「希望する企業から内定をもらえるか不安」「就活が上手くいかなかったらどうしよう」と悩んでいませんか?
就職浪人をすることで、「今後の就活や就職後のキャリアに影響が出るのではないか?」と不安に感じますよね。
そこで本記事では、「就職浪人と就職留年の違い」や「就職浪人のメリット・デメリット」を就活のプロが詳しく解説します。
現状で就職浪人を選ぶべきか、選ばないべきかを判断し、後悔しない就活を行いましょう。
就職浪人とは?
就職浪人とは、大学卒業後も就職せずに就活を続けていることを言います。
就職浪人を選択する主な理由は、以下の4つです。
- 希望する企業への内定が決まらなかった
- 入社したい企業が見つからない
- 他にやりたいことがある
- 就活が上手くいくか不安
単純に内定がもらえなかったという理由だけでなく、就活自体に不安を感じる人や、内定を辞退して就職浪人を選ぶ人も居るようです。
文部科学省の「令和2年度学校基本調査」によると、大学卒業後に就職浪人を選択する人は、全体の573,947名に対して40,809名(7.1%)でした。
令和元年度は、572,639名に対して38,232名(6.7%)の人が就職浪人を選択しており、令和2年度と比べると、0.4%増加しています。
就職浪人以外の進路を選択した人の割合や選択肢は、以下の通りです。(※令和2年度は全ての数値が確定していないため、令和元年度の数値参照)
上記のグラフにおける「就職も進学もしていない者」が「就職浪人」に該当します。
理由は人によって異なりますが、毎年一定数の人が就職浪人を選択しているのです。
就職浪人と就職留年の違い
「就職浪人」と「就職留年」は似ているようですが、以下の違いがあります。
■就職浪人→大学を卒業して就活を行う ■就職留年→大学に在籍しながら就活を行う |
いずれも就活を行うのは同じですが、「大学に籍を置いているか?いないか?」が大きな違いです。
具体的な就職浪人と就職留年の違いを表にまとめました。
就職浪人 | 就職留年 |
・大学を卒業して再度1年間の就活 ・既卒扱い ・学費がかからない ・大学企画の就活サポートは利用できない | ・大学を留年して再度1年間の就活 ・新卒扱い ・1年分の学費がかかる ・大学企画の就活サポートを利用できる |
どちらを選択してもメリット・デメリットがあるので、自分の状況や目標をよく考えて選ぶことが大切です。
就職浪人のメリットとデメリット
就職浪人を選択した場合のメリット・デメリットを見ていきましょう。
メリット・デメリットは以下の通りです。
就職浪人を選択するメリット・デメリット | |
メリット | デメリット |
・就活に専念できる ・就活の経験を活かせる ・社会人になった友人からアドバイスをもらえる | ・既卒・中途採用扱いになる ・大学企画の就活サポートが利用できない ・不安や孤独を感じやすい |
メリット・デメリットをそれぞれ詳しく解説します。
就職浪人のメリット
就職浪人をする最大のメリットは、1度経験した就活ノウハウを活かせる点です。前回の就活で失敗した経験やよかった点を元に就活できるのは、大きな強みと言えるでしょう。
就活に専念できる
就職浪人は大学での学業がないため、就活に専念できます。今まで授業やレポートなどに使っていた時間を、業界研究やOB訪問などの就活に費やせるのです。
また、「自己分析」をする時間もゆっくりと取れるため、自分が本当に入社したい企業や価値観を見つめ直す良い機会になります。
就活の経験を活かせる
1度就活を経験しているのは、未経験の就活生と比べると大きなアドバンテージです。
就活のスケジュール感や面接の緊張感は、実際に経験しないと得られません。
スケジュール感を知っていれば、余裕を持って提出書類等の準備ができます。
面接も前回より緊張しにくくなり、聞かれることも予想できるので、堂々と質問に答えられるでしょう。
就活を経験しているのは、事前準備やメンタル面から見て非常に大きなメリットと言えます。
社会人になった友人からアドバイスをもらえる
既に社会人として経験を積んでいる友人からアドバイスをもらうことにより、具体的な就活対策ができます。
実際に内定をもらっている人からのアドバイスを直接聞ける機会は多くありません。
また、「実際に働いた感想」を聞くことで、企業側の求めているニーズを深く理解できますし、入社後の労働環境や仕事内容を知ることで、ミスマッチングを防げます。
周りにアドバイスをもらえる友人が居ない場合は、「インタツアー」に登録すると、先輩や企業と直接コミュニケーションが取れるため、具体的なアドバイスがもらえるでしょう。
就職浪人のデメリット
就職浪人のデメリットを3つ紹介します。
デメリットを上手く克服し、就活を成功させましょう。
既卒・中途採用扱いになる
就職浪人の1番大きなデメリットは、新卒ではなく、既卒扱いになることです。
新卒とは、在学中に企業から内定をもらい、卒業後すぐに入社することを言います。したがって、卒業後1年間就活をする就職浪人は、既卒扱いになるのです。
既卒採用の場合、新卒採用のみを行っている企業へ応募することができないため、応募先の選択肢が減ります。
中途採用で応募する場合も、経験者しか応募できない企業があったり、社会人経験者がライバルになったりするので、いずれにしても不利になるケースが多いのです。
しかし、厚生労働省の「青少年雇用機会確保指針」により、「卒業後、3年間は新卒扱いを受けられる」というルールがあるため、3年間は新卒採用をしてくれる企業もあります。
また、政府は新型コロナウィルスの影響を受けている学生を支援するために、日本経団連などの経済4団体に対して「卒業後3年間以内は新卒扱いにするように」と要請をしています。
このように、就職浪人を守る制度や要請があるため、企業ごとの採用ルールをしっかりと確認しておきましょう。
1度応募した企業は受かりにくい
前回の就活で応募、選考を受けた企業に再度挑戦しても、受かる確率は低いでしょう。
前回落とされた理由にもよりますが、採用基準に満たなかったせいで落とされた可能性が非常に高いからです。
また、面接を受ける際の志望動機や自己PRも、前回と同じ受け答えになるため、企業としては、代わり映えせず印象の薄い受け答えに感じるでしょう。
就職浪人中に、企業が魅力を感じる必要なスキルや知識を身につけなければ、同じ企業へ応募しても、時間の無駄になってしまうケースが多いのです。
在学中に利用できた就活サポートが利用できなくなる
大学在学中は、面接対策・ビジネスマナーセミナー、企業説明会など、大学側が企画する就活サポートを受けられます。
しかし、大学卒業後、これらのサポートは受けられなくなるため、就活の大部分を自分1人で行う必要があるのです。
就職浪人は学生時代と比べ、就活に対する準備や対策など、やるべきことが多くなることを覚えておきましょう。
不安や孤独を感じやすい
1回目の就活は周りの学生と一緒に行ってきたため、身近に相談できる仲間がいる環境でした。
しかし、就職浪人は基本的に自分1人だけで就活を行わなければなりません。周りに誰もいない状況に置かれると、孤独や不安を感じやすくなります。
就職浪人は、就活でのストレスが発散できる相談相手や場所を探すことも大切です。
企業から見た就職浪人のイメージ・新卒との違いは?
就職浪人がエントリーしてきた場合、企業はどのようなイメージを持つのでしょうか?
就職浪人と新卒では、企業が持つイメージや面接で聞かれる内容も異なるため、「企業から見た自分」を把握し、選考に臨みましょう。
新卒内定者よりも劣って見られるケースが多い
就職浪人は、新卒内定者よりも劣ってみられるケースが多いです。
新卒で内定が決まらないということは、「何かしらの問題がある人材」と捉られる可能性が高くなります。
例えば、能力面やメンタル面に問題があり、採用に至らなかったのではないかと思われるということです。
また、面接時の受け答えや振る舞いに問題があると思われる場合もあります。
就職浪人をした明確な理由があれば問題はありませんが、なんとなく就職浪人をした人へのイメージは新卒と比べると、多少劣ってしまうでしょう。
マイナスのイメージを持たれないよう、入念な選考対策を行うことが大切です。
既卒中途採用と比べてキャリアがない
就職浪人は、一般の中途採用面接に応募してきたライバルと比べて「即戦力として見込めない人材」と思われるケースが多いでしょう。
中途採用で重要視されるのは、最低限の社会人経験や即戦力として見込める専門性の高いスキルです。
ついこの間まで学生だった就職浪人は、当然これらの経験もスキルもないため、優秀な中途採用人材よりも、採用する優先順位は低くなる可能性があります。
就職浪人が就活を成功させるポイント
就職浪人は、新卒採用や中途採用と比べて、どうしても不利になりがちです。
しかし、就職浪人という立場を上手く活かすことで選考を有利に進められたり、プラスの印象を与えたりすることができます。
就職浪人が就活を成功させるために、以下4つのポイントを押さえておきましょう。
- 就職浪人をした経緯を素直に語る
- 就職浪人中に力を入れたエピソードを用意する
- 新卒以外でも、新卒として扱ってくれる企業に応募する
- 就職浪人期間中にスキルを磨く
就職浪人だからといって諦めず、積極的に選考に臨み採用を勝ち取りましょう。
就職浪人をした経緯を素直に語る
就職浪人は、面接の際に必ずと言っていいほど「なぜ就職浪人を選択肢したのか?」という質問をされます。
その際に、「なんとなく」「希望する企業に受からなかった」などの不明確な理由やマイナスの理由を伝えてはいけません。
面接官に素直な人材という印象を持ってもらうために、以下のような理由を伝えましょう。
- どうしても習得したい資格があった
- 就活に対し楽観的な考えがあった
- 内定先にこだわっており、応募数が足りなかった
など、就活に失敗した理由を素直に伝え、それに対する改善点を述べることで、就職浪人に対するマイナスなイメージは軽減されるでしょう。
就職浪人中に力を入れたエピソードを用意する
就職浪人中に力を入れたエピソードや、頑張ったことをアピールし、「採用後も成長に向けた努力ができる人材」「ポテンシャルの高い人材」という印象を与えましょう。
- 難関資格に挑戦し合格した
- ボランティア活動に積極的に参加した
- 企業研究を念入りに行った
- 前回の就活で失敗したことを改善した
- 応募先企業の業界に関する本を毎日1冊読んだ
- ビジネスマナーや自己開発セミナーに参加した
実際にやっていないことをアピールするのでなく、実践したことをアピールしてください。
新卒以外でも、新卒として扱ってくれる企業に応募する
卒業して3年以内であれば、中途採用ではなく新卒採用として扱ってくれる企業があります。
その場合、フラットな目線で採用活動を行ってくれるため、就職浪人のデメリットは軽減されるでしょう。
就職浪人期間中にスキルを磨く
就職浪人期間中は時間に余裕ができるため、資格取得や自分磨きも積極的に行いましょう。
難関資格を取得すれば、企業の評価は当然高くなりますし、社会人に必要なスキルや知識を学ぶことで、入社後の評価も得やすくなります。
少しでも就活に有利だと感じたことは、積極的にチャレンジしましょう。
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