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会社説明は一切なし!? 本当に必要な就活知識8つを知るオープンカンパニー

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成長率業界No.1(※)のクスリのアオキが、学生向けに開催する話題のオープンカンパニー。全国で5500人以上が参加したその人気の理由に迫ります。本当に必要な就活知識を学ぶユニークなプログラム、これに懸ける想いを深堀りしました。(※ドラッグストア業界における2014年から2024年までの成長率)

オープニング 「あなたは、何のために働きますか?」の問いに答えられますか?

今回のオープンカンパニーは5時間の長丁場。会場の各テーブル上にはその所要時間を表すような分厚い教科書が置かれていました。表紙には「本当に必要な就活知識8つを知る」の文字。

開始時間となり登壇したのは、人事課長の田辺さんです。優しい声と笑顔で、緊張感のあった会場が一気に和みます。

各テーブル内で自己紹介を終えたあと、田辺さんが冒頭口にしたのは、「あなたは、何のために働きますか?」の一言。続いて「社会人に早くなりたい!という人」と挙手を促しますが、私含めほとんどの学生から手は上がりませんでした。

しかし、田辺さんはそんな私たちを非難することはなく、逆に田辺さん自身も「社会人になりたくなかった」とはっきりと言うのです。

え?それでもいいの?

しかし働かなければならない、じゃあ自分はどの道を選ぶ?その見極め方を学ぶ5時間がスタートしました。

ここまで、一切クスリのアオキの紹介は出てきていません。まさに、自分の人生と向き合うオープンカンパニーなのです。

今回の参加者は23名 これまで約6000人が参加しているそうです

section1 日本を知る ー変化の時代ー

自分の人生を考えるのに、日本を知る?

そんな必要はあるのでしょうか。しかし、その考えは、日本の現状を知ることで大きく変わりました。

田辺さんはまず、「人口減少」や「所得低下」といった課題、生成AIをはじめとする技術の進化、年功序列や終身雇用の衰退といった日本社会の変化を分かりやすく解説。それぞれの課題がもたらす業界への影響を、具体例を挙げながら説明し、どの業界にも「絶対的な安心」は存在しないことを明確に、そしてわかりやすく表現されていました。

例えば、「人口減少」では、そもそもモノの消費が少なくなるため、小売り業界(いわゆるBtoC)が衰退することは容易に想像できます。しかし、小売りが衰退するということは、それを作るメーカーなど、BtoB業界の衰退にもつながる、と解説いただきました。これは、普通や常識にとらわれず、たえず変化の受け入れを想定しなければいけないことの示唆なのだということがわかります。

変化が当たり前の世界では、常に自分自身の「市場価値」を高め、社会で必要とされる人材になる必要がある、と田辺さん。そしてその方法として「スキルの掛け算」という言葉を取り上げました。

1つのスキルを習得しても、そのスキルのトップに立つことは容易ではありません。例えば、「英語が堪能」というスキルを持つ人間はたくさん存在します。しかし、100人に1人が持つスキルを手に入れ、また100人に1人が持つスキルを手に入れることができれば、その二つのスキルを同時に持つ人は1万人に1人、と考えることができます。このように、スキルのかけ合わせによって、市場価値の高い人間になることができる、これがスキルの掛け算であると解説くださいました。

ここまでで日本の現状を知ったことにより、変化の時代に生きる私たちは、私たち自身が成長しながら、市場価値を高める必要性を理解できました。

これを読んでいる学生の中には「平凡な人生でいいから、それなりの収入でいいかな」と思っている人もいるのではないでしょうか。まさにそれは私でした。

しかし、「平凡な人生」はあなたが考える「それなりの収入」で本当に送れるのでしょうか。

section2 自分を知る ー自己分析は、未来のことを考えるー

就活では、過去のことを深堀りして、自己を分析し、面接で語る、というのが主流ですよね。しかし、田辺さんは「未来でどうなりたいか」を考えることが大切だといいます。

人生に満足したと言えるようにするためには、「どんな会社で働くか」でも、「どんな仕事をするか」でもありません。「なんのために仕事をするか」「働くことで何を手に入れたいのか」、そうした目的を目指して、未来を考える必要があると教えてくださいました。

とはいえ、それが定まらない学生の方は多いでしょう。そんな学生のために、自分の理想の生活を送るために必要な年収を算出するワークが行われました。
正直、私は「ものより経験にお金を使う」「平凡で満足できる人間」と思い込んでいました。

しかし、算出してみた結果は…「約500万円」

年収500万円という額は、30代で考えた時に上位30%の人しか稼げないのです。私が思う「平凡」がいかに高い理想であったか、痛感します。

理想を計算したワークの資料

このワーク、ぜひみなさんにもやっていただきたい! 自分の理想とその理想をかなえるために必要な収入、そしてそれを得るためにはどの会社がよいか。だんだん解像度があがってきます。

ここで田辺さんは、私たちに現実を突きつけます。

「就活の軸の欲張りハッピーセット、叶うと思いますか?」

就活をしていると、「成長したい」でも「休日数は欲しい」、「視野を広げたい」けど「転勤はしたくない」、これが就活の軸の理想と思わされていませんか? これを知っている企業は、「成長環境! 年間休日120日以上! 転勤少ない!」という宣伝文句を出します。この軸の常識を疑わず言葉に飛びつき就職した先で待っているのは、自分自身の理想とのギャップかもしれません。

「耳が痛くなる話」と感じる人もいるでしょうが、田辺さんの説明は現実的で、具体的な解決策も示してくださいます。「全てを手に入れるには、優先順位を考えること」だといいます。では優先順位はどうするとよいのでしょうか?

section3 会社を知る ーなりたい自分に近づく、企業選択の仕方ー

田辺さんは、優先順位を考えるうえで、「20代はキャリアの土台形成」をする時間だと語ります。

新卒入社数年は、失敗しても大きな責任を負う必要がなく、キャリア上のリスクは0とのこと。だからこそ、今のうちにキャリアの土台を形成しておくことで、未来の自分の選択肢を増やすことができる、大変納得です。

では、実際にどんな企業を選べば、キャリアの土台を形成できるのでしょうか。そのポイントを3つお聞きしました。

1つ目はキャリアアップできるポスト数が多いか。2つ目は成果主義になっているか、3つ目は活躍できる人の特徴が自分に合うかどうか。

この3つのポイントがなぜ大切か、どこを見れば知ることができるのかは、ぜひオープンカンパニーに参加し、実際にお話を聞いてみてください!

そしてようやくここで、田辺さんにとっての自社、クスリのアオキのお話が出てきました。クスリのアオキは、大企業でありながら現在成長期にあり、売り上げは倍々で増えていること、また、それに伴い従業員数もポストも大増加中なこと、そして高齢化に対応すべく、お年寄りがその場ですべての日常的な買い物済ませられるようにする施策や、生鮮食品×ドラッグストアの新店舗体制をドラッグストア業界の中で初めて導入したこと、所得減少で低価格で十分な品質を提供できるプライベートブランド商品を開発したりするなど、課題に寄り添ったビジネスモデルで、変化に対応できる戦略について解説してくださいました。

最後に強調されたのは、「マネジメントの力」です。

マネジメントとは、ヒト、モノ、カネ、情報の資源の強みを発揮できる環境の整備をすることであり、これは大変難しいものであるからこそ、どの企業でも年収が高くなっていると、経験者の田辺さんは語ります。

そんなマネジメントを実感するワークを行いました。

バイトを管理し、店舗を回す店長と、店長をうまく配置するエリアマネージャーとして、人をどのように配置し動かすと一番良い形になるのか、実際の例をもとに考えるワークです。

このワークを通じ、マネジメントを楽しいと思えるか、自分にはどんな色のマネージャーになれそうか、実感することができました。また、同時に、いろんなタイプのマネージャーがいるからこそ、適材適所があり、だれでもマネージャーは向いているし目指せる。向いていないのは「なりたくない人だけ」と勇気をいただけました。

(ちなみに私はオール正解できました!ゲーム感覚で楽しかったです。)

田辺さんのトークとワークで、あっという間に5時間が過ぎてしまいました。

終わりには、田辺さんのメールアドレスが公開され、「クスリのアオキの選考受けなくても、何でも相談してきてね」と学生に温かいメッセージを送り、オープンカンパニーが終了しました。

教科書は持ち帰ることができ、家で企業研究ができる特製シートも同封されていました。

クスリのアオキ インターンシップ
50ページの教科書 全て社内で作成しているそうです

とことん学生のキャリア形成に寄り添った今回のオープンカンパニー。なぜこのプログラムが作られたのでしょうか。人事課長の田辺さんに直接インタビューさせていただきました。

クスリのアオキのオープンカンパニーに興味ある方はこちら

登壇された田辺様にインタビューをしました

――― なぜ会社説明会の前に「働く目的」を一緒に考えるインターンシップを開催されているのでしょうか?

田辺:弊社とのミスマッチを減らしたいと本気で考えているからです。過去に、採用した社員が退職していく姿を見て悲しくなった経験があります。そこから、ミスマッチは減らしたいと思いました。まずは自分自身が学生に対して誠実に会社の説明をしなければならない。そして、同時に学生にも「働くこと」と本気で向き合ってもらったうえで会社説明会に臨んでほしいと思い、このインターンシップの企画に至りました。

クスリのアオキ 採用
身振り手振りを加えながらお話をしていただきました

――― 田辺さんご自身はどのような就活をされたのですか?

田辺:当時は、楽に働ければいいや、という気持ちで就活をしていました。あまり「働くこと」に意欲が無かったので。実際、新卒で入社した会社には自分と似たような理由で何となく意思決定をした人が多かったですね。

――― そうだったんですね。その数年後に貴社への転職を決意したとのことでしたが、前職のどういった点がミスマッチだったのですか?

田辺:実は私は旅行が趣味なので、いつか世界一周旅行に行きたいんです。それも体力がある若いうちに。でも自分の好きを実現するには頑張って稼がなければいけないですよね。そう考え直してから社内1位の営業成績を残すほど仕事に没頭しましたが、本気で頑張る人間に対して後ろ指を指すような士気が低い社員が多い状況にモヤモヤを感じ、弊社への転職を決意しました。

――― 貴社には人事志望で入社したのですか?

田辺:当初は経営企画に携わり、いかに良い商品を提供するか深く考える仕事がしたいと思い入社しました。でも初期配属の店舗でマネジメントの面白さに気が付き、その後採用担当としてのキャリアが始まりました。入社時の自分では想像していなかった道ですが、おかげで視野が広がったと感じています。

――― そんな多彩な社会人経験をお持ちの田辺さんだからこそ学生に発信できる想いがあるのだなと思いました。貴社のインターンシップは対面形式が多いですが、毎回どのような想いで登壇されているのですか?

田辺:本気で「伝われ!」と思いながら臨んでいますね。正直、就活生が目を背けたくなるような厳しい話をする場面が多いです。なので、なぜ「働くこと」を本気で考える必要があるのか、このインターンシップ参加後に前向きに捉えられるような伝え方を工夫しています。途中でグループワークを挟んだり、こまめに空調を調整し季節のBGMを流しているのも学生に楽しんで参加してもらうための工夫だったりします。現時点(2024/12/9)で、約5,500名の学生がインターンシップに参加しており、うち7割の方が対面参加を選んでくれているので、今後も対面だからこそ伝わる想いを大切にしていきたいですね。

クスリのアオキ 採用

――― 正直なところ、5時間のインターンシップは少し大変そうだと思っていましたが、本当にあっという間に時間が過ぎ、田辺さんのお話にすっかり聞き入ってしまいました!いつも田辺さんがインターンシップに登壇されているのでしょうか?

田辺:私の12名の部下全員がこの内容を話せるので、もちろん彼らも登壇していますよ!入社2~5年目の若手が中心なのですが、自らインターンシップをやりたい!と手を挙げてくれるため、自分なりのカラーを入れながら登壇してもらっています。

――― 入社2年目でこんなに中身の濃いプレゼンができるのは凄いですね!今日は田辺さんが登壇された回に参加させていただき、貴社が新卒採用にかける想いと誠実さを強く感じました。本日は本当にありがとうございました!

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参加後の感想

F・Kさん

今回参加したインターンシップは、IT業界から小売業に転身した田辺さんによる「何のために働くのか?」をテーマにしたものでした。学生に真摯に向き合う姿勢と、本当に必要な8つの就活知識を学べたことが印象的でした。

特に心に残ったのは「スキルの希少性」を意識する考え方です。業界や企業のイメージだけで選ぶ就活では、自分の理想のキャリアを描けなくなる恐れがあります。変化に対応できる市場価値の高い人材になるには、スキルを掛け合わせて希少性を高めることが重要です。田辺さんは、「あえて持っているスキルが直接活かせない領域に挑戦する勇気」を強調しており、その言葉に大きな刺激を受けました。

他のテーマも、就活生にとって非常に有意義で、早い段階で知るべき内容でした。ぜひ田辺さんの熱いメッセージを体感してほしいと思います。

K・Mさん

私が一番印象に残った言葉は、「就活の軸の欲張りハッピーセット」です。

成果主義で評価されたいけれどノルマはない方がいい、成長したいけど休みはいっぱい欲しいなど、就活で「良い」とされている軸を信じ、その正解を求める就活をしていませんか?それはまさにこの記事を書く私でした。

田辺さんは私たちが受け入れやすいように工夫を凝らしながら、働くことのリアルを正直に伝えてくださいました。

就職先を決めた大学4年生の私ですが、もしこのオープンカンパニーにあと1年早く参加していたら、自分にとっての就活軸をじっくり考えながら就活できたと思います。「なんのために働くのか」といった問いに答えることができず、迷いの中にいる学生こそ、このプログラムを通じて学生に本気で向き合う田辺さんの言葉を受け取り、自分なりの道標を見つけてほしいと思います。

左:F・Kさん(東京外国語大学3年)右:K・Mさん(岐阜大学4年)

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