就職活動において、多くの企業で行われているグループディスカッション(グルディス、GS)。面接だけでも大きな不安を感じているのに、複数名で議論を行うことに何かしらの抵抗感を覚えている就活生もいるかと思います。「うまくその場を盛り上げられるのだろうか」「どんな役割が与えられるのか不安でしかない」など、様々に思い悩むこともあるでしょう。そこでグループディスカッションを有利に進め、少しでも内定に近づけるための対策を紹介します。
グループディスカッションとは何かを知る
グループディスカッションとはその名称の通り、複数の人たちでチームに分かれ、一つのテーマに対して議論を行う選考方法です。ほとんどの場合で制限時間を設け、その時間内に結論を出すことが求められています。このグループディスカッションは多くの企業で採用される傾向が増えているのですが、その背景には履歴書やエントリーシート、面接などではなかなか知ることのできない能力を把握したいという企業側の考えが強く反映されています。
グループディスカッションは論理的思考力、テーマに対する理解力や考え抜く力、論理的思考力などをチェックすることを目的としています。企業側は協調性やコミュニケーション能力、発想力、リーダーシップ能力、バランス感覚などについて細かく評価。議論を重ねていく中で応募した就活生一人ひとりを多角的に見ることで、会社が求めている人材であるかどうかを判断しているのです。
グループディスカッションの進め方を知る
一般的にグループディスカッションは、以下の流れにて行われています。
・企業からテーマや制限時間が与えられる
テーマは企業ごとに異なりますが、タイプとしては主に「課題解決型」「ディベート型」「選択型」「自由討論型」の4つに大別されます。制限時間は30〜40分程度で行われるケースがほとんどで、どれだけ議論が白熱しても時間を越えることはNGとなっています。
・自己紹介を行う
自己紹介といっても自己アピールする必要は一切ありませんので、自分の名前と学校名を手短に言うだけで問題ありません。ただし、笑顔で自己紹介することで雰囲気が和らぐ効果がありますので、にこやかに自己紹介しましょう。
・各々の役割分担を行う
グループディスカッションの役割は「司会進行」「タイムキーパー」「書記」「その他のメンバー」に分けられますが、いずれの役割を担当しても発言することが求められます。自分ができる役割を行う分には問題ありませんが、発言の機会が減るということはないことをあらかじめ認識しておきましょう。
・意見を出し合い、共同作業の中で議論を深める
テーマに沿って各々のアイデアを出し合い、話し合いを深めながら結論を出すことを目指します。先にも述べましたが、時間をオーバーしても延長は一切できませんので必ず時間内に終わらせるように協力し合いましょう。
・グループとしての意見を結論としてまとめる
ただ意見やアイデアを言い合うだけではなく、テーマに応じた議論を重ねながら結論をまとめていく必要があります。ちなみに結論には明確な答えがあるわけではないので、この段階で意見をぶつけ合うことは控えるようにしましょう。
・まとめた結論を発表する
発表においては結論と前提、結論にいたった経緯などを述べる形になります。なお、発表者になったからといって前述の役割分担と同じく、選考において有利に働くということはありません。
グループディスカッションで見られているポイントを知る
では、グループディスカッション中において、企業は具体的に何を見ているのかを紹介します。グループディスカッションに臨む前、以下に挙げる4つのポイントだけは押さえておきましょう。
・積極性
ここ数年の傾向として、企業は言われたことだけを粛々と進めるタイプよりも、周囲と相談しながら自ら考えて行動するタイプを重視しています。もちろん積極的に発言することがグループディスカッションに参加する大きな意義ですので、発言回数と同じように議論を盛り上げていくような積極性も発揮したいです。
・論理性
言葉を交わす際に必要なのが、自分の考えや意見を相手にわかりやすく伝えることです。これは組織の一員として仕事を進めていく際、必ず求められるコミュニケーション能力に通じるものがあります。相手の意見をきちんと理解した上で、明確でわかりやすい言葉を用いて自分の意見を主張することを心がけたいです。
・協調性
参加者全員で意見を出しながら、結論に向かって意見をまとめていくグループディスカッションでは、いかに周囲とのチームプレーができているかが見られています。実際に仕事を行う際にも自分勝手な振る舞いはタブーですので、相手の意見を尊重し、受け入れた上で意見を述べることをぜひ行ってください。
・発想力
周囲とのバランスを取ることだけが組織に必要なことではなく、新しい価値を創造していくためにあらゆる思考を凝らし、アイデアとして発信していくことも企業側は強く求めています。今までにないような独自性に富んだ意見は十分注目を集めますし、何よりも自分の頭でちゃんと考えていることをアピールする効果も生まれます。
グループディスカッションのNGを知る
いくら企業に対するアピールポイントを想定してグループディスカッションに参加しても、取り組み方や言い方などを間違えてしまえば元も子もありません。これだけはやってはいけない、NG項目をいくつか紹介します。
・相手の意見を否定する
自分の意見と合致しないからと一方的に相手を否定するような行為は、議論が停滞して無駄な時間を消費するだけです。グループディスカッションはディベートではないので、誰かを論破するつもりで参加するのは絶対にやめてください。
・やたら目立とうとする
人事に強い印象を与えたい気持ちもわかりますが、あくまでも参加者全員で議論していく場となります。的外れな発言や長時間の主張などの行為はスタンドプレーという印象を与えかねず、却って大きな減点となるでしょう。
・一言も話さない
議論することが苦手であっても、一言も言葉を発しないのは意欲がないと判断されます。自分の意見に自信がなかったとしても、まずは何か自分の言葉で発信することに努めましょう。もしかしたら、何気ない一言に注目が集まるかもしれません。
・議論を振り出しに戻さない
結論がまとまらず、最初から議論をやり直すのは時間を無駄にする上、参加者全員にも大きな迷惑をかけることになります。どのような状況であったとしても、結論へまとめていくことに意識を向けましょう。その際も協調性はとても大事となります。
グループディスカッションに向けた万全の対策を知る
グループディスカッションは面接とは趣が異なり、自己アピールだけでは評価されないことを理解していただけたかと思います。結論から言いますと、いかに参加者全員との協調性を発揮し、議論を盛り上げていけるかがグループディスカッションを通過する大きなポイントとなります。
実は日常的なコミュニケーションにおいて、スムーズに言葉のキャッチボールができていれば大きな問題はないと言っていいでしょう。自分だけが楽しいのではなく、相手も楽しそうに会話が成立していれば、グループディスカッションに対して恐れを感じる必要はありません。注目ポイントとNGポイントさえ気をつけて、あとは自信をもって本番に臨みましょう。
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