就職活動は内定を獲得すればすべて終わり、というわけではありません。企業の中には内定を出した就活生を集め、内定者交流会や懇親会を行うところも珍しくありません。しかし、交流会だからといって普段の飲み会感覚で参加してしまうと、会場内で「あれ?こんなはずじゃなかったぞ」と恥ずかしい思いをするかもしれません。
後から後悔しないよう、内定者交流会に参加する際に気をつけておくべきこと、心がけておきたいことを紹介します。就職活動におけるマナーの一つとして、しっかり覚えておきましょう。
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「内定者交流会」とは?懇談会との違いは?
内定者交流会とはその名の通り、同じ年次で内定を獲得した就活生が一つの会場に集まり、お互いのコミュニケーションをはかることで親睦を深める目的で行われる懇親会のこと。企業によっては内定者のみのところもあれば、年齢の近い先輩社員も参加するところもあり、参加することによって入社後の人間関係構築が容易になりやすくなります。また、情報交換によって社会人としての心構えなども身につけられるなど、楽しい時間を過ごしながら多くのメリットを享受できる機会が得られます。
似たような就活イベントに「内定者懇談会」があり、同じような名称なので混同する人も多いでしょう。内定者交流会や懇親会はあくまでも内定者同士や先輩社員を交えたコミュニケーションの場であるのに対し、内定者懇談会は一つの課題をもとに話し合いを行う場。交流することには変わりはありませんが、内定者懇談会の方がかしこまった感じと捉えておくといいと思います。
なぜ企業は内定者交流会を行うのか…その目的とは
企業が内定者交流会を行う背景には、採用する側ならではの目的があります。主に以下に挙げる3つの目的で内定者交流会が行われていると言われています。
内定者同士の仲を深めてもらう
主に内定者のみで行われる内定者交流会は、入社日を迎える前にお互いの顔と名前を覚えてもらい、コミュニケーションを通じて仲良くなってもらうことが目的となります。さらに結束を深めることで、入社へのモチベーションを高めるということも狙っています。
会社の社風や雰囲気を知ってもらう
特に先輩社員も参加する内定者交流会においては、実際に働いている人たちからの話は会社をより深く知る上で有益な情報となります。会社説明会でのスライド紹介などでは伝わり切れていない魅力を知ってもらいながら、疑問や不安を解消する場として行われています。
内定辞退を防ぐ
企業が内定者交流会を行う上で、一番の目的とも言っていいのが内定辞退を防ぐことです。
近年では複数の企業から内定を獲得する就活生も珍しくなくなっていますので、内定承諾前に参加を促された場合、それだけ企業側の採用に対する本気度が高いことが考えられます。
内定者交流会では何が行われるのか?
一口に内定者交流会といっても、実施するプログラムは企業によって大きく異なります。ここでは代表的なプログラムについて紹介しますので、参加する上での参考にしてください。
食事会
食事やお酒を楽しみながら、同期となる内定者同士や先輩社員と雑談できる場として、食事会が行われることがあります。リラックスした雰囲気の中、お互いの本音を知ることもできるので、企業側としても内定者一人ひとりのキャラクターを掴みやすいと言えるでしょう。一般的な飲み会スタイルや屋外でのバーベキューなど、その内容も千差万別です。
座談会
飲食が伴わないことの多い座談会では、主にゲーム性の高いアトラクションが行われます。実際にカードゲームやテレビゲームなどを行うことで一体感を生み出し、会話があまり得意ではない人でもその場に馴染みやすくなるのが大きな特徴です。楽しみながら何かを行う様子を見て、一人ひとりの個性を確認する企業もあります。また、自己紹介や社内インタビューなど、相互理解を深めるカリキュラムも併せて行うケースもあります。
グループワーク
一つのテーマに沿って内定者同士で作業を行ったり、ディスカッションしてプレゼンテーションを行ったりと、様々なスタイルで行われるグループワーク。積極的に意見を出したり、逆に意見を取りまとめたりと、参加者それぞれの役割を見ることで一人ひとりの適性をはかっている企業もあります。参加者にとっても仲間意識を持つことで、同期の絆を結ぶ効果が得られます。
オンライン
ここ数年、オンライン会議を活用した内定者交流会を行う企業も増えています。これは遠方在住の内定者がなかなか参加できないという配慮もあり、ゲーム感覚で行われる気軽さも人気の背景にあります。オンライン用の飲食物を内定者の自宅に配送し、オンライン食事会を実施する企業もあります。
内定者交流会では「ここ」に注意!
基本的に内定者交流会は選考会ではないので、人事担当者は特に何もチェックしていないだろうと思うかもしれません。すでに内定を承諾している就活生の中には気が緩んでいることもあり、無意識でマナーに反する言動を行ってしまう可能性もあります。サークルやゼミのコンパや飲み会とは違うことを理解した上で、どのようなことに注意すべきか、主なポイントを紹介していきます。
身だしなみ
たとえ学生の身分であったとしても髪型やメイク、服装については就職活動中と同じような配慮が必要です。明るすぎる髪色、つけまつげやカラーコンタクトなどの華美なおしゃれは控えめにして、服装もできればスーツを着用することをお勧めします。企業側からカジュアルOKとされた場合は、オフィスカジュアルでコーディネートするのがいいでしょう。
言葉遣い
人事担当者や先輩社員はもちろんのこと、内定者同士においてもコミュニケーションの取り方には注意が必要です。まだ打ち解けていない段階でのタメ口や一方的な自己アピールは相手が引いてしまうでしょうし、呼び捨てや相手を見下した言葉、乱暴な言いまわしは言語道断。どのような相手であっても、最悪の印象しか与えかねません。相手のことを考えた上で、その場の雰囲気に適したコミュニケーションをはかりましょう。
飲食マナー
食事やお酒が提供される機会の多い内定者交流会において、もっとも人柄を表してしまうのが飲食時のマナーです。食べながらの会話、音を立てながらの食事は強い不快感を与えてしまいますし、調子に乗ってお酒を飲みすぎてしまうと、かなり多くの人に迷惑をかけてしまうどころか、会社から要注意人物とのレッテルも貼られるでしょう。
内定者交流会では「ここ」に注目!
逆に内定者側からは、内定者交流会の何を見ておくべきでしょうか。注目ポイントをいくつか紹介しますので、入社後の参考となるようぜひ活用してみてください。
オフィス内の雰囲気や人間関係
社内で内定者交流会が行われる場合、併せて職場見学を行うケースもあります。選考時では緊張して目が届かなかったところも、内定を獲得している安心感も手伝ってより細かなところまで見えてくると思います。先輩たちの働きぶりや表情など、じっくり観察するチャンスです。
仕事のやりがいや厳しさ
先輩社員との交流ができるのであれば、仕事でのリアルを積極的に聞くようにしましょう。入社してよかったこと、逆につらかったことや克服できたキッカケ、やりがいに感じたこと、仕事に臨むための心構えなどを聞くことで、その会社の素顔を知ることができるでしょう。
同期となる内定者仲間
一番注目すべきは、これから一緒に同じ会社で働く仲間のことについてです。自分のことを知ってもらうだけではなく、他の内定者がどんな人なのかを理解しながら、仲間意識を養うようにしましょう。もちろんライバルとして意識しても構いませんが、まずはお互いの絆を結ぶところから始めるのがベストです。
内定者交流会はできるだけ参加しよう!
もしかしたら「内定者交流会に参加しなければ内定取り消しになる?」と不安になっている就活生もいるかもしれません。結論から申し上げると出席しないからといって、内定取り消しになるようなことはありません。また、出席したとしても、内定者交流会での態度を理由とする内定取り消しもありません。いずれにおいても法律で定められていることなので、余計な不安を感じる必要なないのです。
ただし、これから組織の一員として活躍するにあたっては、少しでも自分のことを理解してもらい、いい印象を与える上でも内定者交流会に参加した方が必ずプラスに働きます。どうしても外してはいけない用事がなければ、出席を断らずに内定者交流会を楽しんでほしいと思います。
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