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就活人気No.1クラスの超大手ITグループ企業に2年弱で見切りをつけ、意外にも「小売業」へと転身した本当の理由とは?

株式会社クスリのアオキは明治2年(1869年)に創業し、昭和60年(1985年)に設立された医薬品・化粧品・日用雑貨などの近隣型小売業と調剤業務を行っている老舗企業。昨今は大幅な成長を続けており、大学生の就職人気ランキングは文系・理系ともに、並み居る有名企業と肩を並べる順位となっています。とはいえ「小売業」というのは、そもそも魅力的な業界なのでしょうか? 同社採用担当の田辺智寛課長に、正味のところを聞いてみました!

就活生のときは「なるべくホワイトな企業で、ラクしてお金を稼ぎたい」と思っていたが……

――田辺さんは新卒で超大手ITグループ企業に入社したものの早期に退職され、クスリのアオキ様に転職されたとのこと。新卒で入られた会社を退職した経緯と、クスリのアオキ様への転職を決意した理由をお聞かせいただけますでしょうか?

田辺智寛(以下、田辺):大学生のときの自分は「就職したくない!」と強烈に思っていました。なぜならば、周囲の大人たちを見ていると大半の人が何やらつまらなそうであったため、「就職して働く」ということに対してポジティブになれなかったからです。

――お気持ちはわかるような気もします……。

田辺:そこで当時の私が考えたのは「いかにホワイトな企業に入社し、いかにラクしてお金を稼ぐか」ということでした(笑)。で、そういった判断軸に基づいて超大手ITグループ企業に入社したのですが……そういった会社に入ると、どうなると思いますか?

――ワーク・ライフ・バランスが良好な日々が始まる……みたいな感じでしょうか?

田辺:それがですね、いざ入社してみると、社内には私と同じような人しかいないわけですよ。つまり「いかにラクしてお金を稼ぐか?」ということだけを考えている人間ばかりが働いているわけです。で、学生時代は「なるべくホワイトな企業で、ラクして金を稼ぎたい」と思っていた私も、さすがに気づきました。「いつまでもここにいたらマズい」ということに(笑)。それで、せっかく入った会社でしたが、1年10カ月ほどで退職することを決めたのです。

「モノを売ることに疲れたから小売業に転職した」という田辺さん? 小売業って「モノを売る仕事」じゃないんですか?

――そして転職活動を始められたと思うのですが、数ある企業のなかからクスリのアオキ様を選んだ理由は?

田辺:逆説的に聞こえるかもしれませんが、新卒入社した企業で営業職として働いたことにより、私は「モノを売ること」に疲れてしまったんです。

――クスリのアオキ様は小売業ですから、まさに「モノを売る仕事」だと思うのですが?

田辺:それが、実はそうとも言えないんですよね。まずは前職でモノを売ることに疲れたという部分からご説明します。営業活動をしていると、「……自分が売り込まねばならないこの自社商品より、●●社さんのあの商品のほうが、このクライアント様には向いているかも?」と思うことはしばしばあります。しかしそんなときでも「いやお客様、弊社の××のほうが絶対に優れています!」みたいなニュアンスで売り込まねばならないのです。

――なるほど……。

田辺:そんなことを繰り返していると、考えちゃうんですよね。「1回限りの人生において、自分に正直になれない毎日を今後40年続けたとして、果たしてそれってどうなんだろうか?」と。

――もちろん人によるのでしょうが、最終的には「後悔」するような気がいたします。

田辺:当時の私もそう思いました。しかし「じゃあ自分は次に何をしようか?」と考えてみても、なかなかこれぞというものはないわけです。事務仕事には向いてないですし、営業職も違う。……でも、それまでまったく見ていなかった「小売」という業界は、もしかしたら自分に向いているかも? と思ったんですね。

本社会議室で真剣にインタビューに答えていただいた田辺様


――そこがわからないところです。モノを売ることに疲れた田辺さんがなぜ、小売業が自分に向いていると思ったのですか?

田辺:逆に質問させていただきますが、スーパーマーケットなどに行かれた際、何かを「売りつけられた」という経験はありますか?

――そう言われてみると、ありませんね。小売店での私は「自分で勝手に買っている」という状態です。

田辺:そうなんです。小売業というのは「仕組み」によってモノが自然と売れるようにする業種なのです。そして小売業で働く社員とは、その仕組みを設計することが仕事なんです。で、もしもそうであるならば「……これは自分に向いてるかも?」と思ったんですね。そして小売業界についての研究を開始したところ、クスリのアオキが業界ナンバーワンの成長率を記録しており、企業としてのクスリのアオキの成長が、私自身の成長と幸福につながるに違いないと確信できたため、入社を決めた――というのが、長くなりましたが退職と転職の理由です。

入社1年目は「あえてバカになれ」とのことだが……そのココロは?

――新卒社員として入社した後に、自分が取るべき行動とは何でしょうか?

田辺:まず1年目は「いい意味でバカになること」が重要です。これは何も「社畜になれ!」と言っているわけではありません。しかし積極的に自分の色や考え方を押し通そうとするのは、1年目においては百害あって一利なしです。

というのも、入社1年目の新卒社員というのは基本的には何も知らないし、既存のルールができた背景もわかっていません。そのように視野が狭い段階のメンバーが言う「このルールはおかしい!」とか「自分は自分のやり方でいきます!」みたいな発言には、ほとんど意味がないんですね。ルールや仕事の進め方には、必ず何らかの意味があります。

でも最初はそんなことはわからなくて当然です。そのため1年目は「とりあえずバカになる」という意識で、求められた業務をとりあえず全力で返していくことですね。そしてその際に「100を求められたら120返す!」という姿勢で常に臨めば――どうなっていくと思いますか?

――なんというか、周囲から可愛がられそうですね。

田辺:そうなんです。100に対して120を返す人間は可愛がられますし、信用と信頼を獲得できます。そしてそういった人間のところに“チャンス”は巡ってくるんですよ。こういった姿勢を繰り返していくうちに、気づけばいつしか、今度は自分が「チャンスを与える側」になっていることでしょう。

店舗社員の仕事とは、まるで「プロスポーツチームのGM」のようなもの? そして「転勤」とは、会社のおかげで楽しむ旅のようなものなのかも?

――仮に御社に入社した場合、まずは店舗に配属されることになるかと思います。店舗において社員が日々行っている業務を教えていただけますか?

田辺:1つの店舗にはパートさんとアルバイトさんが20人ぐらいいて、社員が3人います。社員の重要な仕事のひとつは、20人いるパート・アルバイトさんのマンパワーを、20ではなく22や24、25……へと上げていくことです。要するに「チームとしての総合力を上げるにはどうすればいいか?」ということを考える仕事ですね。

そして品出しではなく「商品の配置」を考えることも、社員の重要な仕事です。配置ひとつで商品の売れ方って大きく変わるんですよ。弊社の店舗にいる社員は、そういった「チームのGM(ゼネラルマネジャー)兼マーケティング責任者」みたいな仕事をすることになります。

――「配属された社員」というポジションではあるものの、「店舗を経営するようなもの」とも言えるのでしょうか?

田辺:おっしゃるとおりです。しかも弊社の場合は入社1年目でそういった“経営”を任されることになりますので、学べることは本当に多いですし、確実に力も付くはずです。このあたりが小売業の非常に楽しいところであり、醍醐味であるとも言えるでしょう。

――とはいえ店舗を全国展開しているだけに、「転勤」の問題は避けて通れないかと思います。転勤についてどうお考えでしょうか?


田辺:私もね、学生の頃は本当に転勤が嫌だったんですよ。慣れ親しんだ地元にいたかったし、「今持っているモノ」を手放したくなかった。大切にしたいと思っていました。

でも、例えばゲームにしても、同じものを繰り返しプレイしていると飽きるじゃないですか? 新しいゲームをやりたくなりますよね? それと同じで、“感動”というのはほとんどの場合“新しい体験”から発生するものなんです。そういった意味で、自分の狭い経験域から飛び出して、新たな経験ができる転勤というのは“旅”のようなものであり、しかも会社のお金でできる旅ですから(笑)、逆に素晴らしいのではないか? というのが私の意見です。

「何のために働くのか?」という物事の根本がきわめて明確になる、クスリのアオキの採用選考

――本日は貴重でリアルなお話を多数頂戴し、誠にありがとうございました。時間の都合もあってこれが最後のご質問となりますが、選考の内容について教えてください。

田辺:ご承知のとおり、昨今は就職におけるミスマッチが多発し、新卒入社から3年以内に離職する人の数が3割を超えています。なぜこんなにも早期離職者が多いかといえば、それは端的に言って「就活の本質」が正しく理解されていないからだと考えられます。

――就活の本質……。

田辺:はい。狭い知識の範囲と、ふわっとしたイメージだけに基づいて就活を行っているからこそ、ミスマッチによる離職が多発するわけです。そのため弊社の選考は、その過程において「人は何のために働くのか?」ということが自然とわかってくる設計になっています。逆に言うと、選考の過程で学べるのはそれだけかもしれませんが(笑)。

しかしいずれにせよ、今後展開されるインターンシップにおいても「何のために働くのか?」「それがクスリのアオキでどう叶うのか?」「逆に叶わないことは何なのか?」ということは、全部本気でお伝えします。ミスマッチって、お互いが正直になれないから起きるんですよね。しかし弊社の選考は本当のことだけを包み隠さずお伝えし、それが有りか無しかはあなたが決めてください――というスタイルです。もしもご興味があれば、ぜひエントリーしてみてください。

――本日は新たな気づきがたくさんありました!お忙しい中多くの経験をお話しくださり本当に勉強になりました。ありがとうございました!

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