最近、ジョブ型雇用を取り入れる企業が増えています。就活をしていても、ジョブ型雇用について耳にする機会が増えているのではないでしょうか。そこで今回は、ジョブ型雇用のメリットやデメリットについて解説します。
ジョブ型雇用とは
ジョブ型雇用とは、企業側が仕事内容(ジョブ)を設定し、そのために人材を採用することです。もともとは欧米で行われていましたが、コロナ禍でテレワークが広がる中で日本でも行われるようになってきました。
ジョブ型雇用では入社前に職務記述書が渡され、それにもとづいた仕事を行います。逆に言えば、その内容に含まれない範囲の仕事はしません。日本では「自分の仕事が終わったから、手が空いている間にあの人の仕事を手伝おう」と協力するのが普通ですが、ジョブ型雇用では自分の仕事以外には手を出しません。
キャリアの積み方も異なります。メンバーシップ型といういわゆる日本で一般的な雇用形態では、総合職として入社し、営業や開発、総務など様々な部署を経験して、30代~40代ごろから管理職になります。しかしジョブ型雇用は職務グレードによって昇給・昇進していくのです。
新卒でジョブ型雇用を採り入れる企業が増えている
最近、日本でもジョブ型雇用を取り入れる企業が増えました。これは、リモートワークの広がりと関連しています。全員がオフィスに出社していたころは一人ひとりの仕事の境界線が多少あいまいでも、みんなで協力し合って成立させることができました。しかし出社がなくなり、それぞれのタスクが確立。どの社員も決められた範囲の仕事をこなすようになっています。
また、ジョブ型雇用は初めからある程度のスキルを求めているため、企業からすると人材育成に手がかからず、ミスマッチを予防しやすいという面もあります。年功序列は適用されないので、長くいる従業員に対して昇給しなくてはならないというルールがなくなる点も、企業にとってメリットでしょう。
ジョブ型雇用のメリット
これから働き始める方にとって、ジョブ型雇用にはどんなメリットがあるのでしょうか。大きく4つに分けて解説します。
自分のやりたい仕事ができる
ジョブ型雇用では、入社したらどんな仕事をするのかが明確になっています。もちろん、希望部署と違うところに配属されるといったことは起こりません。そのため、自分のやりたい仕事ができるのは大きなメリットです。
よく「営業がやりたかったのに、人事に配属されてモチベーションが下がった」などミスマッチが起こり、早期退職につながるケースもありますが、こういった心配は不要です。「自分が何をしたいかわからない」という場合は総合職として入社していろいろな仕事を経験する方がおすすめですが、自分がどんなキャリアを積みたいかが明確な場合はジョブ型雇用の企業を狙ってみてください。
専門性の高い仕事ができスキルアップにつながる
メンバーシップ型と違い、ジョブ型雇用では特定の業務内容に取り組みます。そのため、スキルが高まり、だんだんと専門性の高い仕事ができるようになるのです。数年ごとの部署異動で「いろいろなことができるようになって楽しい」ではなく「また一からやり直しか」と感じる方は、特に向いているでしょう。
また、自分の強みが明確になるので、転職市場での価値も高まりやすいです。「なんでもできます」というタイプより、一定のスキルがある人材の方がよりよい条件で転職しやすくなります。特に年齢を重ねると何かしらの専門性がなければ必要とされる人材にはなりにくいため、長期的な観点でキャリアを考えても、ジョブ型雇用でスキルを磨くことは大きなメリットになるでしょう。
パフォーマンスと待遇が直結しやすい
ジョブ型雇用で採用されると、年功序列にはなりません。職務のグレードに応じて待遇が決定します。人事評価では何をどこまでできるかが図られるため、次のステップに進むにはどうすればいいかが明確です。専門的な業務ができるほどになるため、結果がはかりやすく、それが給与などに直結しやすいです。
「若いうちからガンガン働いて、しっかりお金を稼ぎたい」という方にはジョブ型雇用がピッタリです。また、ジョブ型雇用でスキルを磨いて、より良い条件の企業に次々と転職し、ランクアップしていくというキャリアも実現できるしょう。
多彩な人材で刺激を受ける機会が多い
メンバーシップ型の企業は、いわば何でも屋の集まりです。どの人材も、幅広い業務をある程度こなすことができます。これにはお互いの仕事をカバーし合えるなどメリットもありますが、一方で専門家がいない状態ともいえるでしょう。
しかしジョブ型雇用を行っている企業では、何かしらの専門家しかいません。そういった人たちとの交流は刺激的で、見聞が広がったり「そういう考え方もあるのか」と勉強になったりします。自分とは異なる専門性を持つ人材と日常的にコミュニケーションをとることによって、こういったメリットも感じられるでしょう。
ジョブ型雇用のデメリット
ジョブ型雇用には、メリットだけではなくデメリットもあります。いいところばかり見て入社するのではなく、両面を理解したうえで就職しましょう。
成長の幅が広がりにくい
ジョブ型雇用で入社すると、事前に決められた業務だけを担当します。ジョブローテーションもないので、マルチプレイヤーにはなれません。メンバーシップ型では複数の部署や職種を試し、適性が合わなければ配置転換してもらうことも可能です。しかしジョブ型雇用の場合は仕事が合わなければ退職するしかないので、ミスマッチが起きた時につぶしが効かず非常に厳しいでしょう。
まだ自分の強みがわからない方、若いうちはいろいろなことをやってみたい方、好奇心旺盛で一つのことをコツコツ続けるのが苦手な方は、メンバーシップ型の方が向いています。
常に技術向上が必要
ジョブ型雇用は同じことをただ続けるのではなく、業務の範囲内でスキルを高めて極めていく必要があります。努力を怠るとポジションを取って代わられることもあるので、受け身の方には厳しい環境です。
メンバーシップ型なら数年に一度は部署異動があり、新しい職種として一から違うことを学ぶため、いきなりそれほどレベルの高い技術は求められにくいのですが、ジョブ型雇用は年を経るごとに一定の分野で成長しなくてはならないということを、頭に入れておきましょう。
ジョブ型雇用について知ろう
今回は、ジョブ型雇用について解説しました。ジョブ型雇用が各企業で導入されることによって、いわゆるサラリーマンやOLといったポジションがなくなるだろうという予測も出ています。それぞれが「販売のプロ」「営業のエキスパート」など専門的なポジションにつき、特定の職種を極めていくだろうと考えられているからです。
こうした時代の波に乗り遅れると、「あの人には専門性がない」「雑用しかできない」といった立ち位置になりかねません。まずは自分が何に向いているか、どんなことが得意かを考え、ジョブ型雇用で専門的なキャリアを磨いていきましょう。
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