インタツアー【メディア】新しい就活のカタチ

【読書・就活】自分が「何者」か分からない…… 私のアイデンティティって?/ 朝井リョウ『何者』から考える「就活のカタチ」| ミルフィーユの考察

はじめに

こんにちは~。ミルフィーユです。

(ほんとうはミルクレープの方が好き。)


みなさん、「就活」について考えていますか?

最近、就活ってどんどん早まってますよね。

大学3年の夏ごろに説明会やインターンが徐々に始まって、
春休みには内定を出す企業もあります。

さらに、25年卒(今の大学3年生)からは、
インターンシップの定義が改正されるとか。

従来の大学3年に一斉解禁するスタイルではなく、
大学1年から企業や大学主導のもと、キャリア教育が推進されるそうです。

大学1年生……。
受験勉強がようやく終わったと思ったらすぐ次が始まるのか。

はやすぎですね。

もうちょっとのんびりしたいものです。
でも早めに就活終わらせて遊びたい、って気持ちもある。

うーん。難しいですね。

この記事では、一冊の本を通して「就活」について考えてみたいと思います。

取り上げるのは、朝井リョウ『何者』

直木賞受賞作で、映画化もされて話題になりましたね。
映画、見たよ!という方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。

『何者』では、就活をめぐる大学生たちの日常と、
それを取り巻くSNSの世界がリアルに描かれています。

私たち大学生がいつかは向き合わなければいけない「就活」。

就活が早期化する今、一緒にこれからの「就活」について考えてみませんか?

だいたいのあらすじ

主人公・二宮拓人は、御山大学演劇サークルに所属する就職活動を控えた大学4年生。 同じ大学に通う神谷光太郎とルームシェアをしている。ある日、光太郎のバンドの引退ライブで、留学を終えて帰国した光太郎の元恋人、田名部瑞月との再会を果たす。拓人は瑞月に思いを寄せていた。瑞月の友人で就活仲間の小早川里香が、ワンフロア上に住む同じマンションの住人であることを知ると、里香の部屋を「就活対策室」と名付け、4人は頻繁にエントリーシートを見せ合ったり、面接対策をしたりと切磋琢磨するが、選考が進むにつれて、だんだん人間関係が変化していく。

『何者』から見る「就活の早期化」

みなさんは従来の「就活」に対してどんなイメージを持っていますか?

3年生から一斉に始まるからついていくのが大変、
面接を受けていると自分が常に審査されているみたいでしんどい、
内定が貰えないプレッシャーで精神がすり減る……。

マイナスなイメージが多いのではないでしょうか。
『何者』でも、登場人物たちがいきなり始まる就職活動に戸惑うシーンが描かれています。

「早いとこだと年明けにもう面接はじまったりするよ。ES持参で説明会にいって、もうその日のうちに一次面接やらされたりとか」
「イーエス?」光太郎がきょとんとする。
「エントリーシートのことな。頭文字取ったらESだろ」
「ああ、細胞かなんかかと思った」(p44)

ESがエントリーシートの略であることが分からない光太郎。

自己分析、インターンシップ、会社説明会……

就活解禁と同時に、大急ぎで自分の将来について考えなくてはいけないという状況。

従来の就活はまさにこんな感じでした。

主人公の拓人も例外ではなく、将来の自分像を明確にできないまま就活を迎えます。

たくさんの人間が同じスーツを着て、同じようなことを聞かれ、同じようなことを喋る。
確かにそれは個々の意思のない大きな流れに見えるかもしれない。だけどそれは、「就職活動をする」という決断をした人たちひとりひとりの集まりなのだ。自分はアーティストや起業家にはきっともうなれない。だけど就職活動をして企業に入れば、また違った形の「何者か」になれるのかもしれない。(p74)

就活が始まってから「自分が何者か」なんて問いに直面したら、
色々迷子で納得にたどり着かなそう……。

授業・サークル・バイトなどをこなし、忙しない日々を送っていると、

気が付いたら就活を始める学年になっていた、なんてことが少なくありません。

「自分が何者か」

なんて考える時間が大学生の私たちにあるでしょうか。

大学はモラトリアム期間として設けられているはずなのに。

それでも就活では、将来の自分像がはっきりしている人材が求められる。

「あなたはどんな人ですか」
「この会社に入ってどんなことをしたいですか」

こんな質問、面接で聞かれるんだろうな。

私は、名前はミルフィーユ、大学生、
今は記事を書くアルバイトをしていて、
ナマケモノみたいな性格で……


いや、自分が何者かなんてわからないよ〜〜!!

こんな風に戸惑う学生さん、
多いのではないでしょうか。

これまで「対策を始めるのが遅いからいけないんだよ」と登場人物たちを批判する立場にいましたが、

自分自身について考えるってほんとに難しいテーマだと思うのです。うん。

だからこそ、
早いうちから考え始めることが大事なのかもしれません。

さいごに

先ほども言いましたが、
25卒からインターンシップの在り方が変わります。

「早期化」と聞くと焦ってしまいますが、

自分が何に興味があるのかブレインストーミングして考えてみたり、

大学のキャリア支援センターに相談に行くなど、
早いうちから考えて行動に移すことで、納得のいく就活ができると思います。

自分が何になりたいのか、
そもそも自分が何者なのか、

ゆっくり、焦らず、
自分の将来について考えていきましょう!

↑大学生のみなさん、是非読んでみてください。     
                             インタツアー学生編集部