
「就職活動を始める前に、何か資格を取った方が有利だよ」と、アドバイスをもらったことのある人もいるかと思います。職種によっては資格がなければ仕事に携われないケースもありますので、学生時代に何かしらの資格を取得することは、就職活動を進める上で有利になる可能性は十分考えられます。
しかし、せっかく取得した資格が志望する業界・業種でまったく使い物にならないというケースも考えられます。しかも資格の種類は千差万別で、いったいどんな資格を取得すればいいかわからないという人も多いはず。そこで今回は、本当に就職活動で有利になる資格とは何かを紹介しながら、取得に向けた対策などを解説していきます。
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就職活動で有利になる資格って本当にあるの?
結論から言うと、就職活動で有利になる資格は確かにあります。しかし、ここで認識しておかなければならないのが、就職活動において資格の取得は必須ではないということ。つまり、就職活動前または期間中に資格を取得していなくても、企業から内定を獲得することは可能なのです。
では、なぜ資格を持った方が有利になるのでしょう。それは選考が進んでいくに従って残った就活生同士を比較した際、資格の有無が評価の加点要素となるからです。最終選考に進んでいけば、選考に残っている就活生のレベルは必然的に拮抗していきます。特に面接の受け答えについては、差がほとんどない状況となるもの不思議ではありません。誰かを選考から落とさなければならない状況で、最終的に資格の有無が何かしらの影響を与えると考えられます。
この時にプラス評価となる資格は、会社のビジネスや募集する職種に関連した資格となります。『この資格を持っているなら、専門知識を学んできたのだろう』という解釈となりますし、入社後に研修を受けた後で比較的早く戦力として活躍できるという期待にもつながります。同時に就職に対する本気度もアピールできますので、取得できるチャンスがあるならば取得した方がいいでしょう。
就職活動に有利になる資格はこれ!
資格の有無が就職活動で有利になることは理解できても、『資格の数が多すぎて、何を取ればいいかわからない』という人も多いでしょう。ここでは業界ごとにアピールできる資格をいくつか紹介していきます。
■全業界向け資格
- MOS
マイクロソフト社のWordやExcel、PowerPointなど、ほとんどの会社で使用されているMS Office製品のスキルを証明する資格です。学生時代に使ったことがあるとアピールできても、MOSがあることでスキルレベルの証明が可能。しかも国際資格ですので、グローバルなビジネスフィールドでのアピールも可能になります。
- 日商簿記検定
特に経理業務で必ず行われる帳簿作業において、作業レベルをアピールできるのが日商簿記検定です。この資格はあらゆる企業で活かすことができますし、3級以上であれば経理部門だけでなく、商社や金融業界で知識やスキルを発揮できるでしょう。
- TOEIC
今やビジネスは日本国内に限定されず、海外のマーケットへ進出する企業も珍しくありません。仕事において英語を使う機会も必然的に多くなり、特に商社や旅行代理店などではTOEICのスコアを必須とするところもあります。730点以上であれば、国際人としてのアピールも可能となります。
- 日経TEST
日本経済新聞社と日本経済研究センターが取材する試験で、出題される問題は経済に関する項目が占められます。社会人は日経新聞を読むことが求められる上、国内外の経済動向を常に把握していなければなりません。この試験を受けていることでいかに経済情報に注目しているかをアピールできる上、就職に対する本気度も企業側へ強く伝わるでしょう。
- 普通自動車第一種運転免許
厳密には資格ではありませんが、これがあれば社用車を運転するなどアクティブなビジネスシーンで活躍することができます。営業職では取得が必須となるケースも多く、入社後に取得させる企業もあります。営業職以外にも外出する機会のある事務職でも、運転免許を活用する機会があります。
■不動産業界
- 宅地建物取引士
賃貸物件や物件の売買を行う際、非常に細かな契約を結ばなければなりません。金額も非常に高額となるので、些細なミスが大きな損害となるケースもあります。そのリスクを回避する上で、宅地建物取引士の資格は大いに役に立ちます。商談で契約内容や取引条件の説明を行うのも宅地建物取引士の仕事ですので、早期で活躍できる可能性も高いです。
- 不動産鑑定士
家やマンション、土地などを鑑定して適正価格をつける上で、不動産鑑定士の存在は欠かせません。土地や建物に関する法律への理解、経済状況や周辺環境などを総合的に判断する能力を身につけられますので、コンサルティング要素の高い仕事で大きな効果が発揮できます。
■IT業界
- ITパスポート
ITビジネスに関する基礎知識、基本スキルを証明できるのがITパスポートです。プログラマーやシステムエンジニアなどを志望する場合、この資格を取得するケースも少なくありません。この資格は経済産業省所管の国家資格ですし、小学生も合格するなど難易度も低めなところもこの資格の特徴です。
- プロジェクトマネージャー試験
システム開発などのプロジェクトにおいて、最高責任者となるのがプロジェクトマネージャー(PM)です。IT業界でキャリアアップを目指す上で非常に有効ですし、情報処理推進機構(IPA)所管の国家資格であるのでアピール度はかなり大きいです。ただし、取得に向けてのハードルは高いので、将来に向けた勉強を行うだけでも十分なアピール要素になるでしょう。
■コンサルティング業界
- ファイナンシャルプランナー(FP)
個人の資産に関する様々な悩みや不安に応え、効果的なアドバイスを送るのがファイナンシャルプランナーです。株式投資から財産贈与・分与、遺言の書き方など様々な課題に対応できるだけに、金融系のコンサルタントを目指す人にはお勧めの資格です。
- 中小企業鑑定士
企業の抱える経営状況を分析し、診断した上で課題解決策を提案するのが中小企業鑑定士です。経営状況に不安を抱える中小企業の経営者への相談役として活躍できますし、管理職などへキャリアアップした際も知識やノウハウが活かせるなど、一生物の資格として使うことができます。ただし取得難易度は高いので、勉強していることをアピールすることだけでも選考に有効的と言えるでしょう。

資格取得に必要な時間と注意点
比較的簡単に取得できる資格であっても、合格するためには一定期間の勉強は必要です。ITパスポートやMOS、日商簿記3級のように合格率の高い資格であれば1日1〜2時間の勉強を3ヶ月程度、または日経TESTなどの試験スタイルのものであれば学生生活を送りながら受験することが可能です。
しかし、国家資格のほとんどは専門的な学びが必要ですし、中小企業診断士やプロジェクトマネージャー資格のような難易度の高い資格となると1年単位での対策期間が必要となります。より専門性の高い資格を取得するならば独学だけではなく、専門学校やスクールなどに通うことも検討する必要もあります。
就職活動を始める直前で資格取得を目指そうにも、勉強や対策期間に時間を取られて就職活動自体の準備が疎かになってしまっては本末転倒です。できることならば大学2年時に資格取得に向けた検討や取捨選択を行い、3年の前期で取得試験に臨むのが理想的です。
資格取得よりも就職活動で大切なこと
ここまで資格取得に向けた様々な解説を行ってきましたが、先にも述べた通り、就職活動ににおいて資格は絶対に取るべきものではありません。選考において資格の有無が有利に働くこともありますが、実は企業は考えているほど資格の有無を重要視していません。では、就職活動において何に重点を置くべきか、資格取得に関わる範疇で紹介していきます。
資格取得の目的を明確にする
資格取得をアピールするなら、なぜ取ろうと思ったのかなどのキッカケや目的をハッキリさせて、エントリーシートや面接でアピールするようにしましょう。それによってどれだけ採用に向けて本気であるのか、自己PRに転化することで強いメッセージとなります。
取得までのプロセスを紹介する
ただ取っただけでは企業側は事実確認で終わる可能性が高く、アピールとして極めて弱いものになってしまうでしょう。取得に向けてどのように勉強してきたか、学業といかに両立してきたか、どのように効率的な知識習得をしてきたか、プロセスを紹介することで論理的思考や目標達成力のアピールへつなげることができます。
資格を通じたキャリアビジョンを伝える
企業側が知りたいのは、取得した資格をこれからのビジネスでどのように活かしていくかなどの展望です。業界・企業研究で知り得た情報をベースに、取得した資格がどのように活かせるか、採用されてからどのようなメリットを生み出すことができるのかなどをアピールすることで、企業にとって必要な人材であることを強く印象づけさせましょう。

就職活動を有利にしたい!その思いをインタツアーが応援します
就職活動で重要なフローの一つでる面接では、資格の有無よりも就活生一人ひとりの人柄、そして質疑応答における表情や態度、話し方などを採用担当者は重視しています。あくまでも選考を有利にするピースの一つとして捉えた上で、対策を講じていくことが大事となります。 インタツアーではコンシェルジュが就職活動における不安への解決策、面接に向けた準備などを親身になってサポートしています。これから就職活動を始めようとする人はぜひ、インタツアーに登録して様々なサービスを活用していただきたいと思います。まずは一度、私たちにご相談ください。お待ちしています。