就職活動に役立つ業界研究を3つのポイントから解説していきます。
今回は電力・ガス業界について解説をします。
(3つのポイント)
この記事では業界の最近の動きを押さえる3つのポイントを中心に解説します。
- 電力自由化に伴う新電力会社の出現
- 電力需給ひっ迫の背景
- 再生可能エネルギーへのシフト変更の遅れ
Table of Contents
■電力・ガス業界とは
電力・ガス業界はエネルギー業界ともいわれ現代社会を支える大きな役割を果たしています。公共機関、自動車も電気自動車が普及し、企業や家庭内でも電子機器が必須の生活になっている為、無くてはならないものになっていて各社は安定供給に努めていますまた業界では日本のエネルギー政策の基本概念となる「Sプラス3E」を掲げています。これはエネルギーの安定供給(Energy Security)、経済効率性(Economic Efficiency)、環境への適合(Environment)、安全性(Safety)の頭文字をとった造語です。2014年にエネルギー基本法が策定されてから現在では第4次計画に入っています。その間には東日本大震災があり安全性がプラスされました。
また近年ではウクライナ侵攻によるエネルギーの供給が世界規模で懸念されています。東日本大震災で問題になった原発に関しても再稼働といった動きもあり今後の動向が大きく変化する可能性のある業界でもあります。
■市場の規模と変化
電力・ガス業界は地域毎に企業があります。電力会社では東京電力ホールディングスは関東に供給5兆越えの売上高、続いて関西地区の関西電力、中部、中国等の本州をはじめ北海道、四国、沖縄にもあります。ガス会社も都市ガスの東京ガスをはじめ電気同様、地域毎に企業があり地域で供給会社が決まっています。
但し、電気は2016年にガスは2017年に小売自由化に伴い消費者が供給会社を選択できるようになりました。その為、電気会社がガスをガス会社が電気を供給したり新規参入企業も現れました。
今後、電気業界は火力発電のCo2排出問題や昨今のウクライナ情勢を踏まえたエネルギー供給の不安材料からの原発への回帰といった課題が多くあります。ガス業界は温暖化による暖冬の影響、人口減少による消費低迷といった課題があります。また両業界ともに新たなクリーンエネルギーへの拡大も大きな課題となっています。
トピックス①電力自由化に伴う新電力会社の出現
2016年の電力小売り自由化に伴いガス会社をはじめ携帯電話会社や鉄道会社、ベンチャー企業も参入しています。あくまでも小売事業の為、消費者へ向けての販売業務を行っています。ガスとのセットで安価な価格帯の設定や、各種ポイントの還元、また契約をネットで出来たりと、手軽さもあり大手電力会社から乗り換える消費者も多くいました。現在は2021年の卸売り電力の高騰により安価だった価格も高値になり大手電力会社へ契約を戻す消費者も少なくありません。
今後は大手企業同様、新電力会社もクリーンエネルギーを扱う会社が増える可能性が高いです。
トピックス②電力需給ひっ迫の背景
電力自由化により電力の供給会社が増え、大手の電力会社が不採算の火力発電所の休止や廃業を行った為、気候変動に伴う電力の需給変化に追いつかず供給のひっ迫を招いています。供給ひっ迫が予測される場合には工場の操業停止の依頼や、家庭へも計画停電といったお願いを行っています。
また昨今のウクライナ情勢も電力ひっ迫に大きな影響を与えています。火力発電の休止や廃業を行ってはいますがまだほとんどが火力発電です。火力発電の原料となる石炭はロシアに頼っていますが段階的に禁輸になっています。その為、安価で安定した電力の供給が危ぶまれています。
トピックス③クリーン(再生可能)エネルギーへのシフト変更の遅れ
3.11による原発の活用の縮小が行われていましたがウクライナ情勢の影響で原発の再稼働や新設、増設が進められています。原発反対の声もある中、Co2排出問題も合わせクリーンエネルギーへのシフト変更が課題となっています。
クリーンエネルギーとは太陽光、風力、水力をはじめバイオマスと言った動物や植物から宇生まれるエネルギーの事を指します。
このクリーンエネルギーは天候に左右されたり発電コストが高い為、安定した供給体制が整わずなかなか普及が行えていません。
大手電力会社をはじめ海岸沿いや離島では地域の自治体やベンチャー企業が手を組み研究、開発を行って需要と供給の安定を模索しています。
ガス業界も同様に電気とセット売りを行う上でクリーンエネルギーへの動向は注視する必要があります。
まとめ
2016年から始まった電力自由化により電力会社もガス会社も相互に電力、ガスを扱えるようになりました。就職活動を行う時には双方の動向に注目する事で選択肢は広がる事になります。また今後の環境問題改善も視野に入れたクリーンエネルギーを扱うベンチャー企業等も選択肢になるでしょう。
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