福岡県北九州市に本社を置く株式会社タカミヤは、釣具量販店“釣りのポイント”を全国に68店舗展開している創業75年目の老舗企業。小売事業の他にもネット通販事業、国内外の卸売事業、釣具の製造事業を手掛けている。そんなタカミヤがここ数年開催している「お仕事体験」は、かなりアツくて有意義なインターンシップであるとの噂。同社の「お仕事体験」をきっかけに入社し、活躍している口田和樹(コウダカズキ)さんに、その詳細を根掘り葉掘り聞いてみました!
海上での“釣り体験”を含む充実した3日間。そして全国各地から福岡県までの交通費や宿泊費、釣りの費用は全額タカミヤが負担!
――本日はどうぞよろしくお願いいたします。まずは口田さんが一昨年、株式会社タカミヤの「お仕事体験」に参加しようと思ったきっかけを教えてください。
口田さん(以下敬称略):私はもともと釣りが大好きで、就活も釣りに関する企業に絞って考えていました。そのなかでもタカミヤの「お仕事体験」は、当時、1DAY開催が多い中で3日間にわたって行われる充実した内容であったいう点に強い興味を覚えたのがきっかけです。
――3日間も行われるお仕事体験というのは珍しいですね! 具体的にはどのような内容だったのでしょうか?
口田:一昨年はまだコロナが流行していて、リアルでのお仕事体験は数が少なく「zoomなどを使った会社説明会」のようなものがほとんどでした。
そんななかでタカミヤの「お仕事体験」は、本社がある福岡県北九州市で開催され、本社各部署で仕事体験、店舗で販売や管理業務を体験できるプログラムで更に“釣り体験”までできるという、衝撃の内容でした!!
――素晴らしい3日間であっただろうと推測しますが、北九州に学生さんが集うのは費用面も含めてなかなか大変だったのでは?
口田:いえ、交通費や宿泊費そして釣りの費用まで、なんと!全額タカミヤが負担してくれました。私も「交通費や宿泊費は自己負担になるのだろうな」と思っていたのですが、福岡空港までの飛行機代を含む全額を負担してもらえたことに、正直驚きました。
――そうして参加された「お仕事体験」のなかで、口田さんにもっとも強い印象を与えたプログラムあるいは出来事は何だったでしょうか?
口田:大きく二つあります。ひとつは初日に本来のプログラムにはなかったのですが、社長がいきなり我々参加者と対談してくれたことです。
どうやら急に「15分間だけ学生さんたちに会って話をしよう!」と言われたそうですが、結果として社長は40分以上にわたって、私たちの質問に熱く答えてくれました(笑)。
もうひとつは、タカミヤが手掛ける釣具ブランド“XOOX”のルアーロッド(釣竿)「GR III」という大人気機種の製造過程を教えてもらったことです。
ロッドの製造工程を一から学べたのも良かったですし、まだローンチされていなかったGR IIIのブランドロゴについて、数種類あったデザイン候補を見ながら意見を言わせていただきました。
その際に参加した私達学生で推したデザイン案がGR IIIの正式なロゴマークとして採用されたことは、大変うれしく印象深く思い出に残っています。
「お仕事体験」の参加人数は1日程あたり5名のみ。少人数だからこそ、体験の密度は必然的に高くなる
――「お仕事体験」に参加される前に、何か不安に思っていたことはありましたか?
口田:「すべてが不安でした」というのが正直なところですが(笑)、特に不安だったのは「……どんな準備をしておけばいいのだろうか?」ということでした。役員の方や諸先輩には現場でどんな質問をするべきなのか。
またどんな態度で接すれば失礼にあたらないのか――などについて、世間知らずの学生だった私はまったくイメージできませんでした。
そのほか、私は子どもの頃から釣りをやっていただけに「どんなウェアを持っていくべきなのか? やはりタックル(釣りの道具類)も持参したほうがいいのか?」など、細かい部分までいちいち不安になっていましたね。
――口田さんのような「熱心な釣り人」ではない場合、釣りに関する知識の有無や濃淡に関して不安に思う学生もいるかと思います。そのあたりはどうでしょうか?
口田:参加者のなかには「釣りはほとんどやったことがない」という人もいました。しかし計3日間の「お仕事体験」では、そういった初心者の方にもわかりやすい内容であることが徹底されていましたので、まったくの未経験者でも十分楽しめるはずです。
――私自身、釣りは好きなのですが、そこまで詳しいわけでもないため、それをお聞きして安心できました!
口田:釣りに関する専門的な知識と経験はさしあたって必要ないため、そこは安心していいと思います。ただ、料理でも何でも「魚に関する好きなことやモノ」があると、話は盛り上がるでしょうね。あとは「質問」をたくさん考えておくといいと思います。
釣りに関することだけではなく仕事や生き方など、どんな分野のことでもいいので社員に真剣に質問すればやさしく真剣に答えてくれるそんな方々ばかりでした。
私は「人間味がある」というのがタカミヤの強みだと思っているのですが、そういった温かで風通しの良い社風の一端を、「お仕事体験」ではリアルに体感できるのではないかと思います。
――ちなみに御社の「お仕事体験」は、1日程あたり何人の学生が参加するものなのですか?
口田:「1日程あたり5人」ということになっています。私が参加した一昨年は直前で1名のキャンセルが出たため、私の組はたまたま4名でした。
やはり、本社内での物流業務の体験や販促物の制作体験、商品企画ミーティングへの参加、そして釣り体験をするとなると、大人数だと運営側も大変だと思います。
学生側からすると、大人数では質問の機会が減ってしまいますし。しかし5名であれば、多くの仕事を深く、均等に体験できますので、私はこのぐらいの人数で良かったと思っています。参加者同士の距離感も近くなりますしね
釣り好きな人はもちろん、そうでない人も楽しく学び、深く体験できる内容
――続いての質問として、若干繰り返しになってしまうかもしれませんが、3日間の「お仕事体験」で体験できる内容を、もう少し詳しく教えていただけますでしょうか?
口田:承知しました。まず3日間の日程をざっくりお話しすると、1日目が「本社各部署での業務体験」で、2日目が「釣り体験」、そして最終日が「店舗で販売・管理業務の体験」です。
本社見学では、私が参加した一昨年は社長の飛び入り対談(笑)があったわけですが、あれが好評だったため、その後は正式なプログラムのひとつになったようです。そして本社に併設されています物流センター内に入り、最新の自動ピッキングシステムを利用した物流業務を実際に体験します。
タカミヤの物流倉庫は、多くの作業が最新技術によって自動化されています。それゆえ細かな釣り具を含め、全国や海外に迅速かつ正確に出荷できているということが、よくおわかりになるのではないかと思います。
午後からは営業企画室という部署にて店舗で利用するポスターやPOPなどの販促品を制作する体験を行い、その後、タカミヤの釣具ブランド“XOOX”のルアーロッド(釣竿)「GR III」の製作現場である商品企画管理課のミーティングに参加しました。
ルアーロッドが完成するまでの過程を学び、完成する前の部品から試作品まで直接触れることができる貴重な経験となりました。もちろん、完成品にも触れることができます!!
2日目は船に乗って海上釣り堀へ行き、真鯛やシマアジなどをターゲットに「釣り体験」を行います。本日参加している採用担当の松浦を含め、釣り施設のスタッフがしっかり教えてくれますので、「まったくの未経験」という人でもたくさん釣れるはずです。
といっても、自称釣り好きだった私は1匹しか釣れませんでしたが(笑)。ちなみに研修中に釣れた魚は自宅へクール便で発送することができますし、余ったお魚は次の日のお昼にお造りを頂くことが出来ます。高級魚であるシマアジが釣れたらラッキーですね。
3日目の店舗体験では、まず“釣りのポイント”の売り場ではどういった仕事をしているのかという説明を受けたのち、「どうすれば商品は売れるのか?」「どういった知識が必要なのか?」「接客以外にどんな仕事があるのか?」等々を学びます。
売場での販売体験、商品の陳列、清掃などを行ったあと、参加している学生で一人一枚、手書きのPOP作成を行いました。POPというのは商品名と値段、商品の特徴などが書かれている販促物です。試行錯誤して作成したPOPが売場に取り付けられ、お客様に見て頂ける機会になったことは、本当に貴重な体験でした。
ちなみに私は、当時使っていたお気に入りのルアーについてのPOPを作成しました。
――詳しいご説明、誠にありがとうございます。いきいきとしたお話しぶりから、口田さんは本当に釣りがお好きということが伝わってきました(笑)。
口田:思わずしゃべり過ぎてしまってすみません(笑)。しかし当時の私のような「釣りに関する知識がある学生」ではなくても、すべてを丁寧に教えてくれますので、きっと素敵なPOPが書けると思いますよ!
さまざまな人と、さまざまなことを話す3日間で、コミュニケーション能力は確実に向上するはず
――タカミヤの「お仕事体験」に参加してよかったと、一番強く感じているのはどのような点でしょうか?
口田:貴重な経験をしたことにより、いろいろなことが身につきましたね。先ほども申し上げましたが、世間知らずの学生だったため、目上の人と接する際の言葉選びや礼儀、立ち居振る舞いなどにはまったく自信がなかったんです。そういったことも、もちろん「ある程度は」ですが、3日間の体験によって身につけることができたと思っています。
また、釣り好きだったため「釣具店の表側」はある程度知っていたのですが、お店のバックヤードや本社などでどのような仕事が行われているか、まったくわかっていませんでした。そのあたりを知ることができ、なおかつさまざまな“外からは見えない努力”を目の当たりにしたのは、自分にとって大きな収穫でした。
――「お仕事体験」に参加されたことが、その後の選考に役立った――みたいなことは正直ありましたか?
口田:ありましたねぇ。私はものすごく緊張してしまうタイプだったため、それまでは言葉に詰まってしまう場面がたくさんありました。
しかしタカミヤの仕事体験でさまざまな体験をさせてもらい、社長や社員の皆様などとも話せたことが私の中でちょっとした自信になり、それ以降は、他の企業様とお話しをするときにも「積極的な自分」でいられた気がします。
――「お仕事体験」に参加する前と後で、株式会社タカミヤという会社の印象は変わりましたか?
口田:大きなギャップは感じませんでした。学生時代から最寄りの“釣りのポイント”に通っていて、釣り具も実はすべてそこで買ったのですが(笑)、1人のお客として感じていたタカミヤの温かさというか感じの良さは、店舗の裏側でも、そして本社でも、まったく変わるところはありませんでした。そういった意味でまったくギャップは感じませんでしたね。
――社員さん同士でプライベートの釣行に出たりもするのですか?
口田:しょっちゅう行っています(笑)。同期のメンバーとも行きますし、先輩方にお誘いいただけることもあります。趣味が近い人が多いので、プライベートも何かと充実する会社なのかもしれません。
――では最後に、タカミヤの「お仕事体験」に参加してようかな? と思っている学生にメッセージをお願いいたします!
口田:もしも少しでも興味があるならば、ぜひ参加してみていただきたいですね。釣り好きな人であれば、さまざまな意味で“たまらない3日間”になるでしょう。
そして釣り好きではない人も、さまざまな立場の人と時間をともにし、さまざまなことを話す3日間を通じて、コミュニケーション能力は確実に上がるのではないかと思います。
そして、おそらく“釣り”が気になってくるでしょうし、タカミヤという会社の社風や雰囲気についても絶対に興味がわくはずです。
――ありがとうございます。私自身は釣り好きでありますが、サーフ(砂浜)での釣りが若干苦手な釣り人であるため、ぜひタカミヤの社員の皆様にいろいろなことを教えていただきたいと思います!
またタカミヤならではのお仕事体験や口田さんのお話から伝わってきた社風に興味津々となっております。本日はお忙しいなか具体的なお話を多数いただき、誠にありがとうございました!
3日間のお仕事体験の様子がわかる動画です。ぜひ見てください!