動車業界への営業と、コロナ禍での海外人材受け入れビジネスは特に印象に残っていますね。
——とても興味深いです。ぜひ詳しく教えてください。
北沢：リーマン・ショックの頃、西日本・九州の営業部隊の立ち上げをやっていたんですけれど、「派遣切り」がすさまじくて。キャムコムグループは人材派遣の会社ですから会社の業績は恐ろしい勢いで下がっていきまして。人材業界は大学生の就職したくないランキング第1位になったりしました。
——そんな時代もありましたね。
北沢：キャムコムグループはリーマン・ショックから最初に復調するのは自動車業界ではないかと予想したんです。私は「チーム北沢」を結成して、ひたすら自動車業界に営業をすることにしました。北はトヨタ自動車東北様、南は日産自動車九州様……と、猛烈に営業して最初の受注は日産自動車九州様から頂きました。それをきっかけにトヨタ自動車東北様など多くの自動車メーカーのお客様が増えていったんです。
——それは社長が語った、「トヨタと〜」の夢を結果的に叶えたのですね！？
北沢：そうですね。それも嬉しかったですし、何よりリーマン・ショック後に職を失った方に「一人でも多くの人に雇用を」も叶えられたのかなと。
——たしかに！ ふたつ同時に叶えられたんですね。それは印象的な仕事になりますね。では、もうひとつの、コロナ禍での海外人材受け入れビジネスについてもお聞かせください。
北沢：少子化が進み人手不足に悩む企業が増えていますよね。多くの企業が外国人の方の労働力に期待しています。そう言った事情があるなかで、開拓したベトナムやインドネシアの外国人技能実習生を日本に受け入れるスキーム作りには結構苦労しました。
——それもまた興味深いです。ぜひ教えてください。
北沢：外国にも日本にもそれぞれ一部の悪徳業者がはびこってしまって。平均年収の3倍も仲介業者に搾取され日本にくる外国人技能実習生がたくさんいるんですよ。彼らは日本に来てから搾取された現実と背負っている借金の額の大きさに驚愕するんですよね。そして少しでも稼げる仕事を求めて失踪してしまう問題も数多く発生しているんです。
——それは……なんとも良くない状況ですね……。
北沢：一部の悪徳業者は、一人の外国人技能実習生を日本に送り出せばキックバックで10万円程度が懐に入るので、日本人を接待したがるんですよ。キャムコムグループは「接待をしない、されない」でやってきたのでそんなことに乗っかるわけがない。「取引先と飲むなら折半」、そんなの当たり前ですよ。
——キャムコムグループって、とてもクリーンな会社なんですね。
北沢：そう！ キャムコムグループってとにかくクリーンな会社なんですよ。それはもう『会社の理念』とでも言うのかもしれないですね。だから私も、ベトナムやインドネシアで信頼に足る業者を探して歩きました。会社の『理念』に基づいて。
——そのお話の先にある苦労は、相当なものなのでしょうね。
北沢：この記事を読むのは就活生の皆さんですよね？ その後の話は筆舌に尽くしがたいといっても過言ではないエピソードが目白押しなので……不適切な関係が蔓延るベトナムやインドネシアで信頼に足る業者を探してひたすら歩いてきたという苦労話になってしまうんですが。
——人材業界を目指す就活生の皆様にはぜひ北沢さんのお話を聞いてもらいたいです。
北沢：それはどうでしょう（笑）。なにせ、“筆舌に尽くしがたい”ですからね。でも、私の話を聞いた後でも人材業界を目指してくれる人がいるなら、その人はキャムコムグループに向いている人なのかも知れないですね。私は仕事でどんなことがあっても理念に立ち返れば何とかできるチカラが湧いて来るので、その理念は会社選びには重要だと思いますね。
——なるほど、勉強になります。
就活生にはもっと揉まれて欲しいけど、温室育ちなのは自分のせいじゃない
——北沢さん、非常に貴重な体験談をお聞かせいただき、ありがとうございます。唐突ですが、北沢さんが就活生に望むものって何ですか？
北沢：難しい質問ですね……もっと揉まれて欲しいとは思います。
——なるほど、就活する前にもっと揉まれた方がいい？
北沢：そうですね。キャムコムグループの内定式でお話する機会があって、同じ話をしたんですけどね。自分のできることを精一杯やろうと思うよりも、自分のできないことを探して欲しいと。それを探して、チャレンジすることを、癖にできるような人になって欲しいなって。無理だなとか難しいなとか言うことをハナから諦めるんじゃなくって、やってみようと一歩踏み出す勇気を持って欲しいとお伝えしました。
——なるほど、確かに難しそうなことに挑戦すると、結果的に揉まれますもんね。自分が苦手なものや得意なことはチャレンジしてこそ見つかるのかもしれないですね。
北沢：そういうことかもしれないですね。新卒採用関連の質問で毎年のように会社や就活生から質問を受けて、ちょっと前までは尖っている人とか、生意気な人が欲しいとか言っていたんですけど。でも、親や学校が揉まれる環境を用意していない現状がある気がしていて。
——たしかに……温室育ちの就活生が就活で不利になるのは自身のせいではないですね。
北沢：そうそう。全くその通り。それって就活生の責任ではないんですよ。だからこそ、学生のうちにいろいろなチャレンジをしてみて欲しいですね。あとね、認めてあげる力がある人はとても魅力的です。私が海外人材ビジネスをさせてもらっているから余計に思うんです。
——ダイバーシティ的な考えがある方がよいと？
北沢：そうですね。年齢も国籍も性別も違う人とたくさんお会いして、思ったんです。得意なことや不得意なことは誰にでもある。それでもその人の個性を活かしてこその人材業界ビジネスだと思うんです。なのでまずは相手を認めたいなって思います。
——とても深いお話をありがとうございます。北沢さん、ぜひ、また取材させてくださいませんか？
北沢：いつでもどうぞ（笑）。お待ちしています。
——ありがとうございました！
