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東京電力グループの子会社で、電柱の土地から再エネの土地まで関わる仕事って何? その仕事内容に迫る!

東京電力グループ 東電用地

東電用地株式会社は、東京電力パワーグリッド株式会社の100%子会社。有名企業の名が冠されているとはいえ具体的にどんな事業を行っているかは、なかなか知る機会がありません。そこで細かな業務内容や福利厚生のレベルなどについて同社の西村浩二さんと柳橋宏太さん、黒澤有香さん、そして田島慶一さんにあれこれインタビューしてみました!

電気の安定供給に不可欠な「電力設備用地」になる土地の取得と管理

――本日はどうぞよろしくお願いいたします。いきなり大変ご無礼なご質問かもしれませんが、東電用地株式会社様とは何をしているどんな企業であるか、お伺いしてもよろしいでしょうか?

西村:はい。弊社は東電不動産株式会社と、尾瀬林業株式会社の用地部門が事業統合する形で2008年に設立された、東京電力パワーグリッド株式会社の100%子会社です。主たる業務は、電気を安定して送り届けるために不可欠な送電線や配電線などの電力設備用地の、取得および管理等です。

よりわかりやすく言うならば、東京電力のグループ会社として、電柱や鉄塔、送電線などに関する用地取得や管理を行っています。

また近年は、これまでの用地業務で培ってきた経験と技術を活かし、再生可能エネルギー事業の設備用地取得など、新たな事業領域にも全国規模で取り組んでいます。

――ありがとうございます。今「電柱」という言葉が出ましたが、例えば電柱を建てるための用地取得業務というのは、具体的にはどのような内容になるのでしょうか?

柳橋:基本的には、東京電力が電柱を建てたいと計画している場所の土地所有者様のところへ出向き、詳細をご説明し、契約を結ばせていただくという業務になります。

実際に土地所有者様を訪問するのは、各エリアにお住まいの「用地交渉員」さんに多くの業務を依頼しておりますので我々社員の仕事は、用地交渉員さんの管理と、東京電力から来る業務の進捗管理が中心になります。

もちろん、私ども社員が土地所有者様を訪問させていただくケースもあります。

――世の中に電柱を建てる頻度というのは、いったいどれぐらいのものなのでしょうか?

電柱の建替工事のため、今建っている位置を確認

柳橋:私は弊社の静岡支社に勤務し、三島市や沼津市、御殿場市などのエリアを担当しておりますが、そのエリアの場合で1日に20~30件といったところですね。

――新規に建てられる電柱の数って意外と多いのですね! それだけ数が多いと、業務がパンクしたりしないものでしょうか?

柳橋:もちろんスピード感は要求されますが、私1人で1日に20~30件を訪問するわけではありません。私が担当している10人ほどの用地交渉員さんの管理が中心となりますので、事務作業はいささか多くなりますが、「業務がパンクする」という経験は、今のところ一度もありません。

土地所有者には快く承諾していただけるもの?承諾のために、心がけていることは?

――先ほど「社員が土地所有者様を訪問させていただくケースもある」との旨おっしゃいましたが、訪問すれば、みなさん快く承諾していただけるものなのでしょうか? また土地所有者の承諾をいただくために、柳橋様が心がけていることはありますか?

土地所有者様に訪問し土地をお借りすることをお願いしています

柳橋:私は今年で入社3年目ですが、今のところ、土地所有者様にお断りされたことは1回もありません。スムーズにご承諾いただくために心がけていることは……そうですね、その場所に電柱を建てることの意味や必要性などを真摯にご説明することと、あとは“第一印象”でしょうか。若さゆえの一生懸命さと笑顔を、しっかりアピールしています(笑)。

他ではあまり聞かない業務ですが、ノルマや目標はあるの?

――ナビに総合職と記載ありますが、ノルマみたいなものもあるのでしょうか?

柳橋:それはないですね。もちろん数値目標や期限などは定められていますが、個人ではなくチームとして追う目標ですので、みんなでサポートし合いながら仕事を進めています。

とはいえ対象エリアが別荘地だと土地所有者様となかなかご連絡が取れず、若干苦労することはあります。しかしそれでも、これまでは目標スケジュールを超過してしまったことは一度もなく、安定して電気をお届けすることに成功しています。

上空に送電線が通過している土地の所有者様にも土地を利用させていただく交渉が必要

――電柱や鉄塔の建設に用地が必要となるのはわかるのですが、「送電線」に関しても土地所有者との交渉が必要になるというのは、そもそもどういうことなのでしょうか?

黒澤:上空に送電線が通過している土地は利用に制限がかかりますので、土地の所有者様には、その制限に対する補償料をお支払いする必要があるのです。

そのため、まずは当該の土地の所有者様を確認し、それまでと変更がない場合は「これまでどおりよろしくお願いいたします」という旨の書類を郵送し、補償料をお振り込みして、基本的には業務完了となります。

ただし確認の結果、土地所有者が変更していることが判明した場合にはアポイントを取って訪問し、ご説明して了承をいただき、補償料をお振り込みすることになります。

実際に現地へ赴き、鉄塔が建っている位置を確認

――黒澤様おひとりで何人ぐらいの土地所有者様を担当されているのでしょうか?

黒澤:「私だけが担当するお客様」というのはカウントしづらいのですが、私が所属するチーム単位でいうと、約500人の土地所有者様を担当させていただいています。

具体的な業務としては、まずは登記簿調査を行って土地の所有者を確認し、前回までと変更がなければ、先ほど少し申し上げた書類をご郵送します。約500人の土地所有者様の多くは「変更なし」となるため、書類の郵送で業務はおおむね完了します。

残る約2割の土地所有者様には、こちらからご訪問し、ご説明させていただくことになりますね。

土地所有者との交渉で苦労に感じる業務は?

――訪問してご説明するうえで、苦労することもあったりするのでしょうか?

黒澤:これまで「説明したが、ご了承いただけなかった」という経験はありませんが、補償料のアップを要求されるお客様は何人かいらっしゃいました。

とはいえそんな際でも、あらかじめしっかりとした資料を準備し、お客様の話を十分にお聞きしたうえで、ご理解いただけるよう真摯にご説明すれば、スムーズに解決する場合がほとんどです。

――なるほど、そうなのですね。御社は、交渉力といいますか「コミュニケーション能力」が磨かれる職場であるようにも思えてきました。

先輩とも良い関係で公私ともに仲が良いです!

黒澤:そうかもしれませんね! 確かに弊社のメンバーは、明るくて話し好きなタイプが多いかも。そういった意味でも働きやすい会社であると、私は感じています。

絵にかいたモチではない、充実の福利厚生

――「働きやすい」といえば、女性の働き方についてはどうでしょうか? 産休や育休などを取りやすい空気はありますか?

黒澤:私自身、実は「福利厚生の充実ぶり」に惹かれてこの会社に決めたという側面もあります(笑)。一般的な休暇も普通に取得しやすいですし、もちろん産休や育休の制度は充実していて、実際にそれを活用している社員もたくさんいます。

また「入社前に聞いていた話と違う……」みたいなギャップも、まったくなかったように思います。

「再生可能エネルギー事業」の設備用地取得は、これまでのノウハウによる新規事業

――御社は既存の一般的な電力設備用地だけでなく、「再生可能エネルギー事業」の設備用地取得なども行っているとのことですが、その分野では、具体的にはどのような仕事をされているのでしょうか?

田島:太陽光発電や陸上風力発電、洋上風力発電、蓄電池などに関する用地や電力会社の設備に連係するための自営送電線が通過する用地の確保が、主な業務となります。

とはいえ再生可能エネルギー事業に関しては、親会社である東京電力から来る仕事のほか、東京電力以外の事業者様とも新規のお取引をしています。

私が現在担当しているのは、弊社がこれまでの用地確保ビジネスで培った独自のノウハウを、東京電力以外の再生可能エネルギー事業者様に販売することです。

――これまでのコンベンショナルな電源と、風力発電などの再生可能エネルギーを活用した電源とでは異なる部分も多そうですから、そのあたりが少し大変だったりしませんか?

田島:うーん、もちろん新しい電源分野に関するある程度の勉強は必要ですが、弊社の強みは、社名のとおり「用地」の確保に関するノウハウを持っているということですので、やることの基本はあまり変わりません。

とはいえ各種の制度は電源別に異なっていたりもするので、事業者ごとのスケジュールを管理しながら用地を確保するのは、若干難しい側面もありますね。

公共事業なので書類関連は多いですが、丁寧に仕事をしています

――事業者ごとにスケジュール感が異なるせいで、進行にズレや遅れが生じてしまうリスクもあるのかもしれません。そういったズレを発生させないため、どのような点に気をつけていますか?

田島:スケジュールの“お尻”を、つまりは「どこをゴールにするのか?」ということを、クライアントとしっかり握っておくことが重要だと思っています。

また東京電力の仕事はあくまでも公益事業であるため、「とにかく急ぐ」ということより、「地元との関係なども重視しながら電力を安定供給する」ということが優先されます。

そのためスケジュールは基本的には余裕がある場合が多いですし、急ぐよりも「ミスがないよう、丁寧な仕事をする」ほうが重要かもしれません。

東京電力以外がお客様の場合の仕事のやりがいは?

――そういった毎日の仕事のなかで、田島さん個人はどのような点に“やりがい”を感じてらっしゃいますか?

田島:私の場合は営業職ですから、やはり契約がいただけたときは本当に嬉しいですよ。用地確保というのは、ときには反対されることもありますので、期限内に必ず土地所有者様との契約をお約束できるタイプの仕事ではありません。

でも、そんななかでしっかりと仕事を遂行することでクライアントとの信頼関係を構築し、そしてそれがきっかけでまた別の案件をリピートしていただけたときは……仕事人冥利に尽きますね。「頑張ってよかった!」と、つくづく思います。

公益事業を行っている会社だからこそ稼ぐだけではなく、長期目線で“内容”を評価してくれる

――そのように頑張ってらっしゃる田島さんの“成果”は、会社からはどのような形で評価されるのでしょうか?

田島:当然ながらグループとしての目標金額は設定されており、それをブレークダウンした数字が私個人の目標数値になっています。そしてそれを達成すれば、もちろん高く評価されます。

しかし弊社は「東京電力」の看板を背負って事業を行っている会社ですので、「稼げば評価される」というわけでもありません。短期目線の数字ではなく、「5年後あるいは10年後の東電用地という会社や、この社会に対して今、どんな努力をしているのか?」という“内容”を見てくれる会社だと感じています。

だからこそ、功を急ぐのではない本質的なチャレンジを、毎日行うことができるんです。そういった意味でも、個人的には「いい職場だなぁ」と思っていますよ。

――御社はもちろん営利企業ではあるのですが、それと同時に「社会のための仕事をする会社」でもあるため、長期目線で、土地所有者の方などに真摯に交渉を行なって信頼を得ながら仕事をされているということがよくわかった気がいたします。

生活の中に当たり前にあるものでもそれに関わっている会社、社員の方がいらっしゃって毎日が成り立っているということが理解できました。

本日はお忙しいなか、さまざまなリアルを詳細に語っていただき、誠にありがとうございました!

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左から 西村さん、黒澤さん、柳澤さん、田島さん

インタツアー学生編集部

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