企業の新卒採用において、ここ数年で増加傾向にあるのが『グループディスカッション（GD）』です。通常の面接のように面接官との質疑応答とは異なり、複数名の就活生が一つのテーマについて意見を交わし合うこの選考フローに対し、苦手意識を持っている学生は想像している以上に多く存在していると言われています。
苦手意識を持つ学生が多いということは、このグループディスカッションを優位に進めることでライバルとの差をつけられるチャンス。内定獲得に向けて大きな一歩を踏み出せると言ってもいいでしょう。そこで今回はグループディスカッションの特性を知り、どのような対策を講じればいいかを解説していきます。
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グループディスカッションの定義とは？
グループディスカッションはその名称が示す通り、複数の人間が一堂に介して議論を行うこと。就職活動においては就活生を数名のグループに分けて、一つのテーマを与えて制限時間内に議論させた上で結論を出させる選考方法のことを指します。
グループについてはエントリーする就活生の人数にも寄りますが、一般的には4名から10名程度とされています。制限時間は30分から60分とされており、テーマは当日になって企業側から発表されることが多いです。実はこの「テーマは当日発表」という形式が個別面接のような事前準備を行いにくくさせていて、学生がどのような対策を講じればいいかわからないという大きな不安要素となっています。
グループディスカッションの評価ポイントとは？
そもそもグループディスカッションへ参加するにあたり、採用担当者はどのようなポイントを見て評価しているのか、具体的にわからない状態で臨むことに不安を感じない人はいないはずです。では実際にディスカッションが行われている際、採用担当者はどこを見て評価を行っているのでしょう。具体的には以下のポイントを見ていると言われています。
論理的思考力
ディスカッションを行う上で論理的思考力をもって発言できているかどうか、このポイントはかなり重要視されています。これは社会人としてこれから仕事を行うにあたり、アイデアを提案する上で必要とされるスキルです。相手の意見をどれだけ深く理解できているか、それに対して根拠のある発言を行っているか、そしてその思考をきちんと言語化できているか、採用担当者はその部分を見て評価を行っています。普段から相手の話をしっかりと聞くと同時に、根拠のある発言を行うことを心がけるようにしましょう。
積極的な言動
グループディスカッションにおいては相手の意見を聞くと同時に、自分の考えやアイデアをしっかり発信する必要があります。いかに前向きに議論に参加しているかを言動で示すことは採用担当者へのアピールにもなりますし、何事にもポジティブに捉えられるという評価につながりやすいです。社会人になれば特に主体性をもって意見を発信し、行動することが求められる傾向が強いので、ディスカッション時は積極的に発言することを心がけましょう。
リーダーシップ
グループディスカッションはただ意見を述べるだけではなく、司会進行やタイムキーパー、書記などの役割分担が行われます。それぞれの担当を理解して議論を進めていく必要がありますが、議論は往々として意見がぶつかりやすく、進行が停滞することもしばしば見受けられます。この際に議論の流れをもとに戻したり、多種多様な意見をとりまとめて結論へと促したりと、ディスカッション全体をリードできると採用担当者の目に止まりやすくなります。また、議論が堂々巡りにならないよう、事前に時間配分やテーマの定義などを決めるような働きかけを行うのも効果大です。
協議性・協調性
ディスカッションと聞くと「論破しなければいけない」と思われるかもしれませんが、それはディベートであってそもそもディスカッションではありません。したがって誰かの意見やアイデアを否定する行為、強引に自分の考えを押しつける態度は大きなマイナスになります。あくまでも一つのテーマについてグループ内で話し合いを行い、一つの結論を導き出すことがグループディスカッションの目的です。自己主張を行うのも結構ですが、それが議論を停滞させる要因になっては何の意味もありません。周囲のことを考え、相手に合わせる言動を意識することも大きな評価ポイントとなります。
他者への配慮
協議性や協調性と似ていますが、この場合は参加メンバーの発言に耳を傾けながら、自分の意見に取り入れる姿勢のことを指します。他者への配慮が薄いと独善的に持論を主張し続ける状況となり、結果的に議論が噛み合わなくなるという最悪の事態を招きかねません。企業では常的に複数名での会議が行われていることを考えると、採用担当者からの評価も必然的に厳しくなってしまいます。議論をスムーズに進めていく上でも自分の考えや意見を主張しつつ、他の意見も参考にしながら話をまとめていく意識を持つことが非常に大事となります。全体の空気を読んで、出しゃばらない程度に場を盛り上げていければ、採用担当者からの評価も高くなるはずです。
グループディスカッションどのように進められるの？
先ほども触れましたが、グループディスカッションではいくつかの役割が存在し、当日にそれぞれの役割分担が行われます。そこで具体的にどのような役割があるのか、その役割で求められるものは何かについて紹介します。なお、下記に挙げた以外の参加者は、メンバーという位置づけになります。
リーダー・司会進行
議論を行う際、方向性を示して議論の推進役となる役割です。基本的には活発な議論を行う上でその場を盛り上げる立場となりますので、自分の思うように議論を進める姿勢はNG。むしろ発言の少ないメンバーへ意見を促すなど、他者への気配りや配慮が求められます。
タイムキーパー
決められた時間内に議論を進め、結論まで導かせていくために、時間配分や議論内容の調整を行うという役割を担います。議論が白熱すると時間はあっという間に過ぎていくので、タイムキーパーの存在は極めて重要と言えます。時間管理が得意な人が相応しいでしょう。
書記
議論が行われる中でどのような意見があったのかをホワイトボードなどに書き出し、最終的に結論を導き出すための情報整理やまとめを行った上で、メンバー同士で共有をはかる役割を担います。冷静に状況判断を行いながら、理路整然と話をまとめるのが得意な人が適任でしょう。
発表者・プレゼンテーター
企業によっては結論をプレゼンテーション形式で発表させるところもあります。その際に最終的にまとまった結論をわかりやすく、論理的に説明するという役割を担います。話す際に声のトーンや大きさ、言葉のわかりやすさを意識できる人が向いているでしょう。
グループディスカッションで取り上げられやすいテーマは？
グループディスカッションに臨むにあたり、非常に気になってしまうのは企業側から提示される『テーマ』です。実際には企業ごとにテーマは異なるもので、予測するのはなかなか難しいかと思います。そこで就職活動のグループディスカッションでは、どのようなテーマが提示されやすいのか、その傾向を紹介していきます。
課題解決型
与えられた課題がテーマとなり、その解決策をグループ全体で考え出していくスタイルです。問題点を明確にした上でどのような解決策が考えられるか、論理的に考えてメンバーにわかりやすく発言しながら、結論に向けて話し合いを行っていきます。
業績向上型
会社や業界全体の売上をどのようにして上げていくか、方法論を話し合いによって決めていくスタイルです。ただ何となくではなく、市場分析や競合他社との比較・差別化を行う必要があるので、データや統計を使いながら根拠のある提案を行うjことが求められます。
新規事業立案型
企業の成長や発展を目指すにあたり、どのような新しいビジネスを行えばいいかを話し合って決めていくスタイルです。市場ニーズやトレンドを分析しながら、新商品やサービスの提案を行います。その際、実現の可能性や競合他社との違い、想定されるリスクとリターンのバランスを考慮する必要があるので、マーケティングやクリエイティブな思考が求められます。
自由討論型
企業から提示されたテーマに沿って、メンバーが各々の意見を出し合って結論を導き出していくスタイルです。与えられるテーマは抽象的なものが多く、「理想の社会人像」「働きやすい会社とは」「10年後の社会情勢」など発言内容によって結論内容も大きく変化します。議論も右に左に大きくぶれやすくなるので、論点の整理や意見の補完を行うことも必要となります。
選択型
企業によっては二つの選択肢を提示し、グループごとに最善となる選択を行うためのグループディスカッションもあります。「売上向上をはかるため、客単価アップと集客数アップのどちらを選ぶべきか」「働くにあたり、やりがいと収入のどちらが大切か」など、結論の幅が限られているケースがほとんどです。それぞれのメリットやデメリットについて分析しながら、意見を交わしていくスタイルは他のグループディスカッションと同様ですが、納得のいく結論を出すための判断基準をより明確化する必要があります。
グループディスカッションで注意すべきポイントは？
グループディスカッションを攻略するためには、当日において注意すべき点に留意して議論に臨む必要があります。一つひとつの言動や立ち振る舞いが評価となりますので、しっかり認識して心構えとしてほしいと思います。
前向きな姿勢で議論に参加する
当たり前のように思えるポイントですが、これは司会進行やタイムキーパー、書記などの役割分担が行われても、彼らが議論に参加しなくてもいいということにはなりません。どの役割を担っていても、積極的に議論に参加する姿勢は見せましょう。もちろん姿勢だけではなく、できるだけ自分から意見を述べていくことも大事です。まずはしっかりと発言していきましょう。
的外れなことは言わない
場を和ませるために話の流れとは違う冗談を口にする、屁理屈を捏ねて相手を黙らせようとする…などの空気の読めない的外れな発言は、グループディスカッションにおいては一切歓迎されません。その時間は真摯にテーマと向き合い、結論を導き出すために参加者全員と協力し合うことを心がけましょう。
自分の主張を押し通さない
グループディスカッションは周囲との協調性が取られているか、論理的思考のもとで建設的な意見が言えているか、他者の意見に耳を傾けられているか…などのプロセスが評価されます。決して発言内容の是非を評価するものではありませんので、仮に自分の意見が否定されたとしても感情的になる必要はありません。逆に論争を引き起こしてしまうと、逆にマイナス評価となることを認識しておきましょう。
時間配分には十分気をつける
前向きな姿勢で議論に参加し、話が盛り上がってくるとついつい忘れがちになるのが制限時間です。1時間なら1時間の中で結論まで達しないといけませんので、意識的に長い時間を占有するような発言を控え、結論を導き出す際も話の取りまとめに協力するように心がけましょう。
グループディスカッション対策もインタツアーで！
グループディスカッションについて様々な解説を行ってきましたが、そもそもグループディスカッションでもっとも注目され、どこの企業でも評価しているのは『コミュニケーションスキル』です。コミュニケーションは自分の言いたいことを相手に伝えることだけではなく、相手が話していることの意図を汲み取って対応することも含まれる人間としての基本的な行為。それをきちんと理解して、スキルとして身につけているかどうかがとても重要なことだと言えるのです。
とはいえ、コミュニケーションスキルを磨くには、様々な人と触れ合い、対話する機会を増やしていくことが必要となります。インタツアーでは学生目線で企業の採用担当者へのインタビューをはじめ、様々な形でコミュニケーションスキルを磨くことができる施策が用意されています。 また、インタツアーでは就職活動のあらゆる悩みや不安に対し、コンシェルジュが親身になって相談に応じます。今回のグループディスカッションについてもぜひ、私たちにご相談をお寄せください。まずはご連絡を。