
『集団面接って何か苦手』と思っている、そんな就活生も少なくないと思います。おそらく個別面接でも緊張してしまうのに、複数名で同時に面接を受ける状況に多少の抵抗感を覚えてしまうのでしょう。しかし、個別であっても集団であっても選考面接を受けなければ入社したい会社にも、やりたい仕事にも就くことはできません。そんなジレンマを解消するためには、集団面接に向けて入念な事前準備を行うことが必要です。
しかし、個別面接対策でも大変なのに、集団面接に向けた準備ってちゃんとできるのか、どうしても不安になってしまう人も少なくありません。中には『複数名で面接官と話をするから、流れに乗れば何とかなるのでは?』と油断する人も少なからず存在するみたいです。そこで今回、内定獲得に向けて集団面接を成功させるためのポイント、そして万全の対策を講じるための注意点などを紹介します。
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集団面接ってなぜ行われるの?
そもそも選考面接でなぜ、複数名の就活生を集めて行う必要があるのか、疑問に感じた人も少なくないと思います。実は採用する企業側にとって、ちゃんとした根拠をもって集団面接は行われています。まずは集団面接が行われる意義について、しっかりと理解していきましょう。
効率的な選考を行うため
企業によっては何百名ものエントリーを受けるところもあり、書類選考でふるいにかけても何十名もの候補者が残っているケースは珍しくありません。人事担当者も面接官も新卒採用だけに時間をかけるわけにはいきませんから、一度に多くの就活生を相手にする集団面接を行うことで効率的な選考を行うのです。
大幅な就活生の絞り込みを行うため
一次面接など早い段階から複数名の就活生と対峙することで、その後の選考に進む就活生を大婆に絞り込もうという選考フローが考えられます。これには基本的な質疑応答は集団面接で行い、2次面接は個別一人ひとりにフォーカスを当て、より濃密なコミュニケーションをはかり、就活生の人柄をじっくり見て合否を判断しようという企業側の意図があります。人柄重視の採用を行う企業では、このような選考を行う傾向があるといえるでしょう。
就活生の比較検討したいから
比較といっても質疑応答における優劣を判断するのではなく、集団において一人ひとりがどのような立ち振る舞いをするのか、それぞれの対応を見て合否を判断しようとする狙いがあります。ほかの就活生に配慮した言動ができているか、きちんと自分の軸をもってPRすることができているかなど、個別面接では見えにくい能力が確認しやすくなります。そのため、面接官も多角的な視点で選考に臨んでいます。
集団面接で陥りやすいポイントや注意点って何?
就職活動における選考面接は個別・集団を問わず、所要時間は10分から20分程度とされています。集団面接では短い時間内で複数名の就活生との質疑応答が行われますので、一人当たりの時間が必然的に短くなることは理解できるはず。そんな状況の中でどのようなことに気をつけなければならないか、陥りやすいポイントとしての注意点をいくつか紹介します。
質問に対して長々と答えない
面接官に強い印象を与えようと考えると、一つの質問に対して前のめりにアピールしたい気持ちになりがちです。しかし、面接官はあなた一人のためだけに時間を割いているわけではないので、時間を独占する行為は自己中心的、空気が読めないというマイナスイメージとなります。回答は簡潔に話すことを意識し、事前に練習するようにしましょう。
ほかの就活生に惑わされない
自分以外の就活生がどのような回答をするか、事前に予測することはできません。だからこそ他者の言葉に戸惑うこともあれば、自分自身に不安を募らせてしまう状況に陥る可能性もあります。とはいえ自分の軸をぶらして回答しても何の意味もありませんし、何よりも面接が終わってから後悔することになるでしょう。周囲に気を取られず、面接時間は集中して自分の軸をぶらさないことが大事です。
日常的な”癖”に気をつける
順番に質疑応答が行われる集団面接では、一瞬の間が空くことでちょっとした癖が表れやすくなります。ボールペンをカチカチ鳴らしてしまう、爪で机をトントン叩いてしまう、貧乏ゆすりをしてしまう…このような癖の悪さは特に面接では目立ちやすく、すぐ直せるものでもありません。就職活動前に周囲の人からアドバイスをもらい、癖を自覚して直す意識を持ちましょう
正しい身だしなみや姿勢を取る
個性の時代と言われて久しくても、服装や髪型などに注意を払えない人は仕事ができない人と評価されます。スーツのシワや汚れに気をつけることはもちろん、髪もきれいにセットするなど清潔感のある装いは極めて大事。また、面接中も背筋を伸ばして手は膝の上に置くなどの姿勢、入退室時の挨拶や一礼もメリハリをつけるなどの対応など、マナーにおいても十分な配慮を行うことを心がけましょう。
集団面接ではどのようなことを聞かれるの?
基本的に就職活動での選考面接では、個別・集団でも一般的に質問される項目に差はありません。改めて集団面接で聞かれること、集団面接だからこそ行われる聞かれることなど、頻繁に出される質問例と対策を紹介します。
『自己紹介をお願いします』
ここでは氏名と学校と学部学科名のほか、サークル活動やゼミについても紹介するようにしましょう。同時に自分がどのようなタイプの人間かを一言で表し、面接の機会をいただいたことに対する感謝の言葉を添えるようにしましょう。
『志望動機を教えてください』
ここでは入社したい意欲をアピールできる絶好の機会と捉え、具体的な志望理由を伝えるようにしましょう。自己分析や業界・企業研究をしっかりと行うことで、根拠のある回答と強いアピールが可能になります。
『学生時代に力を入れてきたことは?』
通称『ガクチカ』を質問する企業は非常に多く、主に就活生の人柄や思考性をチェックしています。ここではエピソードというよりも理由の方が重視される傾向が強く、事実や体験談を話しても効果的なアピールにつながりにくいです。なぜ頑張ったのか、どのように乗り越えたか、結果的に何を得られたかを語るためにも、具体的なエピソードを話しましょう。
『あなたの長所を教えてください』
面接官が長所について質問するのは、就活生自身が自分の能力を把握し、それを上手くアピールできるかどうかをチェックするためです。他人の目線がある中で自己主張を行うのは照れ臭いかもしれませんが、そこは周囲に流されることなく自分の長所をハッキリとアピールすることに集中しましょう。なお、長所は一つに絞っておきましょう。
『隣の人の意見についてどう思いますか?』
複数名が参加する集団面接の大きな特徴が、自分以外の回答や意見に対して意見を求められることです。これは周囲への傾聴力があるか、自分自身の考えをもっているかなどをチェックする目的があります。ここで気をつけなければならないのが、否定的な回答を控えること。他者の意見を尊重しながら、自分なりの意見を述べることを意識しましょう。

集団面接を乗り切るための回答例とは?
上記に挙げた質問例に対して、どのような回答を行うのが効果的なのか悩まれる人も多いことでしょう。そこでそれぞれの質問に対する、模範的な回答例を紹介していきます。ぜひ参考にしてください。
『自己紹介をお願いします』の回答例
「■■大学◎◎学部の▲▲▲▲と申します。大学では陸上競技部で部長を務めたこともあり、自分を責任感のある人間と捉えています。本日は貴重な時間を頂戴し、ありがとうございます。よろしくお願いいたします」
『志望動機を教えてください』の回答例
「御社を志望したのは、主力事業である◎◎がもたらす社会貢献性の高さに感銘を受けたのが理由です。中学・高校ではボランティア活動に参加し、いずれ社会に出た時は世の中に役に立てる存在になりたいと考えていました。ある程度体力が必要な仕事でしょうが、大学時代のサークル活動を通じて体力にも自信があります。ぜひ御社の◎◎事業に参加し、社会貢献と事業の成長に寄与したいと思います」
『学生時代に力を入れてきたことは?』の回答例
「陸上競技部の種目は長距離で、個人では1万メートル走に取り組んでいました。同時に駅伝競技にも参加していて、私が部長に就任した時に”箱根駅伝の本戦出場”を目標に掲げました。しかし、当時の実力は低く、部員たちも本気か?と疑心暗鬼だったのです。だけど、目標をもたずに毎日を送っても成長につながらないと思い、事あるごとに部員たちへ箱根駅伝への思いを伝え、やれるところまで頑張ろうと説得を繰り返しました。その結果、好きな陸上競技で悔いを残したくない部員と練習を重ね、予選会に出場しました。結局歯が立たずに敗れ去りましたが、仲間と最後までやり切った達成感は大きな宝となりました。同時にチームワークのすばらしさも知りましたので、今後もチームワークで取り組める仕事に取り組みたいと思います」
『あなたの長所を教えてください』の回答例
「私の長所は、どのような状況にあっても最後までやり遂げようと努力することです。学生自体は陸上競技に力を入れていましたが、それを理由に学業を疎かにすることはできません。レポートは必ず締め切り前に書き上げて提出することを心がけましたし、試験も赤点だけは取らないよう勉強時間も確保して臨みました。成績自体は決して上位ではありませんが、落単を一つも出さなかったことは大きな自信になっています。御社に入社してからも、この負けず嫌いなところを長所として活かしたいと思います」
『隣の人の意見についてどう思いますか?』の回答例
「◆◆さんの意見はとてもすばらしく、特に△△に関する視点にはとても共感できました。同時に◎◎の意見は新たな発見があり、参考にできる部分も多かったです。実は◎◎については□□と思っていましたので、そう見方もあると認識した上で入社してからも様々な意見に耳を傾け、参考にしていければと思いました」
改めて確認!集団面接の乗り越え方は?
ここまで集団面接の注意点や質問例・回答例を紹介してきましたが、集団面接を乗り越えるためには個別面接と同様に事前準備が大事となります。そこでどのようなことを意識して準備を進めていけばいいか、いくつかのポイントを紹介していきます。
■業界・企業研究は妥協せずに徹底して行う
■自分の強み・弱みを把握し、具体的な自己PRを行う
■『ガクチカ』を作成し、自分の言葉で話せるようにする
■論理的で簡潔に話ができるよう、友人などと練習を行う
■普段の会話でも相手の話す言葉一つひとつに耳を傾ける
■身だしなみやマナーに注意を払い、誰かから注意してもらう
■面接をコミュニケーションの場と捉え、どのような会話にも積極的に参加する

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