今回はIT業界を3つに分けてワンポイント解説をしていきます。

IT業界は非常に動きが大きく数年おきにプレイヤーが入れ替わる業界です。特に、直近では「DX(デジタルトランスフォーメーション)」「AI(人工知能)」「ビッグデータ」「IoT」といった技術面の変化に加え、コロナ禍による「非接触・非対面」「テレワーク」といったニーズの変化も起きています。

IT業界は大きく分けて「ITサービス」「ネットサービス・アプリ」「EC」に分けることができます。
今回はこのうち「ITサービス」について解説します。

3つのポイント

この記事では業界の最近の動きを押さえる3つのポイントを中心に解説します。

① 進化する技術のトレンド AI、IoT、ノーコード
② コロナで大きく変化する利用者ニーズ テレワーク、非対面非接触
③ システム更新ニーズとDXで需要継続も技術者不足は深刻化

技術トレンド、コロナの影響、今後の業界需要動向について説明します。

IT業界(ITサービス)とは

まずはじめに、IT業界(ITサービス)の概要を確認しましょう。
IT業界のうち「ITサービス」と呼ばれている企業・業界は、主に法人(企業)向けにサービスを提供しています。企業が必要とする業務システム、ネットワーク、PCやデバイス、さらにサポートなどを提供することで売り上げを上げています。そのため、同じ業界の中にはさまざまな役割の企業が存在しています。

▽SIer(エスアイヤー)
SIは「システムインテグレーション」の略です。企業が必要とするITシステムの設計や企画を担当して、ハードウェアやネットワーク、ソフトウェア開発などの下請け管理を行います。SIerには、世界的な大手(IBM、アクセンチュアなど)国内メーカー系(富士通、日立など)ユーザー系(野村総研、CTCなど)独立系(大塚商会、富士ソフトなど)があり、それぞれ得意とする領域が異なります。

▽ハードウェアベンダー、ネットワークベンダー
PCやサーバ、ルータなどの機器類を販売する商社やメーカーです。

▽ソフトウェアハウス
ソフトウェアの開発を行う企業です。

▽パッケージソフトウェアメーカー
業務システムなどをパッケージとして販売しているソフトハウスです。

▽ITコンサルタント
システムを利用する会社の企画段階から調査などを担当します。

これまでSIerが利用企業の窓口となってシステム導入のかじ取りをすることが一般的でしたが、クラウドやSaasの普及によって、利用企業自身が開発やシステム運用を行うケースも増えてきました。
ITサービス企業によって得意とする領域やサービス体制などに大きく差があるため、企業研究の際には特長をよく把握する必要があります。

市場の規模と変化

国内のITサービス業界の市場規模はおおよそ5.8兆円にのぼります。ITサービス業界は景気、そして企業の業績の影響を受けやすい業界です。企業が業績が低下した際にIT投資を休止・停止することが甥からです。過去にはリーマンショック(2008)から東日本大震災(2011)の影響を受けて市場規模が縮小した時期もありますが、それ以降は毎年業界規模を伸ばしてきました。2020年はコロナ禍の影響もあり市場規模は低下の見込みです。

しかし、コロナ禍をきっかけに企業のIT投資が加速することが見込まれ、2021年以降は再び市場規模が拡大する見込みです。テレワークの拡大や学校のICT教育推進(GIGAスクール)、非接触・非対面などコロナが結果的にIT技術の導入を促進している側面があります。

トピックス1

① 進化する技術のトレンド AI、IoT、ノーコード
IT業界全体の押さえておくべきトピックスとして、近年の技術進化があります。特に、AIとIoTは私たちの生活全般に大きな変化をもたらしつつあります。AI(人工知能)は主に繰り返し作業の自動化や画像判別などに優れていますが、WEB接客等にも応用され始めています。IoT(Internet of Things)は遠隔地でのロボット操作や監視など、安全管理やデータ収集ツールとして大きく伸びています。
また、ソフトウェア開発のキーワードとして注目されているのが「ノーコード(開発)」です。これまで、コンピュータ言語(ソースコード)を知らないとソフトウェア開発をできませんでしたが、現在ではコンピュータ言語を知らなくてもソフトウェアの制作ができるようになりつつあります。

ITサービス業界の企業すべてがこういった技術に関わるわけではありませんが、今後伸びていく技術領域への取り組みは、企業の成長に大きく影響します。

トピックス2

② コロナで大きく変化する利用者ニーズ テレワーク、非対面非接触
新型コロナの影響で、企業システムに求められるものは大きく変わりつつあります。テレワーク需要の拡大で、2020年は多くの企業でPCやWEB会議システムなどの導入が進みました。それに伴い、ネットワークやセキュリティのニーズも増えています。また、非対面・非接触で販売やサービスを行える技術もニーズが増え、ネット決済やリモート医療などの導入も進んでいます。
こうした利用企業のニーズにうまく応える企業が、今後伸びていくと考えられます。

トピックス3

③ システム更新ニーズとDXで需要継続も技術者不足は深刻化
利用企業ニーズで見逃せないのが、システム更新とDXのニーズです。1990~2000年代に整備された企業システムの更新は2010年代から引き続きニーズが高く、加えて企業サービスのDX化(デジタルトランスフォーメーション)もコロナ禍をきっかけに大きく高まっています。こうしたニーズの高さは今後5~10年は続くと考えられていますが、同時に技術者不足も深刻となっています。利用企業側で技術者を確保する傾向も強くなっており、進化する技術をキャッチアップできる人材の確保がIT業界全体の課題となっています。

まとめ

ITサービス業界は、コロナの影響で一時的に市場規模を縮小したものの、中長期的には引き続き成長が見込まれる業界です。企業システムのニーズはこれからも拡大していく中で、より技術力・開発力の高い企業が大きく成長していくことでしょう。

ITサービス業界の企業を見るときには、得意とする領域や技術力、技術者の確保育成策などを中心に確認していきましょう。

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