インタツアー【メディア】新しい就活のカタチ

エンジニアスキル、人間力、両方が成長する事業会社、ここにあります!

さまざまなHRテクノロジーの開発を行うほか、海外人材ソリューションなど、その事業領域は多岐にわたる株式会社キャムテック。新しい代表取締役に2023年5月10日付で就任した、現役エンジニアでもある縄田 崇さんに根掘り葉掘り聞いてみました!

大学時代はIT系の研究室に入りたいと熱望していたものの……

――本日はどうぞよろしくお願いいたします。まずは縄田さんご自身の就活がどのようなものだったか、教えていただけますか?

縄田:こちらこそ、どうぞよろしくお願いいたします! 私が信州大学の工学部情報工学科を卒業したのが2001年ですので、まさに就職氷河期でした。しかし2000年の6月頃、就職についての悩みを研究室の教授に相談したところ、なぜかすんなりと長野日本無線株式会社を薦めていただけることになり、そのままその企業にソフトウェアのエンジニアとして入社することになったんです。あまりドラマチックな就活エピソードではなく恐縮ですが……。

――いえいえ(笑)。通信機器メーカーにエンジニアとして就職されたということは、学生時代の専攻もそういった方面だったのですか?

縄田:学生時代、私自身は「今後はおそらくITが主流の時代になる。だからこそソフトウェア開発としてのITエンジニアを目指したい」と思っていました。しかしくじ引きの結果、ソフトウェア開発とは少し離れた研究室に入ることになったんです。もちろんその研究室に入れていただいたことが、前職への入社のきっかけでしたので、大いに感謝はしているのですが。

――そうだったのですね……。しかし結局は研究室推薦でITエンジニアの仕事に就けたとのことですが、学生時代の専攻とは異なる分野の仕事をすることに、とまどいや不安はありませんでしたか?

縄田:不安もありましたが、「もともとやりたいと思っていたことが、ついにできる!」という喜びのほうが大きかったように思います。そして物事というのは、もちろん最初から完璧にこなすことなどできませんが、“とっかかり”のようなものをつかむことさえできれば、それを足がかりに、後は意外となんとかなるものだと思っています。

キャムテックへの転職を決断した29歳の頃

――新卒で入社した通信機器メーカーに8年ほど在籍した後、キャムコムグループに転職されたと聞いております。転職なさったいきさつや理由などを、差し支えなければ教えていただけますでしょうか?

縄田:直接のきっかけは、前職時代にとてもお世話になった方に誘っていただいたから、ということになります。しかし、いくらお世話になった方とはいえ、もちろんお断りすることもできました。それでもあえて転職を決意したということは、私自身がその当時、そのお誘いを「大きな転機になるかも?」と認識したのでしょうね。

――転機ということは、何かを変える必要があったということでしょうか?

縄田:新卒入社した会社で8年目を迎えた頃でしたので、エンジニアとして油が乗っている時期でしたし、大きな仕事も任せてもらえていました。そのため非常に充実はしていたのですが、同時に「……このままでいいのだろうか?」という思いもどこかにありました。

前職は官公庁からの受託案件が中心だったため、決められた要件に基づき、とにかく納期に向けて邁進していく――というニュアンスの仕事をしていました。それはそれでもちろん悪くない働き方であり、待遇や条件面にも満足はしていたんです。しかし同時に、人生はもっとダイナミズムや多様性のようなものが必要なのではないか? と、心のどこかで思っていたのでしょうね。ちょうどそんなときにお誘いをいただいたため、熟考の結果、結局はほぼ直感で「わかりました! 行きます!」という旨の返答をしました。

転職初日は「3日で辞めるかも…」と思った縄田さん

――そうして転職されたキャムコムグループのキャムテック(当時はキャリアアセットマネジ株式会社)は、縄田さんがイメージしていたとおりの「ダイナミズムや多様性に富んだ会社」だったのでしょうか?

縄田:確かにイメージどおりではあったのですが……

――ですが?

縄田:ここだけの話、入社初日は「俺、3日ぐらいで辞めちゃうかも?」と心の中で思っていました(笑)。

――なんと! それはどういう理由でそう思ったのでしょうか?

縄田:先ほど申し上げたように、前職は官公庁の開発案件を手堅く受注し、手堅く仕上げていくニュアンスの会社だったわけですが、キャムコムグループは当時も今も元気がある会社というか、むしろ元気がありすぎる感じで(笑)、前の会社とは何から何まで雰囲気が違う。それゆえ「……ついていけないんじゃないか?」と思ってしまったんですね。しかし結果として3日では辞めず、かれこれ15年は勤め続けておりますので、「私にとってはいい会社だった」ということなのだと思います。

――この15年間、縄田さんがキャムテックでなさってきた主なお仕事を教えてください。

縄田:そのご質問が一番難しいといいますか、うちの子どもから「パパは具体的にはどんな仕事をしているの?」と聞かれても、答えに窮する感じなんです(笑)。まぁ結論としては「システムの開発と導入、運用に関することは何でもやってきた」という感じでしょうか。まずは弊社基幹システムの開発や導入サポートを行い、それがある程度軌道に乗ったら、また別のさまざまな事業領域のシステム開発と導入を担当してきました。そしてその後は「CROSSNAVI」という雇用管理システムの開発のマネジメント行ったり、WEB広告運用のような仕事も担当したりで、自分でも、自分が何屋なのかよくわからない感じなんです(笑)。

「IT専門会社」と「事業会社のシステム部門」の違いとは?

――そして気がついてみたら3日で辞めることなく15年が経過し、さらに今年5月には株式会社キャムテックの代表取締役にもなられたわけですが、そんな縄田さんにぜひお聞きしたいご質問があります。

縄田:はい、何でも聞いてください。

――御社のような事業会社のシステム部門で働くことと、IT専門会社で働くことには、どんな違いがあるとお考えでしょうか? またITエンジニア志望の学生には、どちらをおすすめしたいと考えていらっしゃいますか?

縄田:まずIT専門会社と、私どものような事業会社のシステム部門の大きな違いは、「仕事で関係する人間の数がまったく異なる」というのがあります。IT専門会社では「今、これを作らなければならない」という“開発”の部分に徹底的にフォーカスすることになります。それに対して事業会社のシステム部門は、システムを作るということ自体はある意味同じなのですが、とにかく多種多様な人々と、具体的には営業担当、人事や経理などの担当者、グループ会社のさまざまな担当者などと、密なコミュニケーションを重ねながら開発を行うことになります。そこが最大の違いでしょうね。

――そして、縄田さん個人が我々のようなITエンジニア志望の学生にすすめるのは、どちらの方向性でしょうか?

縄田:IT専門会社と事業会社のシステム部門のどちらが良いとか悪いとかは、特にはないと思っています。人それぞれ個性や考え方の違いがありますから、「とにかくディープな開発作業だけに没頭していたい」と考える人は、客観的に見てIT専門会社のエンジニア職に就くべきかもしれませんし、逆もまた然りです。

しかし「私の個人的なおすすめ」は、それはもう断然「事業会社のシステム部門」です。積める経験の幅がまったく異なるため、なんといいますか“人間性”のようなものが鍛えられるんですよ、事業会社にいると。

丁寧に質問に応えてくださる縄田さん

私が新卒入社した会社はIT専門会社ではなく事業会社でしたが、前述したとおり官公庁からの受託業務がほとんどなので、日々の変化って比較的少ないんですよ。しかし事業会社では「何もない日」というのは絶対になくて、必ず何かしら起こります(笑)。なぜならば、事業会社というのは「受注したモノを期日までに納品すること」が目的ではなく、「その納品物を使って売上を作り、ビジネスを拡大していく」ということが真の目的だからです。

――いわば生ものであるビジネスの現場で、突発的な事象や事件が毎日のように発生するわけですね?

縄田:おっしゃるとおりです。本当にいろいろなことが起きます。担当者が要求する内容が昨日と今日で違ってるなんてことは日常茶飯事ですし、競合他社が何か新しい施策を打ってきたならば、「それに対抗するにはどういう戦略を採用すべきか?」などの部分に、我々エンジニアも関わっていくことになります。あらかじめ決まっている完成形は存在し得ない「終わりなき仕事」に挑むようなものですので、もちろん大変ではあります。しかしそこを「面白さ」「成長の機会」ととらえることができる人には、事業会社のシステム部門は本当におすすめできる環境であり、特にキャムコムグループは多種多様な領域を抱えている事業会社であるゆえに入社を検討していただく価値が十分にあるのではないかと思います。

専門能力だけでなく「人間力」も自然と身についてしまうキャムテック

――そんな御社にもしも入社したとしたら、どのようなスキルが身につくでしょうか?

縄田:いわゆるプログラマーやエンジニアとしての力は他社さんに入社された場合と同じく、普通または普通以上につくはずです。もっとも異なるのは、おそらくは「人間としての成長」みたいな部分でしょう。

社内外を問わず、とにかく大勢の人とコミュニケーションを取りながら仕事を進めていくというか、多種多様なグループ会社のメンバーと、ときには対立する意見を乗り越えたり収めたりしながら、建設的な着地点を目指さないことには仕事が進まないのがキャムテックという会社のエンジニアです。そのため数年間ここで働けば、「気がついたら人間として大きく成長していた」ということになる可能性は高いはずです。

若手社員から気さくに声かけられていて距離感の近さを感じます

――私は口下手で、他人とコミュニケーションを取るのもあまり上手ではありません。今の話をお聞きしていたら、「仮に御社に入社したとしても、自分はやっていけないんじゃないか?」みたいな気分になってしまいましたが、実際はどうなんでしょうか?

縄田:ご安心ください。私どものメンバーのほとんどは入社当時、コミュニケーション上手という感じでは断じてなかったですし、そもそも私自身がかなりの口下手でした。しかしそんな人間でも、本当に「気がついたら」という感じで、変身しているんですよ。だから、私はあなたも大丈夫だと思っていますよ。

――ありがとうございます。なんだかちょっとだけ自信が湧いてきました(笑)。

スーツ着用の意味と価値

――最後につまらないご質問で恐縮ですが、御社は「エンジニア職であってもスーツ着用」と聞いております。今の時代、わざわざスーツを着用することの意味は何でしょうか?

縄田:私も前職時代は「Tシャツ+ジーンズでも作業着さえ羽織っていればOK」という環境でしたので、最初は正直「スーツ着るの、面倒だなぁ……」と思っていました。でもしばらくの間、嫌々ながらでもスーツを着続けたことによってわかったことがあったんです。それは「スーツを着てみたからこそ“身だしなみ”の重要性に気づくことができた」ということです。

皆さんのまわりにもいらっしゃると思いますが、成人式のときやご友人の結婚式などのときにしかスーツを着たことがない人が、たまにスーツを着用すると、着せられている感があるじゃないですか? サイズ感が合ってなかったり、ヨレヨレだったり、あるいは身体の姿勢そのものが崩れていたり。そして私もスーツに慣れていなかったため、最初はそんな感じだったんですよ。しかし着続けているうちに「あ、自分は今カッコ悪いな……」ということに気づくことができたんです。そしてそこからは、「身だしなみ」という普遍的なものに気を使うことができるようになっていきました。

スーツを着る・着ないにかかわらず、やはり大人にとって身だしなみと、それに伴う信用は、なんだかんだでかなり重要な要素のひとつです。そしてスーツを着ることで、そういった重要な要素を自然と学ぶことができるのであれば、安いものであるというか、むしろ積極的にスーツを着てみたほうが良いのでは? というのが私の意見ですね。

本日は楽しいご質問を多数いただき誠にありがとうございました。皆さんが今後どのような就活を始め、どのような社会人になっていくのかは、人それぞれでしょう。しかし少なくとも「挑戦する意識」を持ち続けることさえできれば、たとえどんなに悪いことが起きたとしても、それを逆に糧として、人は成長することができます。私はそのことをキャムテックという会社で教わりましたが、皆さんもそれぞれの道で「挑戦する意識」を持ち続け、良き人生を歩んでいただけたらと思います。

――本日はお忙しいなか、実体験に基づく貴重なお話しを頂戴し、誠にありがとうございました。今後は何事にも「挑戦する意識」で臨むべきであると心に刻めたインタビューでした。本当にありがとうございました!