3ポイントで業界研究をするポイント解説記事、今回は「総合商社」業界についてワンポイント解説をします。
この記事では業界の最近の動きを押さえる3つのポイントを中心に解説します。
①原油価格低下の影響からの復調
②5大総合商社の取り扱い商材の違い
③5大総合商社とその他大手商社「双日、豊田通商、兼松」の比較
Table of Contents
■総合商社業界とは
総合商社業界とは、様々な商品を国内外問わず取引を行う企業の事を言います。
様々な商品とは生活に必要な食品や衣類等から資源と呼ばれるような石油やガス等になります。
「総合」とカテゴライズされる商社は規模も売上高も大きく取引先は海外企業も多くその為、支店や営業所等が海外に設置されています。
どんな業務を行っているかと言うと仕入れから販売、そこにまつわる輸送や保険、契約を行う為の投資や融資、投資には取引先の企業や国、団体の生産や開発等にも携わっている事もあります。
商社の歴史は第二次世界大戦が変化のボーダーラインになっています。第二次世界大戦前は三井物産、三菱商事の財閥系が総合商社として位置づけられていました。戦後は伊藤忠商事や丸紅等が鉄鋼、機械、化学製品の輸出や工業原材料、原燃料の輸入を行い総合商社としてカテゴライズされました。
高度成長期には総合商社も時代に比例し輸出入を軸に営業範囲を広げ大きく成長して行きましたがバブル崩壊に既存事業の整理や専門商社への転換が行われました。
■市場の規模と変化
総合商社業界は、取引先に海外市場が多く鉄鉱石や原油、ガス、穀物や食肉、水産等の商材が多く取引されています。
そんな中でも伊藤忠商事は営業利益の8割を国内市場で占めています。その大部分が食料事業です。国内に大きな基盤を持つことで他の総合商社とは違い海外の情勢に左右されない強みがあります。
とは言え世界情勢に敏感な業界の為、コロナの影響やウクライナ情勢等で大きな打撃を受けましたが資源市況が回復している為、総合商社全体での業績回復が見込まれています。
トピックス①原油価格低下の影響からの復調
2021年度の後半は原油価格の低下により各社が営業利益に打撃を受けました。その中でも資源商材の取扱いの割合が大きい三菱商事は利益を大きく減らしました。この影響で首位から4位にまで転落しています。2022年度は市況が回復する為、業績も回復すると言われています。
トピックス②5大総合商社の取り扱い商材の違い
5大総合商社とは伊藤忠商事、三井物産、丸紅、三菱商事、住友商事の事を指します。
各社メインとなる商材は鉄鉱石、石炭、天然ガス等です。
メイン以外での商材は各社で特色が出ています。
その中でも伊藤忠商事は国内に市場を大きく持ち、安定した収益を上げています。顕著なのは大手コンビニチェーンのファミリーマートが挙げられ生活消費分野に強みがあります。
三井物産は東南アジア等へヘルスケア事業の育成等、非資源物資の分野に手を広げています。商社が「モノ」だけの扱いではない事がわかります。
丸紅は発電事業に於いて海外を中心に展開しており業界トップクラスを誇っています。
三菱商事は炭、液化天然ガス、銅事業が強味ですが子会社にローソンがあり非資源事業の基盤も安定しています。
住友商事はメディア事業のJCOM、TV通販、リース事業が業績を支えています。
また、メインとされる商材の石炭は他社と比較すると一般炭と呼ばれる発電燃料用の石炭の権利、利益が多いです。その為、地球温暖化対策等の面から環境団体より批判が上がる事もあります。
トピックス③5大総合商社とその他大手商社「双日、豊田通商、兼松」の比較
トピックス②で説明した総合商社とは別に双日、豊田通商、兼松といった大手総合商社もあります。双日は日商岩井とニチメンが統合してできた商社で航空機のボーイング社や自動車ディーラーとの取引がメイン。
豊田通商は名前からわかる通りトヨタ自動車の総合商社です。自動車関連事業はメインですが非自動車事業にも力を入れています。トーメンと合併しています。
兼松は羊毛輸入から始まった老舗の商社です。資源投資は行わず堅実な経営が特徴になります。
まとめ
現在の総合商社は扱っている資源ばかりではなく様々な商材を扱っています。その中で海外企業に強い商社、国内メインの商社、取引という業務だけでなくコンサルや支援等に力を入れている商社もあります。
企業自体の規模が大きく部署も多い為、自身の得意とする分野、興味がある分野に力を入れている企業に絞って就職活動を行うといいでしょう。
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